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詩作 冬の1コマ

子の無い子、

櫛の緣にて、 

(繋がれた、
発光体の綺麗な彼ら、彼女ら)

夢の優劣を大人しく喋る未来の鎹が見える、
何れ君は妊娠を授かり私は父と為るだろう。

ベニヤ板に書いた私の詩は顰蹙を買った、

揶揄された、

俄か雨の判子に育てられた、と

知らない文明に後等無かった、

(複数の、
掌に誓われた夜の死骸。
無痛の閃く断崖より告ぐ)

蛍の唇は困難の出入口。

ゆらゆら蠢く価は供えるべき花の供養を探している、

知っている、

暮らせない路を敢えて撰び、
沈黙の贅肉から流れた血の錯覚に不埒を悟った十字架に突きつけられた。

そんな夢を撒き散らし惚れたのは命の砂漠に、

語られたオアシス。

私の病魔のコードは、、オートロックの、

凪に失えた果樹園の、(幻、shi)

独りでに居ない物語を肴に、辞めた酒を呑む、

旧いテープで私の本性を聞きたまえ、

綴じた贖いに、ブレた望みを病みながら哭いている。

(吟うは鎖、
そう。吟うは鎖)

恋慕なら卒業している。

卒業したものを、数える。

最早、何も無い悔やみがあると仕分けされる。

泡沫を、囁きながら頷ける安寧に瞬いた、

(チキンが食べたい
水が呑みたい)

無意識は真水で身体を浄める、

巻いた包帯から、漏れたのは私そのものである。

君との至近距離が、
モヤモヤするシンドローム。
水滴ならば異論は一切無い代物だろう。

帰還を憶えた欠落の数だけ契られる、

鐘は朝の6時に鳴らされた、

ブレーキの、咥えられた街路灯の舌を研けば狂った圧力だった、

「不明でいたいだけ」と犯人は供述した

気分とは試練である、

振り向いた。

安定を厭えた過去を弔うだけ、と

(執拗に追われた強迫とは、
闇の中より抉られた傘のいらない氷点下にのみ生存を赦すと云う)

挫折した冬の、
入れた小袋で
感電する時間は唱えられる。

好ましい台詞を売っていた、
優雅な傷痕に粉雪がパラパラ舞い降りる、

伸びた爪の物語として肯定せよ、
と声がする、

振り返ったら前方は笑う、

入り浸るカフェの
BGMはパッヘルベルのカノン、

停滞の信号に暈された未来の希望が底を蹴って波間から顔を出した。

(朝起きた、と喋る一行詩
夜眠った、と喋るも一行詩)

凡ての現象に同一性を捉えた私から詩が生まれてゆく、

袖の無い娘に脅された青春が人生を決定付けた、

私の去る面影は記録されている、

誰かしらの天から逃れられず安らいでいる、

誰しもが軈て戻る柔らかい場所が私自身の再会である。

途中の行為でコンビニで煙草を買って見上げた空に告白された感覚が、した。

移ろい様が無い私の蟠りに弾かれた人達を想えば冬は、

冬の名を喪失した夢遊病のマイウェイを志願する、

(出逢えなくて、ゴメンね)

肉に取り憑く様に、
肉に取り憑かれる様に、

欠席者は「何もかもが同一を保持するカルマである」、と辞を遺した。

金銭を、揺らしながら、

私は私でこれ以上の無い痛手からこれ以上の無い學びを、
食い扶持に描いた。
時には病床にも居た、

書斎に飾ったあの人の写真は未だ燃やせない、

(私らには未だ時間が残されている)

路上に棄てられたゴミとは私の容貌に酷似する挽歌である、

真っ逆さまの、何時かの宴を思い出す。 

遊んだ休日の家路に雨雲が、雪雲を呼んで交差点は一瞬にして雪化粧に曝された。

酷く悩んでいた様子だったと答えた日和、さえ忘れて。

車が白く染まった私のアリバイを、語っている景色に一人である為に独身を選んだと濡れた頚から詞が守られている。

やむ無き意識の顔を宿に影に与えた光は更に濃い影を作る。

(一つに願われるアイデンティティーが、白く燃えている)

謎とは故郷に祟られた無意識の器官で合掌を唱える腫瘍である、

冬の。フユを、フユウした冬の1コマに合わせた溺愛とはあの人への手紙だった。

冬の1コマ



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Takashi Chiba
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