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日本人サラリーマンも世界を食べる

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【スニーカー文庫《俺のラノベ》コンテスト「笑える話」特別賞入選】 しみじみと面白い。 趣味は料理。外食したものをキッチンで再現して細部を探るのが好き。 外資系サラリーマンだっ…
「日本人サラリーマンも世界を食べる」をマガジンにしました。ここからそれぞれの記事を単品で買うことも…
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2021年3月の記事一覧

シアトルのフレンチディップ

シアトルのフレンチディップ

 フレンチディップというサンドウィッチをご存知だろうか?

 日本でフレンチディップを食べられる店はほとんどないので、知らない人が多いかも知れない。
 フレンチディップはロス・アンジェルス発祥のサンドウィッチだ。フレンチとあるが、フランスとは全く関係がない。というか、むしろフランス人はこれを避ける気さえする。
 フレンチディップの組み立て自体は簡単だ。
 とりあえず、アメリカ風の柔らかいフレンチロ

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アメリカのハンバーガーは今でもでかいか?

アメリカのハンバーガーは今でもでかいか?

 アメリカのハンバーガーは一般的にでかいという認識が普通だろう。
 実際、同じマクドナルドのビッグマックでもアメリカで食べる方がでかいという人もいる。
 バーガーキングはでかいので有名だが、これも日本サイズはジュニアサイズだというアヤシイ噂がまことしやかに囁かれている。
 実は僕はまだ日本のバーガーキングに行ったことがないのでこれに関してはなんとも言えないのだが、マクドナルドのビッグマックは確かに

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ホビロン、またはバロット

ホビロン、またはバロット

 皆さんはホビロン、あるいはバロットという食べ物をご存知だろうか?

 ホビロンというのはベトナムでの名前、フィリピンではバロットと呼ばれる。
 これは、アヒルの有精卵をある程度まで孵化させて、だがアヒルの雛として孵る前に茹で殺して食べる恐ろしい料理だ。
 そのグロテスクなイメージから、特に西欧圏では極悪珍味として名高い。日本人は何でも食べる癖にホビロンは可哀想すぎて人気がない、というか食べたこと

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アメリカ人と日本のイザカヤ

アメリカ人と日本のイザカヤ

 以前、イタリアの血が薄すぎるイタリア系アメリカ人のクリスのことはみなさんにも紹介したと思う。
 今回は立場を逆にして、そのクリスが日本に長期出張した際の顛末をお話ししたい。

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 当時、僕たちはA5サイズの小さなタブレットを開発していた。
 売りはインターネット機能で、モデム内蔵というところがミソだった(当時は無線LANなん

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