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第4話:感情の揺れ動き - 感情ヒューリスティック


ストーリー
田中雄太は、新しいスマートフォンの購入を検討していた。
「そろそろ機種変したいなぁ。新しいスマホ、どれにしようかな。」
インターネットで情報を集め、機能や価格を比較する雄太。最新の機種はどれも魅力的で、なかなか決められない。
そんな時、雄太は友人から、あるメーカーのスマートフォンについてネガティブな話を聞かされた。
「あのメーカーのスマホは、バッテリーの持ちが悪いらしいよ。それに、すぐ壊れるって話も聞いたことがある。」
友人の言葉に、雄太は不安になった。そのメーカーのスマートフォンは、デザインも性能も気に入っていたのだが、バッテリーや故障の問題は無視できない。
「どうしようかな… 他のにしようかな…」
迷った末、雄太は別のメーカーのスマートフォンを購入することにした。しかし、新しいスマートフォンを使ってみると、以前の機種と比べて使い勝手が悪く、不満を感じてしまう。
「うーん… やっぱり、あのスマホにすればよかったかな…」
後悔する雄太に、美咲さんは「感情ヒューリスティック」について説明した。

解説
感情ヒューリスティックとは、その時の感情に影響されて、物事を判断してしまう心理的な傾向のことです。
雄太さんの場合は、友人の言葉によって不安を感じ、冷静な判断ができなくなっていました。その結果、本来は気に入っていたスマートフォンの購入を見送ってしまい、後悔することになってしまったのです。
人は、喜びや怒り、悲しみなど、様々な感情に支配されます。そして、感情的な状態にあるときは、客観的な判断が難しくなり、衝動的な行動をとってしまうことがあります。

日常生活における例
* 怒りを感じているときに、相手を傷つける言葉を言ってしまう。
* 不安を感じているときに、必要以上にリスクを回避してしまう。
* 悲しみを感じているときに、冷静な判断ができず、重要な決断を先延ばしにしてしまう。

対策
感情ヒューリスティックに陥らないためには、以下の点に注意することが重要です。
* 感情的な状態を自覚する:自分がどのような感情を抱いているのかを認識しましょう。
* 冷静になる時間を持つ:感情が高ぶっているときは、一度冷静になる時間を取りましょう。
* 客観的な意見を聞く:信頼できる人に意見を聞くことで、冷静な判断を取り戻しましょう。
雄太さんは、美咲さんの説明を聞いて、自分が感情に振り回されていたことに気づきました。そして、次回からは、大きな決断をする前に、一度冷静になる時間を持つように心がけることにしました。

次回予告
第5話では、「社会的証明の原理」について解説します。お楽しみに!

補足
感情ヒューリスティックは、広告やマーケティングにも利用されています。例えば、感動的なストーリーやユーモラスな演出で消費者の感情を揺さぶり、購買意欲を高める手法などが挙げられます。

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