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日本一危険な国宝?「三佛寺投入堂」

鳥取県の三徳山にある国宝「投入堂」に参拝登山しました。
山中はうわさ通りの険しい道でした。今となっては、靴もしっかりしているし、道は人が何度も行き来しているので、なんとなく足の踏み場や手をかける場所が分かるので登りやすいですが、昔の修験者たちはどのように登ったのだろうかと、また、投入堂がある崖を発見した時は何を感じたのだろうかと、思いを馳せながら登りました。

新緑も崖との良いコントラスト

後から知ったのですが、投入堂が建っているのは、三徳山を構成する玄武岩層と凝灰岩層の切れ目にある岩陰を利用しているとのこと。やはり、そういう自然の境目というか、地球の亀裂というか、そのような場所から何かエネルギーが漏れていて、不思議な力が在るのを感じざるを得なかったのだろうと思いました。

投入堂から横に目をやると、崖に大きな蜂の巣がありました。人間が四苦八苦して建てたお堂の横に、平気な顔をして蜂たちが巣を作って、投入堂に訪れる参拝者を面白げに見下ろしているのではないかと勝手に想像しました。蜂たちにとって、崖に巣を作ることは容易いことなのでしょう。

登山口から投入堂までの道中にも貴重なお堂が残っていて、中世建築の空気感を感じられ、端正な意匠だけど、確かな存在感を醸していました。

地蔵堂(国重文)の縁を歩く
洞穴にある観音堂(県文)

投入堂はその立地だけでなく、建築的にも意匠のバランスが優れています。

日本建築の最重要デザインポイントといっても過言ではない屋根の意匠ですが、軒の反りが絶妙です。また、身舎(モヤ)の手前の庇が一連ではなく、左右脇に一段落として庇を設けているのも、この自然景観に調和しているし、見上げた時の遠近感も増しているのではないでしょうか。

仮に想像してみてください。
もし、軒の反りが今より緩いか急だったら。
もし、屋根がひとつながりで掛かっていたら。

やはり、立地もさることながら、今のバランスが美しいから、何百年経っても人を惹きつける力がこのお堂にはあるのだと思います。

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