新しい生活 〜風と共に〜
近所に住んでいた両親が、引越した。
今更。
あと数年で80になるというのに、転勤で30年数住んだこの神奈川から、また関西の自宅に帰るというのだ。
人の頭の中というのはわからないものだ。親であっても。
休みの度に片付けに行ったが
まー、出てくる出てくる。
幼稚園時代の絵。工作を貼った自由画帳。
小、中、高、大学の頃の授業のノート。教科書、資料集。
交換ノート、サイン帳。
行事のしおり、プリント、大量の写真。
しかも妹のものもあり、✕2。
転勤してきた時、わざわざ持ってきたのだ。
一体どこにしまってたの、という量。
よくとってたね。
置いといてもしょうがないじゃん、
捨てなよ、といいながらひたすら紐でしばる作業。
なんか捨てられなくてね〜と言う母。
これなんか上手に描けてるじゃない、と大した事ない風景画を褒めたりする。
もくもくと作業しながら
専業主婦であった母の「子育て」への気持ちが、なんだかヒシヒシと伝わってきて
涙が出た。
大切に育ててもらったなと。
普段は全然話が噛み合わなくて
いつもイライラしているけど
私が親になりこの歳になり、その存在のありがたさに気づく。
月末の引越しの積み込みには半日もかかった。
がらんとしたリビングをみて
1つ時代が終わったなぁと
たまらなく寂しさが襲ってくる。
そして、新幹線のチケットを券売機で買えないし、スマホの使い方をしょっちゅう聞いてくるし、どんどん無人化、IT化していく時代についていけない親に不安しかない。
でも、なるようにしかならない。
日本だし、きっと大丈夫さ。
起こっていない事を心配してもしょうがない。
寂しさと心配はもう、まるっとゴミ箱へ。
そう自分に言い聞かせる。
私もまた新しい生活にむけて
春風と共に前向きにいこう😊
行先は自由!