2022.09.18〜北欧こじらせ日記〜
フィンランドが好きすぎて、12年以上フィンランド通い続ける間に、寿司職人となり、今年の春からフィンランドに移住された筆者の、移住までの道のりを書いた本。
前作では、筆者のフィンランドへの愛が深まっていく過程と、それを通じて自分らしさや目標を確立していくまでの姿が、フィンランドの魅力と合わせて描かれている。これがもうとにかく、とにかく素敵な作品だったので、発売が決まった瞬間予約してしまった。
本作では、フィンランドよりも作者本人の生き方や考え方に焦点が絞られてまとまっている。フィンランドに関わる仕事がしたい、フィンランドのもっとそばにいたいという気持ちを抱えながら、筆者はその最適解を、焦らずじっくりと探していく。好きな分野、好きなことで仕事をしたいという筆者の気持ちに自分を重ねる方は多いのではないだろうか。
いまは便利で自由な時代だし、単純にフィンランドに移住するという夢を叶えるなら、もっともっと簡単な方法はたくさんある。
でも筆者は、どういうやり方だと自分に向いてるのか?いつのタイミングがベストなのか?そもそも本当に移住したいのか?などを自分の心に問いかけながら歩みを進めていく。
そうした心の準備と並行しながら、毎日の仕事、貯金、英語やフィンランド語の勉強、寿司職人の修行など、具体的な部分の準備を勧めていく。
毎日の成果は小さくても、継続な努力によって、筆者は着実にスキル的な意味でも移住の準備が定まっていく。このようにしっかり編まれた意志と実績だからこそ、色んな人に応援され、支援され、筆者の夢はどんどん現実になっていく。
勿論順風満帆ではなく、渦中では遠回りに感じたこともあったのだろう。それでもひとつひとつの経験を糧にしていく筆者は、とっても強くてかっこいい。なにか一つ目標を達成する、というと一心不乱に突き進むのがあるべき姿に思いがちだけど、こうやって自分を温めながら進んでいく姿もすごくステキだなと思えた作品でした。