意識低い英語学習のすすめ:英語力ゼロから外資に入った勉強
英語力ゼロ→外資へ転職
2024年の初頭、新卒から8年弱働いたJTCを辞めて、外資系企業に転職した。転職していろいろなことが変わったのだが、一番変わったのは言語だ。日常的なコミュニケーションがほぼすべて英語になった。
外資に転職したことを他人に報告すると「英語しゃべれたんだ?」と驚かれることが多い。同時に「どうやってしゃべれるようになったの?」と質問されることも多い。
新卒の時点でわたしの英語力はほぼゼロだったので、自分が外資系に転職して日常的に英語を使うようになるとは思いもしなかった。大学入学時に受けたTOEICのスコアは400点くらい。そのことにさしたる危機感も覚えず、英語の勉強もしていなかった。
だから周りの人も、わたしが英語を使えるイメージを持っていなかったと思う。
そして、そんなやつがどうやって英語を使えるようになったのか、確かに気になるのかもしれない。
外資系と一口に言っても英語の使用頻度は企業によって様々なようだが、わたしが転職したのは最も英語の使用頻度が高い部類の企業だった。
CV(履歴書みたいなやつ)も面接も雇用契約書も全て英語。転職して以来、英語を使わない日は無い。
転職の時にわたしを面接してくれたのはイギリス人、上司はシンガポールにいて、同僚はフィリピンやインドやオーストラリアに点在している。
自分の英語力でよくやっていけているな、と自分で驚くくらいの環境の変化だ。
そんなわたしの英語は、全て自前で学習した。
留学もしていないし語学学校にも通っていない。
会社の補助を受けて勉強したということもない。
海外に行った経験もほとんどなく、これまでアメリカに合計10日ほど滞在したのみ。
5年間で学習にかかった費用を合計してもおそらく15万円くらいで、これは多分めちゃくちゃコスパがいい。
こういう風に説明すると、また驚かれる。
帰国子女の知人には「留学経験なしでそこまで英語ができるようになるの?」と言われた。また別の知人からは「大人になってから学習を始めてちゃんと英語ができるようになった人を初めて見た」とも言われた。
メールを打つ時にはいまだに単語を調べたりするし、打ち合わせともなれば必死で会話についていくのがやっとな感じなので、わたし自身は自分の英語力をそこまで高く評価していない。
とはいえ、英語での面接をクリアして外資系への転職に成功し、いまでは日々の業務のほとんどを英語で一応こなしている。
日本で実用レベルの英語が使える人は人口の7%程度らしいので、日本人のなかではわたしの英語力は比較的高い水準にあるといっても差し支えないだろう。
勉強方法がわからない・モチベーションが続かない問題
新たに英語学習を始めようとする時に「どうやって勉強したらいいのかわからない」というハードルがあるように感じている。わたしも学習を始めた当初は、どこから手を付ければ英語が喋れるようになるのか、見当もつかなかった。
そこで、わたしは思いつくかぎりの学習方法を一通り試した。これは最初から意図してそうしたというより、元来飽きっぽい性格なので、この勉強は飽きたから別の方法に…という感じで移り気に試していき、結果的に手当たり次第にいろいろな方法を試すようになっていった。
モチベーションが続かなくて学習を中断した時期が何度となくあった。学習を中断すると「挫折」感があって、再開するのがおっくうになり英語が遠のく。誰もが身に覚えのある経験を、わたしも一通りしてきた。
だから、タイパはめちゃくちゃ悪かった。学習を中断した時期を考えるとかなりの遠回りになった。
ある調査によれば、英語学習を始めたものの挫折した経験のある人の割合は、9割を超えるらしい。
日本人にとってハードルの高い英語学習は「継続できないほうが普通」と考えたほうが良さそうだ。
英語学習に「やる気」は必要ない
わたしはある時期から短期集中ではなく中長期的に地道に英語力を伸ばしていくように意識を変えた。言い換えると、学習のモチベーションを高い水準で維持すること、スマートに勉強することを諦めた。
そのかわり、一日に一つは英文を読むとか、英語を聞くとか、なんでもいいから何かしらのインプット/アウトプットを自分に課す。
やり方はそのとき自分が気になる学習方法を、気の向くままにやる。すこしやる気が出てきたら、オンライン英会話をやったりディクテーションをやったり洋書を読んだり、少し高度なことにも挑戦する。
