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TBS NEWS「いらすとキャスター」誕生の舞台裏(後編)
■「いらすとや」さんに会いにいく
「お役に立てるのであれば、よろこんで」
断られたら、全てが水の泡になる・・・かなり入念に準備して臨んだ「いらすとや」さんへのプレゼンでしたが、「ニュースが届きにくくなっている30代以下に、きちんとニュースを届けたい」との主旨を説明すると、二つ返事で仕事を引き受けて下さいました。
快諾して頂けたから、言うワケでもないのですが、「いらすとや」さん、言葉遣いがとても丁寧な「癒し系」の本当に素敵な方です。
何度か意見交換しながら完成したのがこちら・・・
左から、いらくん、すとちゃん、ロボさん(解説担当)です。
■動きへのこだわり
「動き」や「できる事」については、日々、進化していく予定なので、現状の「仕組み」についてここでは説明はしませんが、かわいらしい動きはAGA(赤坂グラフィックスアート)の河村光彦さん、大原貴子さんのおかげです。すとちゃんの髪の毛が「ふわっ」と揺れる所とかは、大原さんの女性ならではの視点・こだわりだな~と思いました。
ネクタイやリボンは「TBSの色=青」で統一。TBS NEWS「いらすとキャスター」はこうして誕生しました。
■想定外の反響
10月1日、ツイッター上で公開された「いらすとキャスター」の動画は、深津さんや「いらすとや」さんご本人の協力もあり、あっという間に(ツイッターだけで)200万超の再生数を記録しました。デジタル系のメディアだけでなく、ヤフーのTOPページでも紹介され、超弩級のスクープ並みの反響がありました。
会社の先輩からも「娘(高校生)がTBS NEWSの『いらすとキャスター』を褒めていたよ」とメッセージを頂き、疲れが一瞬で吹き飛びました。
「いらすとキャスター」は他社の報道番組「Abema Prime」でも紹介されました。
■今後の可能性
いらすとキャスターは人員削減のツールではありません。ニュースの現場の「働く場」や「働き方」を拡張する、ポジティブなツールです。
どんなにAIが進化しても、人にしかできない「取材」を充実させることにつながります。必ずしもスタジオにいる必要がないため、「リモートワーク」も可能になります。アナウンス部のOB・OGの方や、産休・育休中のアナウンサーの働き方を拡張することになるかもしれません。
また、ニュース原稿を音声化する技術が進歩すれば、ニュースデスクが原稿に〇をつけた瞬間、いらすとキャスターが速報動画としてマルチデバイス向けにニュースを出すことが可能になるかもしれません。翻訳の技術が進めば(災害時などに)多言語化に対応することもできるかもしれません。
アナウンス部や関係各所のご協力により、TBS NEWS「いらすとキャスター」は既に約30本のニュースを報道しています。同じニュースで比較すると、クリックされる割合が高いとのデータも出ています。
寿命がないため、100年でも1000年でもキャスターを続けることが可能です。視聴者に愛され、信頼されるキャスターの一人になれるよう、引き続きご指導ご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。
ニュースが少しだけスキになるノート 池田誠 @jnn04316