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【与太話】魚になった男!鮭編


先日、いつものようにスーパーで買った鮭を焼いて食べたら、なんと体が魚になってしまったんです!
最初は、食後の軽い吐き気かな、と思ったのですが、次第に体が重くなり、床に倒れ込んでしまいました。そして、自分の手を見るとなんとヒレになっていたんです!
「え、嘘でしょ?!」
慌てて鏡を見ると、そこには見慣れない魚の姿が。体は銀色に輝き、顔にはエラができていました。
「まさか、鮭を食べ過ぎたから?」
そう、私は鮭が大好きで、毎日のように食べていたんです。まさか、それが原因で魚になってしまうなんて
魚になった私は、当然ながら会社にも行けず、家族も私の姿を見て驚きを隠せない様子。
「お父さん、どうしちゃったの?!」
娘の泣きそうな顔を見て、私は自分が置かれている状況を改めて理解しました。
「ああ、なんてことだ。」
魚になった生活は、想像以上に大変でした。まず、呼吸ができない!水がないと息苦しくて、仕方なくお風呂にずっと浸かっていることに。
食事も、水中のプランクトンや藻を食べるしかありません。あの美味しい鮭の味が恋しい
そして、一番困ったのは、トイレ!魚になった私は、当然ながら人間のトイレは使えません。仕方なく、お風呂で用を足すのですが、これがまた大変で
「ああ、もう嫌だ!人間に戻りたい!」
そう思った私は、あらゆる方法を試しました。魚のエキスを飲んだり、逆に大量の肉を食べたり、怪しげな宗教に頼ってみたり
しかし、どれも効果はなく、私は魚のままでした。
そんなある日、私は水槽の中で一匹の金魚と出会いました。彼は、かつて人間だったそうで、私と同じように魚になってしまったらしいのです。
「君もか
彼は、静かに頷きました。
「魚になった原因はわからないけど、受け入れるしかないんだ。」
彼の言葉に、私はハッとしました。
そうか、私は魚になってしまったことを嘆くのではなく、受け入れるべきなんだ。
それからというもの、私は魚としての生活を楽しむようになりました。水槽の中を自由に泳ぎ回り、他の魚たちと交流し、水草の美しさに感動する。
人間だった頃は、忙しさに追われて、周りの景色を見る余裕もありませんでした。
魚になって、初めて世界はこんなに美しかったのかと気づかされました。
そして、ある朝、目が覚めると、私は人間の姿に戻っていました。
「夢だったのか?」
そう思ったのも束の間、私の体には、うっすらと鱗が残っていました。
そして、私は気づいたのです。
魚になった経験は、私の人生にとってかけがえのないものになったのだと。
それ以来、私は魚を食べるたびに、あの不思議な日々を思い出します。
そして、世界はまだまだ知らないことで溢れていると実感するのです。

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