現時点で3年弱くらい、そういう学習(「学習」と呼んでいいのか分からないけど)をほぼ毎日続けている。
英語学習にやる気は必要ない。目標も、結果も必要ない。ゆえに挫折も存在しない。意識低く、低空飛行のまま、とにかく学習を継続することに注力する。
最近は「最短最速で英語を身につける」みたいな宣伝文句の英語学習サービスが多いが、そんなに短期間に詰め込んで勉強したり、費用がかさむ学習ができる人ばかりではないだろう。
そもそも、1日数時間の勉強を何か月、何年も続けられる人はその時点でめちゃめちゃ才能があるのだから、才能のない人間がそういう人の真似をしても仕方がない。
世の中にある「効率がいい」とか「正しいやり方」とか言われている学習方法をいったんすべて無視してたどり着いたこの学習スタイルを、わたしは「意識低い英語学習」と自称している。
英語は出来なくて当然、できたらすごい。そんな英語を勉強している自分はエライ。
そうやって、自分をある種あまやかして、自分にできるレベルの勉強をダラダラ続けるほうがあっている人は実は多いのではないだろうか。
スクールに通ったり短期留学をしたり、お金をかけて短期的に英語力を伸ばすのも一つの手だが、わたしのようにお金をかけず、ゆるく中長期的にできる範囲の学習を継続するのも一つの選択肢だと思う。
飽きっぽい人、モチベーションが持続しない人、まとまった学習時間が確保できない人には、実はこの方法がフィットする可能性があるとわたしは考えている。
英語は筋肉だ!!
5年間ダラダラと、しかしそれなりにまじめに英語を学習し続けて感じたのは「英語学習は筋トレと同じ」だということだ。
これは英語学習の世界ではよく使われる(?)比喩なのだが、大きく二つのことを意味していると思う。
まず一つ目に、大前提としてトレーニングをしなければ筋肉はつかない。英語学習も同じで、どんな非効率なやり方・初歩的な学習であっても、やらなければなにも進歩しない、やらないよりは何かやったほうがマシだ。1日たった10回の腕立てでも、しばらく続けていれば多少の成果は感じられるだろう。
二つ目は、継続してやればやるほど効果が出てくるということだ。反対に、いっとき筋肉がついても継続しなければそのうち萎んでいく。
以前なかやまきんに君が、仕事が忙しくなりトレーニングを怠ったことで8年分のトレーニングの蓄積が無駄になった、という動画をあげていた。
筋肉と同じように、英語力も地道なトレーニングの積み重ねで増強・維持するしかない。
もっとも、きんに君がやっているほどハードなトレーニングをいきなりやるのは難しいので、我々素人はとにかくハードルを下げて、継続できる方法を見つけることが重要だ。
1日にたった1でもつ単語を覚えれば、1年で300以上語彙が増えることになる。1日に3つ覚えれば1年で1000語を超える。これだけでも、やらないよりははるかにましだ、とわたしは考える。
そのうえで、やっていくうちに「もっと出来そうだ」と思えば学習時間を増やしたり難しい教材に挑戦すればいいし、「今の自分には負荷が大きすぎる」と思ったら実現可能なレベルまで目標を下げればいい。
人から見たらショボい内容でもいいから、とにかく自分にできる勉強を続ける。その過程で自分の成長が感じられたら御の字、超ラッキーなことが起きたと思えばいい。
勉強を続けている自分自身を褒めて自己肯定感を高めることが、なにより継続につながる。
趣味で草野球をやっている人が大谷翔平のような活躍を目指す必要がないのと同じように、自分たちと別世界・別次元の優秀な人間と自分自身をいちいち比較してその差異を確認することには意味がない。
英語を学習したいが進め方に迷っている人、始めたはいいものの継続できなくて落ち込んでいるような人には、試してみる価値のある方法?というかマインドセットだと思う。
次回(書くかもしれない内容)予告
ついでなので、わたしが具体的にどうやってダラダラと勉強してきたのか、具体的な学習方法をこんど別の記事でも紹介してみたい。
今思えばめちゃめちゃ無駄な回り道をして勉強してきたので他人の目にさらすことに若干抵抗を覚えるが、英語初学者には多少参考になるかもしれない。
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