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できるだけ自分の価値観や体験を添えて / そこから見える社会 / 社会福祉士 / 精神保健福祉士勉強中 / 基本的に「生きる」を考えてる / noteではエッセイ中心にしていきたい

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あなたの生きづらさに寄り添ってくれる一冊 宇佐見りん/推し、燃ゆ

※この作品は2021年2月20日にブクログで記載したものです。コメントで多くの方の声を聴き、より多くの方に届いてほしいと思い、こちらでもご紹介させていただくことにしました。ブクログで背中を押してくれたみなさん、本当にありがとうございます。ブクログでのレビューはこちらです。 最近、女子高生の自殺が増えているという。 「小中高生の自殺、過去最多 コロナで大幅増、女子高生突出―文科省」 2020年に自殺した児童生徒は過去最多の479人。前年度より140人の増加。特に女子高生は

    • それでもわたしがロッキンオンのフェスに行く理由

      1.昨年昨年ボロクソに言われた音楽フェス 今年はもう、そんな風に言う人はほとんどいなくなった わたしはとにかく音楽フェスが大好きで、夏はもちろん冬も、春だってフェスに行く コロナになる前までは、例年春は仙台の荒吐ロックフェスに行き、夏は山梨のSWEET LOVE SHOWER(ラブシャ)へ行き、冬は幕張のカウントダウンジャパンに参加してきた コロナ禍になって、フェスは全部中止 しかも直前になっての中止が相次いだ そんな中、昨年様々なフェスが中止を発表した中で、感染症対

      • からだにまつわる #08

        ハイボールを飲みすぎて吐いたのが1月 ハイボールを飲みすぎて電車を乗り過ごしたのが3月 この時思ったことは、なぜあの二日酔いのしんどさを知っているにも関わらず飲みすぎたのか、ということだ わたしだってわからない 忘れてしまうのだ それから1ヶ月 4月のこと 新しい年度を迎え、職場の仲間たちとお酒を飲み交わすことになった 目の前には飲み放題のメニュー なんと!ものすごく種類が豊富だ ハイボールもある 次の日が仕事であるにも関わらず、またしてもわたしは飲みすぎたのである

        • 社会が人間に厳しいのか、人間が社会を舐めているのか、それとも社会は「普通」なのか 宮口幸治/どうしても頑張れない人たち

          最初に伝えておくと、非常に長いです。内容がとても濃厚だったので、読了からだいぶかかってのレビューとなりました。 わたしが働く学校は、通信制高校に在籍している子たちが学ぶ学校だ。だから、基本的に自由な時間に登校できるし、平日学校に来ず、友達と遊びに行くこともできる。 必要な単位さえ取得できれば、卒業は可能だ。 枠としてはそのくらいなので、サボれる子はいくらでもサボれるし、真面目にやろうとするとキリがない。 自分自身の軸のようなものをしっかり持てていないと、どうしたらいいか分か

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        • エッセイ
          8本
        • 読書感想文
          14本

        記事

          他人と距離を置くことと、他人への興味のなさを、一緒くたにしてはいけない 辻村深月/噛み合わない会話と、ある過去について

          『噛み合わない会話と、ある過去について』 もうタイトルがね、秀逸。 しかも、タイトルだけでぐいぐい惹きつけてくるってだけじゃなくて、作品自体もしっかり「噛み合わない会話と、ある過去について」描かれているのだから脱帽です。 ジャンルは、「ホラー」としても過言ではないくらいの、恐怖感。 さらにその恐怖感といったら、ホラー映画なんかよりもよっぽど怖い。 じりじりと追い詰めてくるような切迫感。 浅くなる呼吸。 焦燥感。 落ち着かなくなり、椅子から腰を浮かせる。 吐きだされる息が居

