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【ふるさと納税と家計に関する調査】物価高騰がお礼の品の選択基準に影響。節約したい項目トップは食費、物価高で利用したい品1位は米
国内最大級のふるさと納税総合サイト『ふるさとチョイス』は2024年12月26日、全国の20歳以上の1,391人を対象に実施した「ふるさと納税と家計に関する調査」の結果を発表しました。
方法:インターネット調査/期間:2024年12月9日~12月11日
対象:全国の20代~70代 1,391人
結果のポイント
95%以上が「物価高を感じる」60代以上で特に高い傾向に
物価高を感じる項目の1位は「食費(88.6%)」2位「光熱費(48.7%)」3位「日用品(48.1%)」
ふるさと納税の利用目的は、節約・家計への役立てがトップ
物価高で不動のお礼の品「肉類(43.9%)」を抑えて「お米(49.9%)」が1位に
定年後に利用してみたい分野には、物価高と防災意識の影響も
利用しない理由として約4人に1人が「手続きや確定申告が分からない、面倒」
約2人に1人が実店舗でお礼の品を見たり体験できるイベントを魅力
結果の詳細
1)全体の95.4%が「物価高を感じる」と回答!特に60代以上で物価高を実感。物価高を感じる項目・節約している項目ともに「食費」が圧倒的1位に
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全体の95.4%が物価高を実感しており、中でも60代以上の98.3%が物価高を感じると回答。全世代の中でも最多の結果に。また、物価高を感じる項目TOP3は、全世代を通じて「食費(88.6%)」「水道光熱費(48.7%)」「雑貨・日用品(48.1%)」と、食費は他の項目と40ポイント以上の差をつけました。特に60代以上は96.2%が食費を選択しています。
また、物価高への対策として、最も節約・削減しているのも他項目と30ポイント以上の差をつけた「食費」(48.8%)が1位でした。
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2)ふるさと納税の利用目的は「お礼の品を楽しみたい」よりも節税効果や家計を重視。認知度は95%、一方で利用したことがない人は4割
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ふるさと納税の認知について質問したところ、「大まかに知っている(42.5%)」、「よく知っている(26.7)」、「名前を聞いたことがある(26.2%)」と全体で95%以上が認知しているという結果に。
ふるさと納税を利用したことがない人は全体が43%、60代以上では64.2%でしたが、最も利用率が低い60代でも認知度が6割越えており全世代を通じて認知度が高いことが読み取れます。
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ふるさと納税を利用したことがある人は全体の57%で、約3割は直近3年以内に寄付。特に過半数が直近3年以内に寄付をしている20代では利用が広がっていることが分かります。利用する理由としては、「税制優遇・節約効果があるから(61.7%)」「家計や生活に役立てたい(46.5%)」の回答者が「返礼品を楽しみたい(39.6%)」よりも多く、物価高の影響を受けて家計などの経済性を重視していると見受けられます。
3)物価高で変化。不動の人気お礼の品「お肉」を抑えて「お米」が1位に
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ふるさと納税の利用者のうち、過去に選んだことがあるお礼の品TOP3は「肉類(58.9%)」「お米(51.8%)」「魚介・海産物類(49.5%)」でしたが、物価高を理由に特に利用したいお礼の品について質問したところ、お米(49.9%)に次いで、肉類(43.9%)の順に。肉類の中でも毎年不動の人気を誇るのが牛肉ですが、ふるさとチョイスの上半期人気ランキングでも「令和の米騒動」として不足・高騰したお米が牛肉を抑えて1位だったことからも、物価高を理由に品への関心に変化があったと推察できます。
4)ふるさと納税を利用したことがない人にとって「収入や家計に余裕がない」「手続きがわからない」が障壁に。約3割は手続きが難しいと感じていることが判明
ふるさと納税を利用したことがない人に理由を質問したところ、36.2%は「収入や家計に余裕がない」、32.1%は「興味はあるが手続きがわからない」と回答しました。また、利用経験者も含めてふるさと納税の手続きについて、27.7%が難しいと感じていることが分かりました。
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5)お礼の品を選ぶ決め手は「家族と一緒に楽しめる品」が最多。定年後に利用してみたい分野には、物価高と防災意識の影響か
お礼の品を選ぶ決め手は「家族と一緒に楽しめる品(39.4%)」が最多であり、特に40代以上が高い傾向に。次いで「日頃から使用する日用品(36.2%)」「普段自分では変えない特別な品(35.6%)」と真逆の選択肢が並び、利用者によって志向が様々であることが分かりました。
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ふるさと納税の利用経験の有無に関わらず質問した、寄付してみたい分野TOP3については、「環境・自然保護・景観(23%)」「震災復興(22.2%)」「医療・福祉(21.9%)」と、昨今の災害による防災意識が影響していることがうかがえます。
定年後やリタイア後に利用してみたいと思うお礼の品では、約3割が「冷凍食品」、次いで21.1%が「防災・安全関連」を選択するなど、こちらでも食費の高騰や防災意識の影響が見受けられます。
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6)実店舗の需要が明らかに。20代の約7割が店舗でのお礼の品体験に魅力
制度や手続きについて難しいと感じる声もある中、店舗で実際のふるさと納税のお礼の品を見たり体験できるイベントについて質問したところ、半数以上の55.7%の人が「魅力的」と回答しました。特に20代は67.3%が魅力的と感じており、全世代の中でも特に需要が高い傾向が見て取れます。
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また、ふるさと納税に関する勉強会や説明イベントがある場合、需要が高いのは「手続きや申請方法の説明(34.9%)」「寄付先の選び方や特産品の情報(34.4%)」でした。
手続きを難しいと感じている人に需要が高い項目TOP3は、「手続きや申請方法の説明」「控除申請のポイント」「制度の基本的な仕組み」という結果に。
認知度が高いふるさと納税ですが、今後も利用者拡大への高いポテンシャルと同時に制度や手続きの難しさなど障壁があることや、物価高や震災など社会の影響を受けていることが分かりました。
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