《転がる母に苔は生えないvol. 12》太くどっしりと
この夏にルーツを感じる旅をした。
バンコクで出会い
家族ぐるみで仲良くしている友達がいる。
旧姓が一緒だったことがわかった時、
鳥肌が立つくらいびっくりして縁を感じた。
そうだ。
確か私の旧姓は
彼女の実家のエリアに多かったんだ。
夏休みに友達家族の帰省に便乗して、
我が家みんなでお邪魔するという旅行をした。
お互いまたいつ海外に出るかわからないから、
行ける時に一緒に行っておこうと思った。
息子は友達の子どもたちと
数日先に行くという冒険付き。
大人+我が家の娘もは数日後、
一緒の新幹線で向かった。
穏やかで透き通った海が目の前に広がる
自然豊かな場所で、
夜には満点の星が見える
初めて来たのに懐かしさを感じる場所だった。
私たちは一家で溶けるように癒された。
息子は
ここが僕の第二のホームと言うほど
気に入ったようで、
夏休み濃縮100%みたいな時間だった。
友達のお父さん、じいじに、
その土地の話、名字の話、ご先祖様の話など
いろいろ聞いたようだ。
実は、私の姉も、
アメリカ駐在中に出会った人たちが、
近くのエリアの人たちだった。
帰国後、姉も姪たちとその地域を訪れた。
姉妹揃って、海を越えた先で
その土地の人たちに出会い、
その場所に引き寄せられるように訪れた偶然。
ちょっと普通じゃないと思った。
海を越える、というところにも
名字の由来がある。
生前、父が家系図を作っていた。
自分のルーツを感じることは、
自分自身の存在を感じる。
息子がとても嬉しそうにしていた。
「ご先祖様は一緒かも!
僕たちみんな親戚だったのかも!」
海外生活で自分のルーツを
感じられることは多くない。
祖父母や親戚に会うことは年1回あればいい。
様々な語りを聴くには時間がなさすぎる。
サードカルチャーキッズには、
ルーツはできるだけ
太くどっしりしたものがあると良い。
今回この場所に引き寄せられたのには
何か理由があるような気がしてならない。
ご縁を大切にしていきたい。