野球のスタジアムで行なわれたバスケットボールの試合を見に行った
2024年(令和6年)12月28日、バスケットボール・Bリーグ公式戦である「レバンガ北海道対シーホース三河」戦が開催されました。会場はレバンガ北海道のホームアリーナである北海きたえーるではなく、今回は「エスコンフィールドHOKKAIDO」。誰もが予想していなかった野球スタジアムでのバスケットボール開催、その試合を観戦してきました。
試合開催会場の発表
2024年10月9日、レバンガ北海道と北海道日本ハムファイターズから「エスコンフィールドHOKKAIDOでレバンガ北海道のホームゲームを開催する」との発表がありました。
この一報を目にしたとき「面白いことを仕掛けてきたな!」と率直に思い、試合を含めて楽しそうなイベントになると感じられました。
しかし、同時に公表されたチケットの詳細を見てみると、とにかく値段が高かったという印象を受けました。特にアリーナ席が30,000円~60,000円という表記に目を奪われる。そして、バックネット裏も2万円クラス。アリーナやバックネット裏の座席ではラウンジで飲食することも可能とのことなので、普段の試合では使う機会の無い場所であったことから魅力的に思えました。
さらにスタンド席を見てみると、2階席のバックネット裏で8,000円、3階席でも5,000円というエスコンフィールドHOKKAIDOでの野球価格に慣れている身とするとどうしても高めに感じられ、チケットを買うことに躊躇してしまっていました。
レバンガ北海道はいつも年末最後の週末にホーム・北海きたえーるで試合を行なっているのですが、慌ただしさと体調面での不安があるため、たとえ冬コミへ参加しない時であっても現地観戦には行っていませんでした。今回の特別な試合についても「高いチケットを買っても見に行けなかったら…」と思っていました。
チケットが手に入った
開催が近づくにつれて、チケットの売れ行きも良いことが伝わってくると、観戦に行ってみたい気持ちが高くなってきました。しかし、すでに指定席はほぼ埋まっていたことから縁が無かったかなと思ったのですが、開催の1週間前に「自由席」の招待クーポンが手元に届きました。座席確保という手間がかかるものの、折角の機会なので見に行くことを決めました。
当初のチケット販売概要では自由席の区画は「1階の外野寄り内野席と3階内野席」とされていたのですが、自由席のチケットも多く売れていたことから、外野席や2階の内野席など対象となるエリアが拡大されました。
改めてエリアを確認してみると、観戦する座席として良さそうなのは3階バックネット裏寄りの内野席に思えました。3階席であるため高い場所から見る事にはなるのですが、普段のバスケットボールや野球の試合とは異なる雰囲気を楽しむには良いかなと感じました。
そして、開催の2日前になるとレバンガ北海道の公式SNSで場内の写真が公開され、この写真からコートと座席の位置関係を把握。自分が考えていた通り3階席だと全体が俯瞰できると感じました。逆に自由席でも当初からある1階席や追加された2階席だとコートが見切れたりするかもとも。3階席であるといつもの野球観戦でよく見ている場所なので、視界から見える選手の大きさとかも予想出来ました。
12月28日の試合開始は15:10ですが、一般入場開始は5時間前の10:00であり、おそらく13時くらいから混み出すと予測。野球試合日では無いため地元からのシャトルバスは運行されずJRに乗って向かうことから、開場時間に行くのは厳しいところ。列車の時間と北広島駅からのシャトルバスダイヤを見ると、早くて11時くらいには行けそうな感じが。開場から1時間経った程度の時間であれば、まだ自由席も余裕があると思えました。
試合当日
当日になり、予定していた行程で北広島駅へ。シャトルバス乗り場に行くとちょうど目の前でバスが発車。時間を見ると出発していったバスは臨時便であった模様。元々、定期便に乗る予定だったので、バスが来るまで先頭で待ち、10分ほどするとバスが到着して乗車。車内から外を見ているとバスが2台立て続けに来たので、今日は3台で運用していると推測出来ました。
5分ほどでエスコンフィールドに到着。この日はバス降り場から目の前にあるCoca-Cola GATEが封鎖されているので、入場口であるリポビタンGATEへ。入口には仮設テントがあり、荷物チェックを済ませて中を通るとゲート入口でチケットの確認。
リポビタンGATEから場内に入るとライト外野席側から1階席の内野スタンドへ行く形になるのですが、今回はそちらには向かわずに2階のCoca-Cola GATEへ登るエスカレータに乗り、2階に着くとすぐに3階へ行くエスカレーターに乗り換え。