          他人と距離を置くことと、他人への興味のなさを、一緒くたにしてはいけない 辻村深月/噛み合わない会話と、ある過去について

          子どもを産むことにつきまとうあれこれに、現時点での答えを引き出してくれた傑作 川上未映子/夏物語

          明日からまた仕事か、っていう気分で眠りにつこうとした、お盆休み最終日のこと。 この作品を、3分の2くらい読み終えた時だった。 主人公と重ねすぎたわたしは、久々に、一睡も出来ないっていうレベルで、眠れなくなった。 ここまで、「子どもを産む」ということに、ぐぐぐ、とフォーカスしていく作品だなんて思わなかった。 皮肉にも、わたし自身がその問題に、意図せずともぐぐぐ、とフォーカスしていた瞬間だったのだ。 『夏物語』というタイトルのこの作品。単行本で出版された時から絶対に読みたいと思

          子どもを産むことにつきまとうあれこれに、現時点での答えを引き出してくれた傑作 川上未映子/夏物語

          誰かの大切なものを「噛む」という行為に内包された、行き場を失った日本の差別意識

          もう、言わずもがなと言っていい。 このニュースである。 最初にこのニュースを目にした時、言葉が出なかった。 そして徐々に、「きもい」であるとか「気持ち悪い」であるとか、感情が言語化されてきた。 後藤選手の活躍は素晴らしく、弱冠20歳というその若さで、ベテランエース上野選手から受け継いだマウンドをしっかりと守ったその姿は、堂々としていて、今でも目に焼き付いている。 見事金メダルを獲得し、そのメダルは、彼女の傍で、一生彼女の人生を支えていく存在になるだろう。彼女の年齢的にも

          誰かの大切なものを「噛む」という行為に内包された、行き場を失った日本の差別意識

          「時代」だけが悪いんじゃない。では、「時代」に付随した何が悪いのか。

          わたしは音楽フェスが大好きで、数年前、彼がステージで曲を披露している姿を見ながら、その独特な音楽に、静かに耳をすませていた。 小山田さんを巡る様々な報道や記事。その全てを目にしたわけではないから、これから書くことは「今」の時点で、わたしが知りうる限りの全ての情報から書いていることである。これから様々なことが分かれば、ここに書いたことからまた、変化をするだろう。 最初は、こうして文章にしようとは思っていなかった。みんながそれぞれの意見や価値観があって、それをぶつけられるのが怖

          「時代」だけが悪いんじゃない。では、「時代」に付随した何が悪いのか。

          はっくしゅん #07

          いつからだろう。 自分のくしゃみに違和感がある。 わたしはくしゃみをする際に、我慢をせずにするタイプだ。 周りの女の子たちは 「ックシュっ」 みたいな、かわいらしいくしゃみをする。 わたしも、あんなくしゃみをしてみたい。 違和感を持った頃からそんな風に思うようになった。 親からも「そんなくしゃみをする子に産んだ覚えはない」であるとか、 お友達からも、少し間をおいて「…大丈夫?」と心配される。 人に聞くと「はっくしゅん」の「はっ」の部分がおかしい、であるとか「くしゅ

          はっくしゅん #07

          男性が口を噤むのではなく、男性の言葉を引き出す一冊になってほしい チョ・ナムジュ/82年生まれ、キム・ジヨン

          「それで、あなたが失うものは何なの?」 一番刺さったのは、この部分だった。 キム・ジヨンこの名前は、韓国において1982年に出生した女の子の名前で一番多い名前だった。この作品は、その時代に産まれた普通の女性の、普通の物語を描いた小説である。 しかし、これはただの小説ではない。キム・ジヨンが、一人の女性として、男社会の中で必死にもがいて戦う物語。まるでノンフィクション、ドキュメンタリーのような筆致で描かれている。 日本にもまだまだ蔓延しているジェンダー問題。それはきっとど

