詩作　クジラの言葉

調べ無し
無事の腐心を
騙らせた
彼の日は滅す
欠片の海で

虫の声
発する亀裂
詠みたまえ
燃える御神籤
僅な息で

思考せよ
光の主が
憤る
意識は儀式
生きるトラウマ

リピーター
供えた過去の
屯の場
天狗の団扇
吾なら貢ぐ

私らは
因果に嫁ぐ
生き仏
瞑った顔で
抉った學び

継ぐならば
情意で割れた
ロックなり
悲劇を買った
野薔薇の性で

捕まえた
擬態の台詞
訃げた緣
俯瞰は袂
吾の災い

采配の
鬼の囲炉裏で
再生せ
屑の吾なら
謂わば柩よ

執着の
影を罰した
アンコール
舌を数えて
連れ等いない

さようなら
傷は確かな
バロメーター
廻るタンゴは
生い立ちの窗


淑やかな
母体に献じた
霊魂よ
四季で贖い
クジラを祀れ

退廃の
歪む裸体で
避妊する
無実の価値は
乏しき遺憾

臆病な
僮のワルツ
遡れ
何れの保護で
町を象る

イメージよ
破滅の金庫
未婚の矢
浮かぶを恥じて
凡てを照らせ

蒸発の
渇いた嘘で
出入りする
曝す呼吸の
狂った美点

脳味噌に
拘る伝を
諌む路
濡れた小舟で
彷徨う祭

追憶の
フルスピードは
祈ってる
肋と肘で
挫折を好む

限られた
氷を拐う
過ちを
クジラに捧ぐ
昔の蜜で

陥った
無病の壁画
翻訳者
時間の穴で
晴らす幻