見出し画像

韓国のロックバンド "サヌリム"

1970年代後半から80年代にかけて多くのアルバムを出した韓国のロックバンド・サヌリム
なんともいえない味わいがあります。そのどこに連れて行かれるのか分からない不思議な音楽は、1st アルバムですでに完成しています。

オリンピックで韓国人の選手たちが犬の肉を食べていたとしてさわがれた事がありました。
「他国の文化をそんな風に一方的に非難するのは許せん!」と気炎きえんを吐き、友人が調べてくれた犬肉の鍋料理がおいしいという新大久保の店に行き、その帰り道、ほろ酔い加減で入った CD 店で、ベスト版を聴いて気に入っていたサヌリムの CD がないかとたずねると、ボックスをバラ売りにしていて、少し欠けているものもありましたが、だいぶそろっていました。
「全部買わなくても」という先輩の忠告も聞かずに全て買った。どれも素晴らしい内容ですが、特に Vol.1 から Vol.5 までがいい。今でも愛聴盤です。

在日韓国人3世の姜信子さんが "祖国" の音楽を辿たどった『日韓音楽ノート』* にサヌリムについて書かれています。

「"格"というものをろくに知らなかったから、何が破格なのかも知らなかった」

『日韓音楽ノート』*

とサヌリムの金昌完キムチャンワンは語っています。

この本に「扉を開けてくれ」という曲の歌詞の日本語訳が少しだけ載っています。

俺がいるじゃないか
ここにいるじゃないか
扉を開けてくれ
にっこりと笑ってくれ
世が明けてしまう
会えずに帰るのか
ここにいるじゃないか

『日韓音楽ノート』*、サヌリム「扉を開けてくれ」歌詞

韓国語が分からないから、サヌリムの歌詞はこれともう1曲しか手掛かりがありません。歌詞がわかれば、一段と良さそうではあるけれど、ずぼらな僕は今のところ、その不思議な音楽にそっと耳を傾けています。

[サヌリムの映像。1996年とある。前半の長いギターソロも後半の歌も、その不思議な浮遊感ふゆうかん健在けんざいです。↓Vol.2 のはじめの曲ではないかと思います。]


1993年頃、アメリカのマサチューセッツで出会った韓国人の友人は

第2の故郷マサチューセッツ


長らく制限されて聴くことの難しかった日本の音楽、初期のサザン・オールスターズうれしそうに聴いていました。

サザンとサヌリムは同じ頃にデビューしています。その後、僕がサヌリムを好きになるなんて、何か不思議な縁を感じてしまいます。

考えてみると、前回あげた音楽とも同時代です。


サヌリムはやまびこという意味だそうです。


僕がCDを探していた頃
既にサヌリムを紹介していた HP
今もそのままありました↓


姜信子きょうのぶこ『日韓音楽ノート』1998.1.20.第一刷発行 岩波書店

(以前にinstagram(philosophysflattail)に書いた記事を手直ししたものです。)

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?