番外編:MGCはまだ終わらない
大阪国際女子マラソンで松田選手が日本歴代6位の2:21:47で優勝。オリンピックの派遣設定タイムを見事クリアしたことで三人目の代表に大きく近づいた。
元々、オリンピック三枠目の派遣設定タイムは彼女が2018年に記録した2:22:23であったため、精神的な壁は他の選手に比べ少なかったかもしれない。
女子の選考レースは残すところ名古屋のみとなったが21分台を出すハードルを考えると松田選手が最後の一枠をゲットする可能性は非常に高い。
松田選手がうまくレースメイクできなかったMGCの後、私は正直三枠目の当確ランプを灯すとは思ってなかったが、派遣タイムの基準選手というアドバンテージは相当大きかったのだろうと想像している。とはいえ、こういう形で代表権をたぐりよせるのは並大抵のメンタルではない。見習いたい。
こうして派遣設定でひっくり返る展開を見ると、俄然面白くなってくるのが男子代表三枠目の行方である。
MGC3位の大迫選手の日本記録が派遣設定(2:05:50)の基準になっているのは周知の事実。これに各選手が挑んでいく構図である。大迫選手がMGC3位になったことでドラマ性がかなり増している。
MGC3位の上派遣設定タイムの基準である大迫選手が圧倒的有利な立場であるのは間違いない。
まず、記録突破のチャンスが事実上東京マラソンに限られていること。
びわ湖もかつては高速レースとして有名だったが現在は東京に殆どの選手が集まっていることからも、東京がラストチャンスであると言えるだろう。
大迫選手は、すでにMGC3位になっているので、様子を伺いながらレースをすすめることができることもかなり有利な点である。
もちろん日本人トップになれば(ほぼ)自動的に内定だし、天候に恵まれなかったり、日本記録が出ないペースと判断したらダメージを考慮して途中棄権する選択肢まである。最有力候補であることは間違いないだろう。
しかし、他の選手たちはこのことを十分に理解しているので簡単にそうはさせないだろう。
そういう意味で、前半からガンガン行ける設楽選手や井上選手、佐藤選手あたりは当然狙っていくはずで、最右翼は当然設楽選手ということになる。
2017年の東京マラソン(初マラソン)のようなペースでガンガン行ってくれればレースが面白くなる。
おそらく日本記録を狙えるとしたらこの3選手かなとは思うが、個人的には大六野選手に期待したい。どのくらいマラソントレーニングが積めているのかは不明だが、あのスピードは相当な武器になると思うが結果はいかに。
MGCは、まだまだ終わらない。
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