伝統工芸に携わる生き方を選択したい人に届けたいので、南部鉄器職人がnoteを始めるという話
「職人になるにはどうすればいいんですか?」
これ、現場にいると職人志望者やワークショップ参加者からよく聞かれます。
自己紹介が遅くなりましたが、南部鉄器職人をしているタヤマスタジオの田山といいます。
南部鉄器や伝統文化をアップデートしようとしているkanakeno(カナケノ)というブランドを運営しています。
どんなことをやっているの?というのはまた別のnoteに書くとして、まず今日はなぜnoteを始めようと思ったのかについて書いていきたいと思います。
話を戻すと、職人になるための手段がよくわからないという声をよく聞くということでした。
実際【南部鉄器職人_求人】と検索してトップにでてくるインディードさんをクリックしてみると、南部鉄器でお米を炊いているうなぎ専門調理店の求人が出てきます(ちょっと行ってみたい笑)。
このように工芸の求人は一般の求人にはほとんど出ていないのが現状。
伝統の継承、後継者育成が大切、という話は多くされますが、インターネットの中に情報がないことはとても勿体無いことだなぁと思ったりします。
そんな中、タヤマスタジオでは今年2022年2月1日に新卒の子が職人として入社してくれました。
(なぜ2月なのかはとりあえずおいておきましょう)
その子が最初にくれたメールがこれ。
求人やリクルート情報を募集案内を出していなかったのに、色々と検索してくれて、有難いことにわざわざ連絡をくれました。
連絡をくれたきっかけを聞いてみると、この記事を見て共感したと。
これ4年前の記事。
webの記事って時間が経っても消えずに残っているケースが多いです。
それを見つけてくれて、結果入社してくれるに至る。
やはり、情報がインターネット上にあることは大事だなぁと再認識しました。
具体的に何に共感してくれたかというと、自分が抱えている価値観と僕が語る会社や南部鉄瓶の価値に共感してくれたとのこと。
合理性だけでは語れない価値が伝統工芸にはあって、当社のブランドkanakenoの由来にもなっている「鉄瓶は錆びるからこそ、湯が上質になるという二面性が同居している価値」のようなこと。
実はこの子、柔道を長年やっていたり、家では作務衣を着て暮らしていたり、日常お茶を飲む習慣があったり。
最終面接は当然作務衣姿で、和室で正座でした笑
我々が就職活動をした頃から考えると、やはり価値観が多様化しているんだなぁと実感させられました。
こういう価値観をもった人たちが伝統産業に増えていくと、未来の伝統産業は本当に明るいと思います。
これは一つのケースですが、一つあるということは、伝統工芸や伝統産業が抱えている価値観に共感している人がもっとたくさんいて、さらに生き方としてもこの業界に携わっていきたい人はまだたくさんいるのだろうと思います。
ちなみに今同じような経緯で当社に興味をもってくれているひとが2名ほどいます。
お互いのマッチングが適正に行われたら、今よりはこの産業が前に進むはず。
情報があまり世に出されていないこの業界だから、もっと中のことを世の中に伝えたいと思うので、伝統工芸や伝統産業が抱える価値、働いている様子、職人兼経営者としてみている景色を定期的に綴っていきたいと思います。
twitterも少しやってます。 あまり更新していないですが、これから活発になります(たぶん)ので、フォローいただけると嬉しいです!
kanakenoはこちらなのでこちらもご覧いただけると飛び上がって喜びます!