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Vtuberにおける単純接触効果の重要性

単純接触効果という言葉をご存じでしょうか。これはアメリカの心理学者ロバート・ザイアンスが提唱したもので、簡単に言うと「接触する機会が増えるとその相手に親しみが増す」という効果のことです。

特にビジネスや恋愛等において注目されていて、例えばビジネスに活かしたい場合は顧客と会う回数を増やしたり、広告を目に触れやすい場所に何か所も設置することで、警戒心を解き、購入意欲を湧かせる効果が期待できます。また、恋愛においても、気になる人と顔を合わせる機会を増やし、さり気ない笑顔で明るい印象を与えることで、意中の相手の中での存在感を上げることが出来るとのことです。

大切なのは「あまり間を空けすぎない」ことで、数週間に1回くらいの頻度ではなく、1週間に数回のペースくらいでやるのが理想とのこと。割りと思い切って、やりすぎかなと思うくらいにやってこそ効果が期待できるようです。中々難しいことですが、逆に言うと何事もそれくらい積極的にいける人の方が良い結果をもたらせるということなのかもしれません。

また、単純接触効果は対人関係のみに関わらず、物や匂い、音楽等にも発揮されるとのこと。そう言われてみると、最近の音楽の聴き方はサブスクリプションが基本で、何か特定の曲を聴くこともあれば、ランダム再生で色々なアーティストの曲を聞き流すという方も多くいます。その過程の中で何度も耳にする曲があって、聴いている内にハマっていくというのも単純接触効果の効果と言えるでしょう。私も最初はグッとこなかったけど何度も聴いている内に好きになるという経験を何度かしたことがあります。いわゆる“スルメ曲”と言われるものの中には単純接触効果が影響しているものもあるかもしれません。

さて、長くなりましたがここからが本題です。今回のテーマは「単純接触効果はVtuberにとって重要なものではないか」というもの。Vtuberとリスナーの関係性はビジネス的でもあり、人によっては恋愛的でもあります。両方の要素を兼ね揃えているからこそ、単純接触効果は人気を獲得する上でとても重要なものとなるでしょう。この記事ではそういったことについて書いていければと思います。

目に触れる回数を増やす方法は様々

Vtuberの場合、目に触れる回数を増やす方法は多々あります。まず考えられるのが毎日配信です。それも、時間帯がバラバラになるよりもある程度同じくらいの時間にあった方が「この時間なら確実に会える」と分かるのでいいかもしれません。

リスナーの目線からすると、まだ推しと呼べるほどの存在ではない場合、スケジュールをチェックする段階までいくことは少なく、また、仮に一度チェックしたとしても記憶として定着する確率は低いと言えます。それならば定期で決まった時間に配信をして、会える場所を提供した方がいいでしょう。

ただし、同じ時間の配信を続ける場合、「折角興味が湧いたけど配信の時間が合わなくてリアタイできない」という方が出てくる可能性もあるのが難しいところ。例えば朝や昼の時間帯に定期配信をして、夜は時間をバラバラにして配信をするというハイブリッド方式もいいかもしれません。もちろんそれだけ配信に時間を割けるという方は少ないと思いますが、たとえ毎日ではなくとも「〇曜日の朝は朝活配信、〇曜日のお昼は定期歌枠」というように曜日を決めて行うことも考えられます。その辺りはどれだけ出来るのかを自分と相談する必要がありそうです。

SNS活用はもはや必須⁉

Vtuberが目に触れる回数を増やすことを考えたとき、配信と同じくらいに重要なのがSNSの活用です。もはや今のバーチャル界では必須とも言える要素で、例えばX(旧Twitter)でポストがバズった結果、チャンネル登録が増えるなんてこともよく見られます。それほど劇的な効果は無くとも、日常的にSNSを活用することで人の目に触れる回数は確実に増えるはずです。

