テレワークゆり物語 (85)節分の日に知った北海道のおおらかさ
「何これ?落花生?」
時は1998年。北見市に引っ越してきて、はじめての節分の日の前日。
同じ保育園に通う長女と次女が、帰ってくるなり 「お豆さんもらったよ~」と喜んで駆け寄って来たその手の中には、なぜか落花生。
「あしたは、せつぶんだよ」けげんそうな私に長女が説明してくれた。
それはわかっている。しかし節分にまくのは「炒った大豆」ではないか。
私「普通は小さいお豆さんやろ?」
長女「でもこれなら、まいたあと、お片付けが楽だよ。」
むむ。確かに。大きいから見つけやすい。
落花生を使うなんて変な保育園やけど、合理的なのは大好きだ。
と思っていたら、節分当日、三女の保育園にお迎えにいくと、落花生が飛び交っていた。北見は、変な保育園が多いのか?
帰りにスーパーの「豆まき」のコーナーを見たら、落花生が山積みされていた。北見の節分が変なのか?
自宅に戻ってネット検索をして、北海道全域が「落花生」であることを知った。会う人、会う人に、その理由を聞いてみると、
「大きいほうが、見つけやすいよね」
「落花生だと、片付けが楽でしょう」
「拾って食べる時に、殻をむくので衛生的」
おっしゃる通り。
でも、室町時代から続くという「伝統行事」にこだわりはないの?!
「そんなの(笑)。楽なほうがいいに決まってるっしょ。」
北海道に来て4か月。北海道人の合理的な考え方と、何でも受け入れるおおらかさを感じた節分の日であった。
以来25年、我が家の節分は「落花生」である。今年は「落花生節分 25周年」。夫婦二人だけで過ごす節分の日に、子どもたちがいて、にぎやかだった2月3日の写真を掘り出してみた。
ちなみに、最近のネットニュースによると、北海道だけではなく、東北も落花生とのこと。(九州も落花生のところはあるが、効率だけはなく、産地であることも理由らしい)
※冒頭の写真は、2005年の節分の日の母の雄姿。お面は、三女作。手には、しっかりと落花生。
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