「税理士」という職業 part2
こんにちは、皆さん。税理士ラベンダーです。
最後に投稿したのが令和6年8月22日でしたので、約4ヶ月ぶりの投稿になります。この間、季節も猛暑から冬至へと変わりました。
皆さんは、お変わりないでしょうか。
私は相変わらず忙しくしていたのですが、8月22日投稿以降、予定を詰めすぎて体調を崩してしまいました。
よって無理をしないスケジュールに変更したため、これほどの期間が空いてしまいました。プラス、ネタ切れ。何卒、ご了承いただければ幸いです。
さて、今年も残すところ10日あまりとなりました。
皆さんにとって、今年はどんな年になりましたか?
私はというと、とにかく忙しく、いろいろ動いていたのはなんとなく覚えていますが、気が付いたらもう12月という感じでした。
通常業務もそうですが、役員の仕事の比重がかなり増え、毎週出かけなければならないという言う月も珍しくありません。
ちなみに役員の仕事は交通費や昼食などは出ますが、基本的にボランティアです。そこが、大企業の役員とは大きく違います。
さて今回は、私の書いた記事の中でも最も閲覧数が多かった「税理士という職業」(23.12.22投稿)について、実際の業務と照らし合わせて、もう少し掘り下げてみたいと思います。
事業主を対象としたサイトのつもりでいましたが、将来、税理士を目指したいと思われている方や既に税理士となっている方の閲覧もあることから、税理士という職業に興味を持っていただける方の存在を感じ、今回の投稿を考えました。
参考にして頂けたら、幸いです。
1.税理士法
まず、おさらいになりますが、税理士のあり方は「税理士法」という法律によって規定され、第一条には「税理士の使命」そして第二条には「税理士の業務」として、税務代理、税務書類の作成、税務相談が規定され、加えて財務書類・会計帳簿の記帳代行・事務ができるとされています。
さて、では税理士はどんな「税法」を扱うことができるのでしょうか。
基本的には、印紙税、登録免許税などの一部の税目を除いて、すべての税法を取り扱うことができます。
その中でも一番取扱いが多いのが、法人税及び所得税、そして相続税ではないでしょうか。
そしてこれらは、税理士の「独占業務」となり、税理士以外の人が他人の求めに応じて申告業務をする場合は、処罰の対象となります。
医師の医療行為が「独占業務」となっていると同じだと思って頂けるとわかりやすいと思います。
これには、訳があります。
税法というのは、とても複雑でわかりにくいものです。
加えて毎年、税法改正があり、それらと突き合わせて正確な申告業務を遂行することは至難の業です。
勿論、毎年、ご自分の申告をしているから大丈夫と思われる方も中にはいらっしゃると思います。
もし間違えていても、自分で申告している場合は多少税額が違ったところで「間違えた」で済むでしょう。
しかし、他人の求めに応じて資格者でない者が間違えて申告してしまったら、責任の所在はどこにあるのでしょうか。
税理士法第三十三条には「署名押印の義務」として、税理士が税務代理・税務書類の作成をする場合「税務官公署に提出する申告書等に署名押印しなければならない」と規定しています。
署名押印することによって「税理士の責任」を明確にしているのです。
2.税理士の公益活動
日税連及び税理会では、税理士としての知見を活かすべく、次の様々な公益活動に従事しています。
1. 地方公共団体監査制度
2. 登録政治資金監査人制度
3. 行政不服審査制度
4. 社会福祉法人制度
5. 特定非営利活動法人制度
6. 政策担当秘書制度
7. 成年後見制度に関する事項
私の所属する支部でも、地方公共団体監査制度により自治体の監査委員として活躍されている人もいます。
また私自身も、自治体の「入札監視委員会」のメンバーとして、自治体で使われる税金のうち、入札にかかる意思決定の経緯を監視する委員会の会議に参加しています。
これは、自治体の裁量で使われる税金について「適正な税金の使い方を監視する」という第三者機関としての意味もあります。
興味のある方は、国土交通省から出ている冊子を参照してください。000020270.pdf
3.その他の活動
そして、税理士会の会則に規定される各地で行われる「無料申告相談」、各地域の学校で行われる「租税教室」です。
毎年2月~3月にかけて、国税庁から要請される「無料申告相談」には、大勢の税理士が従事します。対面式の相談もあれば、コールセンターの相談も受け付けています。
皆さんも、税務署の申告会場に行ったという経験もあるのではないでしょうか。そこには、税務職員が相談にのるブースもありますが、税理士が相談にのるブースもあります。
最近ではe-Taxの普及により、対面式相談は相談日が減り、コールセンターの相談は少しづつですが日数が増えています。
私もコールセンターを担当しますが、多い時で一日70件~80件近い相談があるときもあります。
かなりの重労働と認識しています。(笑)
最後に「租税教室」です。
これは、一言でいえば「主権者教育」です。
私たち国民は、憲法に記された「教育・勤労・納税」の義務があります。
しかし、学校教育では、なぜこれが「国民の義務」なのか、なぜ私たちが「国民の義務」を履行しなければならないかを教えることはありません。
そこで、以下は私が中学校の租税教室で発言する内容を記載します。
「憲法では「教育・勤労・納税」が国民の義務として規定されています。
では、なぜこれが「国民の義務」なのか。
皆さんが、このようにきちんとした教育を受け、社会に出て働き所得を得て納税することはこの国を成り立たせる意味でとても大切なことなのです。
税金は、教育・医療・年金・消防・警察等としてその一部が皆さんに還元されます。
それは、皆さん一人一人の生活を安心・安全成り立たせるために必要なことであり、その為の税金なんです。
そして、それは同時にこの国を成り立たせる意味でとても大切なことなのです。
なぜなら、皆さんは「主権者」です。
主権者とは「国を統治する権利」「最高決定権を有する」人のこと。
つまり、この国の主役だということです。
その主役の私たちが私たちの為に、納税しなけれならないということなのです。」
今回は、以上になります。
寒さも本格化しクリスマス・お正月と人と会う機会も多くなる季節です。
体調など崩されませんよう、ご自愛ください。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
どうぞ、よいお年をお迎えください。
(参考文献)
租税法 第24版 金子 宏
日税連ホームページ
中学生のための憲法教室 伊藤 真
2024.12.22 税理士ラベンダー