見出し画像

就活心理学講座 - あなたの心を解き放つ - 自己分析編第4話:発達心理学 - あなたの成長を振り返る

ストーリー


「私って、小さい頃から、周りの人に気を遣ってばかりだったなぁ…」

認知心理学を学び、ネガティブ思考の克服に取り組んでいた美咲は、ある日、幼い頃からの自分の行動パターンに気づきました。
いつも周りの顔色を伺い、みんなが喜ぶようにと振る舞っていたこと、自分の意見を主張することを避け、周りの意見に合わせがちだったこと…。

「もしかして、これって、幼い頃の経験が影響しているのかな…?」
美咲は、キャリアセンターの山田さんに、
自分の幼少期の経験について相談してみることにしました。

「美咲さんは、ご両親との関係はどうでしたか?」
山田さんの問いかけに、美咲は少し戸惑いながらも、幼い頃の記憶を辿ります。

「両親は共働きで忙しく、私はいつも鍵っ子でした。寂しい思いをしないように、いい子でいようと頑張っていました。」

「なるほど…。もしかしたら、ご両親に心配をかけないように、自分の気持ちを抑えて、いい子を演じていたのかもしれませんね。」
山田さんは、発達心理学の視点から、美咲の幼少期の経験が、現在の性格や行動パターンにどのように影響しているのかを説明してくれました。

「発達心理学では、人は幼少期の経験を通して、基本的信頼感や対人関係の築き方、自己肯定感などを形成していくと考えられています。美咲さんの場合、ご両親の愛情を求める一方で、寂しさや不安を感じていたのかもしれません。そして、ご両親に愛されるために、いい子を演じることを無意識に選択した可能性があります。」

「そうだったんですね…。でも、それが今の私に、どんな影響を与えているんでしょうか?」

「例えば、周りの人に気を遣いすぎるあまり、自分の意見を言えなかったり、無理をしてしまったりする傾向があるかもしれません。また、人から認められることで、自分の価値を感じている可能性もあります。」
山田さんの言葉に、美咲は深く頷きました。確かに、自分は人から認められることで、安心感や自信を得ていると感じていました。

「では、どうすれば、この影響から抜け出すことができるんでしょうか?」

「過去の経験を否定するのではなく、受け入れることが大切です。そして、今の自分は、過去の経験に縛られることなく、自由に選択することができるということを認識しましょう。」

山田さんは、美咲が自分自身をより深く理解し、
受け入れることができるように、いくつかのワークを提案してくれました。

例えば

ライフライン
:生まれてから現在までの重要な出来事を時系列で書き出し、自分の成長を振り返る

家族との関係
:家族との関係性を振り返り、自分がどのように影響を受けてきたのかを考える

ロールモデル
:尊敬する人や憧れる人の生き方を参考に、自分が目指したい姿を明確にするなど、様々なワークがあります。

ロールモデルを具体例で説明

1. 仕事におけるロールモデル
例えば、「この先輩のようにリーダーシップを発揮してチームをまとめたい」と思う上司や同僚がロールモデルになります。

2. 人生全般のロールモデル
「あの人みたいに家族と仕事を両立して幸せな生活を送りたい」というように、人生の生き方全般で参考にする人です。

3. 特定の分野でのロールモデル
スポーツ選手やアーティスト、学者など、「この人のように努力して成功したい」と思う存在です。

ロールモデルの役割

モチベーションを与える:目指すべき姿が明確になる。

具体的な指針を提供:どうすればその人に近づけるのか、行動の基準を学べる。

自分を成長させるきっかけ:自分自身を見直す機会を与えてくれる。

注意点

ロールモデルは必ずしも完璧な人ではありません。
→ 良いところを参考にしつつ、自分らしさを大切にすることが大事です。

ロールモデルを見つけることで、自分の目標や理想に向けて具体的に進む道を考えやすくなります。
美咲は、これらのワークを通して、過去の経験を
客観的に見つめ直し、自分自身をより深く理解することができました。そして、過去の経験に感謝し、未来に向かって進んでいく決意を新たにしました。

まとめ

発達心理学を学ぶことで、幼少期の経験が、現在の自分の性格や行動パターンにどのように影響しているのかを理解することができます。そして、過去の経験を受け入れることで、自分自身をより深く理解し、成長することができます。

参考文献

降旗 信一『持続可能な社会をつくる幼児期のESD論』

河合隼雄『子どもと学校』(岩波書店, 1989)

次回予告

第5話では、「社会心理学 - あなたと社会との関わりを考える」について解説します。
お楽しみに!
#就活   #自己分析   #心理学  #発達心理学

いいなと思ったら応援しよう!