アフリカの旅 ① ジンバブエ
ジンバブエの旅
あれはいつのことだろう? 少なくとも20数年は前のこと。バンドで打楽器を演奏していた頃のことです。変わったバンドで、アフリカのバンド音楽に影響を受けつつ、オリジナルの曲をやっていました。
特に影響を受けたのが、ジンバブエの Thomas Mapfumo をはじめとした伝統楽器 ムビラ(mbira) の音楽を元にしたバンド音楽でした。
Thomas Mapfumo
ムビラ(mbira)の演奏
当時僕らのバンドのドラマーはたいへん多忙で、なかなか休暇が取れなかったのですが、とても積極的な人で「休み取れたから、皆でジンバブエ行こう!」というので、バンドのメンバーと行ったのです。
この旅では列車事故にあったり、国の名前のもとになったグレート・ジンバブエ遺跡を訪ねたり、今は世界遺産になったヴィクトリアの滝 (乾季で水は少なかったですが) に行ったりと色々とあったのですが
最後に首都ハラレに戻ってきた時、何か変な感じがしたのです。何だろうとよくよく考えてみると、暑いのに木が落葉し、まるで日本の冬の風景のようなのです。木々は死んでいるわけではなく、乾季だからという事のようでした。その時の事を敢えての季重りで読んだ句がこれです。
枯木立暑きハラレは乾季なり
ハラレの写真が残っていないのが残念です。
旅の途中、木琴の演奏の準備をしているところに出くわしました。他に予定があったのと、先にあげた親指ピアノ(Mbira)とバンド音楽ばかりが頭にあって木琴というのがピンと来ず、写真に撮っただけで素通りしてしまった。若干練習程度に演奏しているのを聴いたかもしれないけど、どんなだったか記憶にありません。今になって、YouTube で Marimba Zimbabweで検索すると、面白い映像がたくさん出てくるのを観て、しっかりと生で観ておかなかったのが残念でなりません。
そんな中、ハラレで知り合ったムビラ奏者の家に行き、ムビラの演奏を間近で観ることが出来ました。本当に素晴らしかった。そして演奏の後、彼の母親のつくる家庭料理もご馳走になりました。
何が食べたいかと訊かれ、皆で芋虫と答えたました。事前に芋虫を食べると聞いていて、蜂の子のようなものだろうかと興味を持っていたのです。では買い出しに行こうと連れて行ってもらった市場は一面乾物ばかりで、芋虫も干してカラカラになったものを売っていました。その時の事を詠んだ句がこれです。
枯木立乾物並ぶハラレの暑
前の句とあまり変わらず恥ずかし限りです。
この干し芋虫は戻して、調理されたものを サザ(トウモロコシの粉で作った見かけはマッシュポテトのようなもちもちとした食べ物)と一緒にいただきました。とてもおいしく、何か日本の田舎の料理を思わせる風味がしました。醤油もないのに不思議だなと思ったものです。
検索するとサザについての記事が結構ありました
その後行った西アフリカも乾いていましたが、ハラレのような落葉樹よりも、乾いた中にも常緑樹がぽつぽつと生えていた印象があります。
ジンバブエには1度しか行っていないのですが、あまりにその風景の印象が強くて思わず詠んでしまった次第です。ジンバブエに何度も行った方からすると、間違った印象であるかもしれません。もし違っていたら、ぜひご指摘ください。
最後にジンバブエのお酒チブクについて。見かけもにおいも、釣りの練り餌を溶いたような強烈なお酒です。これほど印象深い酒にはいまだに出会いません。おいしくいただきましたが、家庭や村でだけつくられるものと思っていたら、大きなチブクの看板があり驚きました。いったいどんな風につくられるのだろう?
(この記事は過去にinstagram(philosophysflattail)に分けて書いたもの合わせて手直し・加筆したものです。)