見出し画像

詩 ワンルーム

二人の絵を消しゴムで消す君の姿を

僕は静かに眺めていた


日に焼けて消えてしまいそうな二人の写真を

マッチで燃やす君を見ていた


空っぽの冷凍庫にあった氷をすくい

僕は安酒を飲む


誰かにもらった観葉植物は枯れて

それでも僕は気付かずに水をあげる


何もないことを知りながら

手帳のカレンダーをめくっていた

バカみたい


また朝が来る

いつも通りの朝が

吐き気ばかりする

色一つない朝が


そんな灰色の世界も

全てが消える前に

いっそ早く燃やして


僕はワンルームから出られない

今もこれから先もずっと

ひとりワンルームで

いいなと思ったら応援しよう!