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《転がる母に苔は生えないvol. 33》逆境を逆転!3つのサポート

一昨日、昨日に引き続き、
息子が「犠牲者」から「クリエイター」に
逆転するために、
私が「コーチ」として関わった方法を
ご紹介します。

過去2日の記事はこちらです。


我が家のように、国際移動をした時だけでなく、
子どもが新しい環境(学校)に入った時、
子どものなにか上手くいかない状況が続く時、
子どもの学校行き渋りの時、などにも
役立つスキルだと思います。
子どものことをよく観察したら、
見えなかったものが見えてくるのでは?

TCK子育てを通して身につけてきたマインドに、
ポジティブ心理学の人間関係逆転の法則の
読書会を通して気づいたことを加味して、
意識的に行った3つの行動をご紹介します。

1. 信じる

一つ目は、子どもは自ら乗り越える力を持っている
と信じることです。
というか、乗り越えられることを知っている、
という表現の方が正しいかもしれません。

国際移動する子どもたちは
立ち上がる力を身につけていきます。
レジリエンスと呼びますね。
彼らはたくさんのお別れや悲しみに遭遇する機会が
定住の子どもより多く、直面するたびに乗り越えて
過ごしているのです。
その力は彼らの大きな特徴であり、強みです。
ただし、それを発揮できるようになるには、
彼らの声や感情を信頼できる大人が掬い取って、
話させて、聴いてあげる関わりが必要になります。
良いことも悪いことも、
嫌だったことも何でも話して良いんだよ、
という安心安全な環境を用意することが大事です。

これは新しい場所に移動したての親にも
負荷が大きいことになりますので、
すぐには出来ません。
日頃からの関係作りの積み重ねが
こういったチャレンジの時に
発揮できるはずです。

2. 話を聴く

二つ目は、
「一つでいいから、楽しかったことを見つけて
 ママに教えてね。」
と学校に送り出して、その話を毎日夕食時に
楽しく聴くことをしていました。

どうしても、嫌なことや辛いことに
目が向いてしまう時期を過ごしていたので、
それはそれでいいのだけど、
その中でも一つ、
どんな小さなことでもいいから、
楽しかったことを見つけて
シェアして欲しいと思ったのです。

もちろんそれ以上に、
嫌だったこと、悲しかったこともありました。
それも一緒に話してくれていました。

ただただ話を楽しく聴く、
興味を持って聴く、
そして質問してさらに聴く、
そんなことを繰り返していました。
特に、気持ちを聞く、という方法は
強く我慢強いTCKにとって大切になります。

3. 良いところを伝える

三つ目は、
彼の良いところをたくさん伝えました。

移動があってもなくても、私は日頃から
「それってキミのいいところだよねー」
「キミっぽいよねー」
ということは伝えるようにしているのですが、
今までの安定した環境の中では
発揮できていた、らしさ、も、
異文化の中ではなかなか
うまく発揮できないことがあります。

そんな時、
「キミのそんなところは前からすごいよね」
「キミっぽいところが新しい友達にも
 伝わって良かったね」
など、言っていました。

例えば、息子はリーダーシップがある子ですが、
新天地で急にはそんな役割は担えません。
でもそれは、環境が変わって発揮できないだけで、
キミが悪いわけではない、
キミが変わってしまった、
キミの一部が失われてしまったわけではない、
ということを伝えたかったのです。


以上、3つ
1. 信じる
2. 話を聴く
3. 良いところを伝える
が、私が意識的に行っていたことです。

息子が言った、
「最初は、日本なんて来たくなかった。
 連れて来られて嫌だって言っててごめんね。
 でも、ママ、
 こんな経験をさせてくれてありがとう。」

このセリフは、まさに息子自ら
「クリエーター」としてのスイッチが入り、
嫌だと思っていた「移動」が
成長させてくれる「チャレンジャー」として存在し、
「コーチ」だった私にありがとう
、と
言ってくれたのです。

この日を境に、
息子は、文句をほとんど言わなくなりました。
もちろん学校の話や友達の話は
変わらずお喋りしてくれますし、
怖かった先生の話もしてくれます。(笑)
寒い、ということを除いては、
学校が嫌だ、と言うこともなくなりました。

これが続くかもしれないし、
また嫌だな、という状態に戻るかもしれません。
それは分からないけど、
どんなことがあっても大丈夫。
また一つずつ、行ったり来たりしながら
乗り越えれば良いだけなのだから。

3日に渡ってお送りした、
息子の近況のお話。
お付き合いいただき、
ありがとうございました。

今回きっかけとなった読書会で使われた、
松村有里さんの
『うまくいかない人間関係逆転の法則』
(すばる舎)
はこちらです。


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《プロフィール》
子安 芙美
東京出身
夫、長男11歳、長女5歳の4人家族
東京外国語大学大学院 日本語教育修士

2013〜2024 タイ駐在帯同
2024.07〜 日本(数年後再び渡航予定あり)

帯同中に2人出産し、初めての子育てが海外でスタート
自分が育った環境や感覚、世界観が違う子どもたちを
海外でどのように育てていけば良いのか悩み、
2018年にサードカルチャーキッズという概念に出会う
子どもの視点から見る、海外で育つということ、子どもたちの苦労、
そこに必要な親からのサポートについて学ぶ

近年、日本語教育については複数言語を話す子どもの
言語教育に興味がシフト
タイにおける母語・継承語としての日本語教育研究会から学び直す

主な活動:
・臨床心理士によるTCK Podcast ナビゲーター
・OVER THE BORDER -読む聴く知る 世界の教育- 
 ボーダレスライター
・海外子育て(TCK)講座講師
・『ジャーナル「移動する子どもたち」
  ーことばの教育を創発する』第14号
  特集:「子どものことば」を育むとは一親子の視点から
  エッセイ部門に掲載

所属学会、研究会:
・タイにおける母語・継承語としての日本語教育研究会   
 (JMHERAT) 会員、オンラインWSメンバー
・母語・継承語・バイリンガル教育(MHB)学会会員

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fumi @ 海外転勤する家族の子どもnote
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