「TBS NEWS」のインサイトデータを、ちょっとだけ公開します。
こんにちは、池田です。
いつも「TBS NEWS」をご覧いただき、ありがとうございます。
きょうは、「TBS NEWS」公式フェイスブックのインサイトデータを振り返りながら、今後の動画づくりについて考えてみたいと思います。
フォロワー数の変化
(私がSNS担当になった)2017年4月1日、
11万6460人 だったフォロワーは、
19万2738人(2018年8月24日現在)になりました。
+7万6278人 ・・・1人1人に感謝の気持ちで一杯です。
ちなみに広告費は1円も使っていません。動画をコツコツ出し続けただけです。階段のようになっている所は人気動画が拡散した時期と重なります。
「動画」再生時間の変化
ニュース動画で重要なのは、「再生回数」よりも「再生時間」だと考えています。比較可能な、2017年9月4日~2018年8月24日・過去355日間で比較すると(※動画再生時間のデータが2016年9月12日からしかないため)
ニュース動画の再生時間は・・・
417%増 となりました。(動画の3秒再生数は372%増)
(無料Wi-Fiなど通信環境が向上しているためか)
ニュース動画の再生時間は「かなりの伸び」を見せています。
台風・災害情報など、国民の生命財産に関わるような重大ニュースについては、今後も積極的に「TBS NEWS」公式アカウントを活用するので、是非フォローをお願い致します。
(Facebook・Twitter・YouTube・LINE・Instagram・note)
「どんな動画がよく見られますか?」
SNS担当をしていると、社内外問わず、よく聞かれる質問です。
冒頭の「3秒」が大事とか、心を動かすような「エモさ」「中身」が大事とか、上から目線にならない「言葉の選び方」が大事とか、あげるとキリがないのですが・・・
インサイトの数字をみて、一番「差」が開くなぁ・・・と感じるのは、 「無音でも見られる・読める動画」かどうか・・・という事でした。
料理やファッション系の短尺動画と異なり、ニュース動画の場合は「まず現場からの情報や映像ありき」のため、表現には限界があります。「スピード感」「出すタイミング」も重要なため、ナレーション(文字情報)を画面の下に「シンプルに出す」という事が生活者の方の「ニーズ」に合致しているのではないかと思います。
もちろん、視聴完了率を高める(最後まで動画を見て頂く)ために映像編集にトコトンこだわりたい気持ちもあります。しかし、こだわればこだわるほど、ニュースを届けるタイミングは遅れてしまいます。その絶妙なバランスを探るのが、これからのニュース動画を作る人の課題かと思います。
「サンデーモーニング」の手作り解説動画
「アッパレ~! 喝!」 という「スポーツコーナー」が有名なTBSテレビ「サンデーモーニング」(毎週日曜日 あさ8時~放送中)ですが、実は、ほかにも名物コーナーがあります。それは・・・
「手作りフリップ解説」
デジタルCGで説明できる時代に、あえての「手作り」解説・・・
しかも、毎回「そんな動きをするのか!」と驚きのプレゼン。
(これが本当に大変らしく、毎週作る番組スタッフを心から尊敬します)
その苦労がSNSを通じて、言葉の壁を超えて伝わるのか、動画に切り出してフェイスブックで展開した所、いまや世界で愛される人気コンテンツとなりました。(スペインの地元紙が動画を取り上げた話は、こちらをクリック)
このSNS動画の影響かどうかはわかりませんが、「サンデーモーニング」を見るFコア層(13歳~59歳)が増えた・・・というデータもあり、引き続き番組視聴率とSNS動画との関係には注目してみようと思います。
「どんな動画は見られない?」
動画の視聴グラフを見た時に、ガクン!と下がる理由はいくつかあるのですが、経済ニュースや統計ニュースの「棒グラフ」などのCGは下がる確率が高いと思います。
これはテレビ向けに作ったCGがスマホとはマッチしていないのだと思います。データや数字をどうデザイン・視覚化して伝えるかは、これからの課題です。
新番組:動いて動いて動こう!「Dooo」
徳谷柿次郎さんと堀口ミイナさんがMCを務める「Dooo」(ドゥー)
魅力的なゲストとの対談番組なのですが、10分~15分程度あるため
「視聴完了率」は、ほかのニュース動画と比べれば低めです。
しかし、10代から20代の「若年層の視聴割合」が通常よりも高く、
今後、ここから次世代のスターが生まれる可能性は十分にあります。是非チェックしてみてください! →「Dooo」(ドゥー)
通常(薄い棒グラフ)よりも18~34歳の割合が高い
こちらのゲストは、かなり25~34歳に刺さっています
※「Dooo」のインサイトデータより
その他、気づいたこと
30秒程度のダイジェスト動画や、いわゆる番組宣伝臭の強い動画は
SNSには向きません。拡散もほとんどしません。きっと「あ、そうですか」で終わってしまうのだと思います。
動画の内容が「ニッチ」であったとしても、「熱量」や「深さ」があれば拡散につながり、結果として、沢山の人に長い間見て頂ける動画になっていると感じます。
次は何をするの?
「TBS NEWS」の新たな施策として、
9月下旬と10月上旬に「2つの新たな試み」を開始する予定です。
人が少ないのに、そこまで広げて大丈夫かな?・・・と不安もありますが、周囲のスタッフの助けを借りながら、引き続き、皆様にニュースを届けていけたらと考えております。
ニュースが少しだけスキになるノート 池田誠