Iannix 私的マニュアル:まえがき - Iannix で現代音楽やメディアアートを作ってみよう!

■このマガジンについて

 このマガジンは、タイトル通り、Iannix の私的マニュアルである。個人的に使用するマニュアルを外部にも公開している、というスタンスだ。各ボタンや項目の機能・役割について記述するが、調査中の項目も多少ある為、注意されたい。特に、ArduinoやSyphonの連携に関しては私自身が使っていないため、今後も更新されることはない。すまん。

■マニュアルであってチュートリアルではない

 使い方は書いていこうと思うのだけれど、効率よく順に例題をこなしながらステップアップして学べるような感じにはならない。ひたすら、各ボタン・項目を解説する感じだ。無料記事で雰囲気を掴んでいただきたい。

■そもそもIannixってなんだっけ?

 現代音楽の作曲家:クセナキスが発明したUPICというソフトが元ネタのシーケンサである。ただし、送信できるメッセージプロトコルはMidi、OSC(Open Sound Control)、Raw UDPなど多岐にわたる。

じゃあ、UPICってなんだ?というと、 

ペンとタブレットを用いて線形を入力すると、縦軸を音高、横軸を時間と見做し、その線形が音響に変化する。
線の種類を変えれば音色も変化する。描かれたグラフに対しての回転や反転などの編集機能も充実している。
複雑な紋様を描いて自在に作曲に応用できるほか、図形が音響になるという長所を生かして音響学の実験に
用いることもできる。

といった感じだ。

 ただ、Iannixは現代のPCで使えるUPICのクローンなのか?と言われると、決してこんなことはない。もはや別物であると言える。むしろUPICに近いのはHigh-C(http://highc.org/)である。

 Iannixの場合はカーブと呼ばれる軌跡をカーソルがなぞっていき、そのカーソルがトリガーと呼ばれる二重円のグラフィックと衝突したときにイベントが発生する。このイベントをMidiノートにもできるし、XY軸の座標とすることもできる。発生したイベントはOSCで各種アプリに送信することができるので、LogicやAbletonLiveのようなDAWに送ることもできるし、MaxやProce55ingにも送ることができる。

↓こういう風に循環するように組めば、アンビエントな永久機関が作れる。

↓こういう風に作ると、普通のシーケンサーのように使える。

↓ちなみに、High-Cはこれ。UPIC的に使うならこっちだろう。でも、かゆいところに手が届かないソフトなので、スケッチ用って感じ。こっちは音楽専用です。

■最後に

 公式(https://www.iannix.org/en/whatisiannix/)にいろいろな使用例が出ているので、参考にしてみて欲しい。先述の通り、シーケンサーなので、各プロトコル対応の受け側のアプリをちゃんと使いこなせていること前提だ。midiノートメッセージも送れるのでこれ単体でも曲作りは可能(受け側の音源の立ち上げは必要だが)だが、他アプリと連携させて初めてIannixの魅力が引き出せる。

 それを踏まえた上で使用するかどうか考えてみよう。

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日本語ではまだ情報が少ないIannixの使い方をまとめています。

IanniX の私的なマニュアルです。チュートリアルじゃないよ。

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