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39歳父の竹修行奮闘記 第二十回「青竹で鍋敷きを作れ!」

【前回までのあらすじ 】
39歳でひょんなことから別府で竹細工を学ぶことになった私。竹細工をする上で、とにかく大事な材料作りであるひご取り。竹を割って、剥いで、幅を揃えて、面を取って、うらすきで厚みをそろえて、とうとうひごが出来上がる。まず風車と四海波かごを作って、第一課題「六つ目編み盛りかご」、第二課題「鉄鉢盛りかご」が完成し、夏休みを経て、いよいよ二学期、家でも竹仕事をスタートした!

先日、由布市にある笑竹堂の三原さんという方から、青竹を使った鍋敷きの作り方を教わった。

その後、商品としての販売というより、みんなで作るワークショップの開催を前提として、試作を重ねた。試作6個目にしてようやく少し納得の行くサイズと形のものができたので、ここで作り方を紹介したい。

材料

・ひご(タガ用)幅3mm 厚さ1mm 長さ2m × 2本
・ひご(編み)幅6mm 厚さ1.6mm 長さ80cm × 6本

作り方

①材料加工

タガを作る

まずひご(タガ用)2本を使ってタガ(輪っか)を作る。作り方は以下の動画を参照のこと。とてもわかりやすく説明してくれている。

仕上がったタガ。直径18cmが目安。

・編みひごを作る

今回使う編みひごは、4枚剥ぎ。つまり4枚に剥がれた状態に仕上げる。

なぜ4枚剥ぎにするかというと、今回作る鍋敷きにはまず堅牢さが必要なので、厚いひごを使いたい。だか厚いひごはそのままでは自由に曲げられないので編みにくい。

しかしこれを4枚剥ぎにすることで、堅牢さと靭やかさを両立させることができるのだ。なんて素晴らしい知恵だろう。

今回のひごは真ん中に節があるので、上下両方から節まで4枚に剥ぎ、節の部分は切り離さない。節を超えないので、口剥ぎで剥いでいく。

まず半分に剥いで

さらにそれを半分に

もう片方も

そして仕上がったひごは水につけておく。水につけることで折れにくくなると同時に、滑りにくく編みやすくなる。

②編み

まずは6本の編みひごで六つ目を作る。作り方はコチラを参照あれ。後で形は整えるので、はずれない状態であればOK。

そして平行なひごの上側がタガの上に乗り、下側がタガの下をくぐるように、タガの真ん中に編みひごを取り付ける。上下上下と互い違いになっていればOK。

まずタガの上に乗っているひごを、以下のように曲げて差し込む。2つの三角は両方とも上から差し込むのがポイントだ。

同じ要領で、タガの上に乗っているひごを反時計回りに曲げて差し込んでいく。まず2本目。

3本目〜5本目も同じ要領だ。

本数が増えるごとに差し込む三角の隙間が小さくなっていくので、そこでひごが割れないように注意。6本目を差し込んで、全体をしっかり締めて形を整える。

次にタガの下をくぐっているひごを、以下のように曲げて差し込んでいく。ちょっとややこしいので、しっかり画像を確認してほしい。

いきなり引っ張るとひごがねじれて割れるので、曲がった部分を右側に倒しながら引くと良い。

これも反時計回りに一本ずつ同じように曲げて差し込んでいく。

③仕上げ

すべて差し込めたら、余分なひごのカットをして差し込んでいく。まずは六つ目の脇から出た部分。

タガの縁あたりでカットして

そのまま隣のひごに巻き込ませる。

次にタガから外に向けてはみ出したひごの処理をする。裏側が見えるように曲げてみて、上隣のひごに巻き込める程度の長さを測る。印をつけても良い。

いいぐらいの位置でニッパーでカットする。

そして上隣のひごの下に潜り込ませる。

完成

真ん中の六つ目だけでなく、外側にも大きな六つ目が現れるのが美しい。

鍋敷きとしてハードに使いつつ、使わないときは壁にかけておけばオーナメントになる。熱い熱い鍋を載せてもまったく問題なしだ。

どうだっただろうか。説明が不親切で申し訳ない部分があったかもしれないが、作ってみないとわからないことはどうしても出てくるので、みんなでワイワイはしゃぎながらワークショップで作れたら考えている。

少しずつ部屋に竹で作ったものが増えていく。それがなんとも言えず嬉しい。竹に囲まれた生活は、ナチュラルだかオーガニックだか知らないが、偽らざる実感として豊かだなと日々感じる。

次回は先週からスタートした後継者育成事業について紹介予定。土日に現役の職人さんから竹仕事を無料で教わることができるという、またとない得難いチャンス。乞うご期待。

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竹遊亭田楽
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