          男性が口を噤むのではなく、男性の言葉を引き出す一冊になってほしい チョ・ナムジュ/82年生まれ、キム・ジヨン

          恥ずかしの白いお通じ #6

          初めての「一般健診」を受けた。 年に一度は欠かせない健康診断。 これまでの若年健診から、ついに一般健診へ。 そう、つまり、バリウムの扉を開けたのだ。 テレビやラジオでおじさんたちがこぞって盛り上がる人間ドックのお話。 実感としてわからないながらも笑わずにはいられない、バリウムのお話。 白くてまずい。 これはよく聞く。 でも、今日、それにぜひ付け加えたい情報がある。 重いのだ。 これは誰も教えてくれなかった。 見た目としては、片栗粉多めの水溶き片栗粉、といったとこ

          恥ずかしの白いお通じ #6

          布マスクの悲劇 #5

          すっかり定着したマスク生活。 もはやパンティーと同じレベルで日常的につけるようになった。 そして、最近は不織布マスクと同じくらい、布マスクをつけてる人も多くなっている。 わたしも某衣料品メーカーの布マスクを使っている。 しかし最近、その布マスクに、困ったことが起きた。 臭いのである。 しかも、おっさん臭い。 これがまさしく加齢臭と呼ばれるものなんだろう。 小さい頃、よくじいちゃんが昼寝に使っていた枕と、同じにおいがするのだ。 よく言う、おっさんの耳の裏の臭いなん

          布マスクの悲劇 #5

          薄味で仕上げることのうまみ 島本理生/ファーストラヴ

          1.作品全体のことタイトルの「ファーストラヴ」。 これが何を意味するのか。 由紀の大学時代のことか、と思った。 けれど、環奈とその母親の背景を知ったとき、一番最初に愛情をもたらしてくれる存在、もしくは、由紀の夫・我聞さんのような、一番の愛情をもたらしてくれる存在。 そういう意味が込められているのかなと。 この作品が、第159回直木賞を受賞した意味合い。 2018年という現代に、受賞した意味合い。 それに大きな価値があるのではないかと思って選評を見ると、ごり押しで受賞された

          薄味で仕上げることのうまみ 島本理生/ファーストラヴ

          自立② #4

          自分のそうした(自立①参照)家庭環境もあったのか、わたしが選んだ仕事は児童専門のソーシャルワーカーだった。 その仕事をする中で、母と子で気持ちがすれ違っている、という現場をたくさん見てきた。 その時に、自分にも当てはまることが多すぎて、徐々に、人の支援をしている場合ではなくなった。会議で、他の家のことを話しているのに、まるで自分のことを、母親のことを言われているような錯覚を起こすことがあり、苦しくなった。身体にでた。休職した。 休職中、カウンセリングでこれまで違和感を持っ

          自立② #4

          自立① #3

          風邪をひいた。 今日はたまたま仕事は休みだったし、無理をしている自覚はあった。 思いきって、明日も休むことにしたのだ。 同僚は気にかけてくれ、ゆっくり休むといいと、そんな風に優しい言葉をかけてくれた。 心身がダメージを受けている中で、同僚たちの温かい言葉が、間違いなく回復に向かわせている。 体調を崩した時、頼りたいのは誰か。 独身ミドサー、一人暮らし、彼氏なし。 うわ、痛すぎるだろ。 しかも、時間当たりの労働が収入に直結するタイプの。 痛い、痛いよねえ。 おまけに、わ

          自立① #3

          飾らない苦悩と飾ることのたやすさ 若林正恭/表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬

          リトルトゥースである。 オードリーのラジオは、いつも、何かしらの違和感を凝りほぐしてくれる。 寝不足の通勤電車で読んだ、DJ松永の解説。思わず嗚咽でも漏れてしまうのではないかと、焦りつつも読むのを止めることができなかった。だから、くしゃみと咳が同時に出てしまったようなふりをして、その場を乗り切った。自意識過剰である。 違和感と自意識。そんなものを常に抱えている人、この国で生きづらさを抱えている人にとって、若林さんの表現は救いとなる。 作品の中で、自身を 少数派のくせに

          飾らない苦悩と飾ることのたやすさ 若林正恭/表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