スーパー・チューズデー前に中道派が大結集 福音派のトランプ離れも・・・(3月3日Nスタ)
全米14の州などで一斉に民主党の予備選挙が行われたスーパー・チューズデー。直前の世論調査の平均で支持率トップを走っていたのは急進左派・サンダース氏です。しかし、展開を大きく変える動きが・・・
スーパー・チューズデー直前に、序盤戦で躍進をみせたブティジェッジ氏をはじめ複数の中道派候補が、レースからの撤退と同時にバイデン氏への支持を表明したのです。これまでに予備選や党員集会が行われた4州での獲得代議員数の合計では、バイデン氏がトップに躍り出ました。
そんなバイデン氏は3月2日、テキサス州で行われた集会に、自信に満ちた表情で姿を現しました。
中道派が結集しバイデン氏をトップに押し上げた背景には、社会主義へのアレルギーが強いアメリカで、「“民主社会主義者”を名乗るサンダース氏では、本選でトランプ氏に勝てない」という危機感があります。それを示す、ある有権者層の動きがあります。
キリスト教「福音派」は国民の4人に1人と言われ、共和党の重要な支持基盤です。しかし、ジャクソン牧師が口にしたのは、「こんな大統領とはもう歩めない」とのトランプ大統領への批判。トランプ氏は、セクハラを告発した女性を集会で嘲笑ったといい、さらには体に障がいのある記者の真似をしてからかったといいます。そんな大統領の振る舞いに嫌気がさした福音派の有志が、再選阻止に動き始めたのです。活動の中心にいる牧師は・・・
トランプ氏にうんざりしたという信者も・・・
牧師たちは11月の本選挙まで、共和党支持が根強い福音派に民主党候補への投票を呼びかけます。ただ福音派の人々は、トップを走る急進左派・サンダース氏への投票はためらっています。
本選で福音派を含めた幅広い支持を集めるためにスーパー・チューズデーでの「一本化」を図った中道派。一方で、大富豪でCMを大量に流すなど、独自の戦いを行い支持率全米3位のブルームバーグ・前ニューヨーク市長は、中道派ながらここから参戦しました。民主党の「トランプ大統領に勝てる候補」選びは続きます。
ニューヨーク支局 宮本 晴代 記者
報道局社会部で警視庁、文科省担当。のち、「報道特集」ディレクター時代は日本人遺骨問題を中心に北朝鮮取材を重ねる。「news23」ディレクターとしてトランプ大統領誕生の瞬間に立ち合う。2017年からニューヨーク支局で国連取材を担当しつつ、米国社会の森羅万象を見る。特技はハンガリー語。