まだこの時点では3階席は閑散としており、バックネット裏に近くなると少し座席が埋まっていました。そして、レバンガ北海道のベンチに近い3塁側の内野席に着くと自由席となっている区画で座席を探すことに。
バックネット裏から3ブロック程度の場所で前方から数列目に通路側が空いている場所があり、眺めてみると見やすい感じもしたことから座席を確保しました。座ってみるとグラウンドに作られたコートもしっかり全体が見える場所であったので、数時間後、ここで繰り広げられる戦いを見る事が楽しみになってきました。
まだ時間もあったので、場内を回ってみることに。普段の野球モードとは違う光景、いろいろな画角から見てみました。1階席の自由席として指定されているエリアは想定していた通り視界の半分くらいしかコートが見えない見切れ座席であり、さらに2階席の自由席ではほぼコートで起きていることは見えなかった感じがしました。
場内を何周もして、各所で行なわれていた催しを軽く眺めていました。通常の入場ゲートを封鎖して、そこで3x3バスケをやったり、来場者と一緒に楽しめるイベント事をやったりと、試合前から会場内では盛り上がりを感じられました。
試合開始2時間くらい前からは座席に戻って、スタジアムグルメを食べながらコートで行なわれていた催しや選手のウォーミングアップを見ていました。高い位置で見る形でありましたが、大型ビジョンも含めてコートで何が起きているか分かりやすかったです。
14:30ごろからオープニングセレモニーが始まり、選手の登場も外野ブルペン横からトレーラーが出てくるというこの場所ならではの演出に気持ちが高まりました。そして、15:05には各チームのスターティングメンバーがコートに登場。ビジョンの演出も合わさって、選手が一層輝いて見えました。
試合開始
15:15ごろ試合開始。レバンガの攻撃から始まったのですが、先制点を入れることは出来ず、三河側に得点を奪われました。ここから三河側が主導する流れで進んでいき、第1クオーター序盤と言うこともあってか開始5分くらいは落ちついた感じで試合が流れていきました。
第2クオーターに入っても三河が優勢な感じであり、所々でレバンガ側も得点して追い上げていったのですが、第1クオーターよりも得点差が広がって前半が終了しました。
場内が思った以上に暑かったため、ハーフタイムの時間を使ってソフトドリンクを買おうと思ったのですが、3階で営業していた唯一の売店には長い列が。とりあえず並んだものの、これは後半・第3クオーター開始に間に合わないと思うように。そこにドリンクの売り子さんらしき姿が見えたので、売店の待機列を抜けて見に行くと売り子さんが。そちらで何とかドリンクを購入出来たので、第3クオーターが開始していたものの、まだ序盤の段階で座席に戻ることが出来ました。
後半の第3クオーターはレバンガ・三河共に動きのある展開になり、途中からはレバンガに流れが来たようにも思えました。前半の20分に比べると得点も入るようになり、一時は5点差まで追い上げる展開にもなり気持ちも高まりました。しかし、結局逆転は出来ずにビハインドのまま最終の第4クオーターへ。
7点ビハインドで迎えた最終第4クオーター。この点差だと何が起こるか分からないのですが、レバンガ側はどうにもシュートが決まらなかったです。3ポイントシュートだけではなく、リング下からもゴールに入らないことが続き、もどかしさが溜まってきました。
オフィシャルタイムアウト後もレバンガは何とか攻めていたものの三河の勢いを変えることにはつながらず、最終的には17点差を付けられ、大勢の観客の前で勝ちで終える事は出来ませんでした。
2024-2025シーズンとしては初めて観戦したバスケットボール・Bリーグでありましたが、バスケットボールというスポーツ持つ魅力や面白さは会場が変わっても不変なものであると感じました。レバンガ劣勢の展開かつ負けた試合でしたが、惹き付けるものは確かにありました。
試合を体感して
第3クオーター終了後に来場者が発表され、この時点で19,147人というBリーグ最高の集客数となりました(最終的には19,462人)
これはファイターズ側が自由席の招待券を各所で配布していたというのも集客につながった面は否定できませんが、普段は野球しか興味の無い人たちに少しでも「バスケットボールの世界を体感する」という経験を出来たことは、ジャンルの垣根を越えて、どちらにおいてもプラスになると思います。
「エスコンフィールドというスタジアムは野球をやる場所」そう思われがちですが、そういった既成概念に捕らわれず、新たな試みを行なう。このことが物事の可能性を高めていくだろうと感じられた今回の試合でありました。