#61 40代女性のトリファラの効果【アーユルヴェーダ】
おはようございます。インド嫁です。アーユルヴェーダを勉強したり、ブログを書いたりイベントを運営したりしています。
インドでは、映画やテレビで活躍していたスシャント・ラジプット・シンさんがムンバイの自宅で自殺を遂げたというショッキングなニュースでもちきりになっています。
あの「PK」にも出演していた若手有望株だったにも関わらず、自殺の理由はまだはっきりとわかっていませんが、一部の報道では、「うつ」だったのではないかというニュースがあります。
WHOによると、うつ病患者の人口は1.アメリカ、2.中国、3.インドとなっているとの報告があるそうです。
心の病気は「本人が気づいてない」というケースが非常に多いように感じます。いかに、周りの人が気づいてあげられるか、人と人との交流がいかに大切かを表すかのような今回の事件、ご冥福をお祈りするとともに、天国で幸せになってほしいと思います。
さて、本日の質問です。
毎日、アーユルヴェーダに関する情報をネットで読み漁っているのですが、「トリファラ」というサプリ?がむちゃくちゃよさそうだなと思い始めています。当然ながら良いことしか書かれていないのですが、何か注意点があればアドバイス頂きたいです。
と頂きました。
トリファラは私の経験談がありますので、そちらも踏まえて解説しますね。トリファラについての記事
https://ameblo.jp/nomadasia/entry-12342930767.html
とお答えしました。
トリファラとは
トリファラとは「三つの果実」という意味で、アムラ(アーマラキー)、ビビタキ(Terminalia bellirica)、ハリタキ(Terminalia chebula)のハーブが同じ分量づつ配合されています。トリファラには抗炎症作用、抗酸化作用、消化器官の改善、体組織の活性化、浄化作用などがあります。よくヴァータ異常が原因となる便秘や膨満感を解消するために処方されます。(もちろん他の目的としても使われます)
質問者さんへのお答えとしては、トリファラは摂取量によっては強烈な腹部の痛みや下痢を伴う場合がある他、妊娠中、授乳中、出血性疾患のある方はとらないようにしてくださいと指示があります。
又、私の場合のように、摂取量が必ずしも外箱に書かれている容量とは限りません。というのも消化力、その人の状態は人それぞれだからです。確かに天然のハーブの組み合わせですが、人によっては下痢になったり、腹痛を起こすので、その場合は一時的に様子をみるか、容量を少な目にして摂取してください。
インド現地から伝えたい薬の事。
さて、ここからは、現地で実際ドクターと一緒に治療や患者さんに携わる者としてお伝えしたい事です。
インターネット上の多くは簡単に理解する事を目的するために、「症状」や「効果」「成分」に注目してアーユルヴェーダ薬を販売しています。これは私にも反省する点が多々あり、いつも気を付けているつもりではいますが、ついつい自分にあった効果のある薬は、おすすめしてしまいます。
西洋医学や特別に作られたもので実際に記載の通り「症状」に対する効果が得られるものもあるでしょう。
しかし、アーユルヴェーダにおいては、人を診る医学と言う事を、かならず前提として頭に入れておいてほしいのです。
「アーユルヴェーダ薬」はドクターが患者に合わせて処方するもので1種類の薬が一つの特定の疾患に効果があるかという点は、西洋医学と比べてそこまで効果がありません。
そもそも、そういう飲み方でもありません。
というのも、薬はのんだら、悪い所に向かってやっつけるイメージがありますが、ご自身の消化力が弱ければその効果は半減どころか、かえって他の臓器を痛める事にもなり兼ねないのです。
アーユルヴェーダのハーブやミネラルは掛け合わせる事で力を発揮します。そのためアリシュタムという液状の飲み薬を一緒に飲み合わせる事があります。2.3種類飲む事で、より吸収力が増すからです。
又、薬だけよりもオイルでのトリートメントと平行する事がより効果を高めます。そもそも体の排出が滞っている事が原因で病気になる場合が多いため、外から内から出しやすくするのがアーユルヴェーダの治療の基本です。
薬の形状も意味があって、同じトリファラでも、ギー、タブレット、パウダー、オイル(飲用、ドクターの許可が必須)などがありますが、これは患者さんの体質や疾患によって選びます。
これらの背景があって、初めてアーユルヴェーダ薬は効果を増します。残念ながらインドと同じ事を日本で行おうと思っても今はできません。
しかし、12年前と比べるとアーユルヴェーダもだんだん普及し始め、たくさんの人が興味をもってくれるようになりました。手に入る薬も増えてきました。しかし、日本人の考え方が、まだまだ「西洋医学」よりなのです。これは仕方のない事だと思います。
アーユルヴェーダは対処療法ではありません。西洋医学とは全く違うアプローチです。
アーユルヴェーダは古代から伝わる「幸せになれる智慧」です。予防医学です。統合医療という、心と体と魂が健康になる方法です。
他の国よりも何倍も民意が高い日本だからこそ、上手にアーユルヴェーダを取り入れて「右手に西洋医学、左手に予防医学」を実践してほしいし、できると信じています。
じゃ、私達はインドに行かなくてはいけないのか、というとそうではなくて、日本にいて出来るアーユルヴェーダ、それは、「学問として学ぶ事」だと思っています。知識は何歳からでも得られます。そして実践できる事もたくさんあります。
インドの文化や生活の雰囲気を知ってほしいと思っていますが、あいにくインド旅行はまだまだ先になりそうなので、可能な限りのオンライン講座やSNSを通じて智慧をシェアしていきたいと思っています。
6/25(木)はアーユルヴェーダ勉強会オンラインの日です。私が主催している毎月一回のアーユルヴェーダの基礎中の基礎です。料金はかかりません。復習として、小さなトリビアとして、いろいろ使い道があると思うのでどうぞお気軽にご参加ください。
アーユルヴェーダ勉強会Vol14 開催日: 2020年 6 月 25日(木)
日本時間午後2時 インド時間午前10時半 約2時間 途中10分休憩あり
テーマ
一部「アーユルヴェーダの健康の定義と目的」
二部「ドーシャ別食事法(Chapter5改定版)」
皆さんの質問にアーユルヴェーダ的にお答えしています。「アーユルヴェーダを学んで生きやすくなろう」がゴールです。一人でも多くの人が健康に、そして楽しく生きていけると嬉しいです。お気軽に質問箱へお問合せください。
それでは、素敵な一日がすごせますように。