いわゆる“おはツイ”(今ならおはポス?)に動画を入れる、リプライをくれた人に返信をする“リプ返”、さらに自身の名前が入ったポストにいいねをする“エゴサ”等、活用が上手な方は本当にマメに更新している印象です。チャンネル登録が数万人を超える規模でも頻繁にリプ返をしていたり(おはポスだけ等制限はかけています)、名前入りポストにいいねをする方もいて、そのきめ細やかなファンサービスには頭が下がります。そしてそういった方々は等しくチャンネル登録だけでなく配信における同時接続数も多い場合が多いです。

X(旧Twitter)が伸びたとしてもYouTubeとは別軸であり、チャンネル登録が伸びるとは限らないという意見もよく目にしますが、個人的にはそんなことは無いと思っています。私の周りではSNSを上手に活用している方はしっかりYouTubeも伸びている方が多く、やはり相関性はあると考えていいと思いますね。

shorts動画や広告も

YouTubeでその他に人の目に触れる機会と言えば、shorts動画や広告も挙げられます。

shorts動画は最近のトレンドであり、私自身も毎日定時に投稿していたVtuberさんが劇的にチャンネル登録が増えるという事例を目にしたことがあります。まだ完全に解明はされてないようですが、shorts動画にもアルゴリズムのようなものはあるらしく、投稿後30分以内にコメントや共有がたくさんされることでフィードに乗りやすくなり、より再生数が伸びることに繋がるようです。

しかし鮮度が落ちたからといって全く日の目を見なくなるというわけでもなく、数週間後にフィードに乗ることもあるようで、その辺りはまだまだ謎も多いです。ただ1つ確かなのはコメントや共有の数がキーとなっていることで、Vtuber本人だけでなく既存のリスナーの協力も必要になってくると言えるでしょう。X(旧Twitter)での推しのポストのリポストもそうですが、意外とリスナーの貢献度も馬鹿にできないものがあって、1人1人は小さな力でも集まると巨大な力となり、推しが人の目に触れる為に大きな役割を果たしているのです。

一方、広告に関してはVtuber自身の力、ぶっちゃけて言うならばお金の力によって人の目に触れる機会を増やす方法と言えます。

YouTubeの広告にも色々なタイプがあるようですが、Vtuberにとって一番身近なのは「インストリーム広告」でしょう。いわゆる動画の再生前後・再生途中に表示されるタイプで、ユーザーが途中スキップ可能なものとそうでないものの2パターンあります。スキップ可能なパターンの場合は30秒以上広告が流れた場合にお金が発生し、即スキップされたときは広告料が発生しないなど、細かなルールがあるようで、この辺りは実際に広告を出してみないと分からないことも多そうです。

効果は確かに実感できるほどにはあるそうで、個人差はあるでしょうが、歌ってみた動画の場合、1万円でおよそ1000~2000ほどは再生数が増えるそう。広告に嫌悪感を示すユーザーもいるので良いイメージばかり与えられるとは限りませんが、人の目に触れるという意味では効果が期待できます。力を入れて作成した動画がある場合は検討してみてもいいかもしれません。

【最後に】受け身では生き残れないバーチャル界

今回は、「Vtuberにおける単純接触効果の重要性」というテーマで記事を書き進めてきました。まとめるならば、「何度も人の目に触れることで親近感が増し、ファンになってもらえる可能性が増える」ということです。その為のアプローチ方法は様々で、時間やお金、リスナーの協力等、色々なものを吟味した上で最適な解を模索する必要がありますね。この辺りはそれぞれで差し出せるものにも違いがあるでしょうし、それこそ千差万別と言えそうです。

大切なのは自分から露出が増えるように努力することで、バーチャル界は受け身でいるよりも積極的に自身をアピールする機会を狙っていった方がより成果が出るように思います。例えば歌が得意な方なら歌枠リレーへの応募をするなど、自身の特性に応じて貪欲に人の目に触れる場所を勝ち取っていく必要があると言えるでしょう。その為にはがむしゃらさだけではなく計画性も重要になってくるでしょうし、簡単に生き残れる世界ではありません。

そんな厳しい世界の中でも単純接触効果を活用しているVtuberさんはコツコツとチャンネル登録者数を伸ばしており、リスナー視点で見ても好感度は高いです。いかに人の目に触れるか、そこに伸びるためのヒントがあると言えるでしょう。


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