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Kissしたくなるほど愛おしいワイン

こんにちは、たつお・シンフォニーです。
山梨学院大学のワインセミナーを受けていた時の事。その日は八ヶ岳の下りでノロいトラックに捕まり少し数分遅れて会場に入りました。
演台には灰色の作業服、坊主頭に無精ひげのおっちゃん。仮出獄した服役囚がなぜそこに?演台に上がる前の紹介を聞いていないので誰だかわかりません。
服役囚は開口一番
「私は朝に晩に畑に行き、手作業で愛情込めて一生懸命畑仕事をしています。」

​​​​​『っていう奴はバカなんだよ!!!』​​​​​

​​​​​​​​「葡萄の樹には愛情なんてわかんねぇ~! 必要なのは科学!!!」

「例えば光合成ってあるじゃん、あれいつ頃がピークかわかる?」
「じゃあ、三択ね。①日の出から9時頃、②9時過ぎから正午くらいまで、③正午過ぎから3時くらいまで」挙手を募り

「正解は①。日の出と共に活動が始まり,8~9時にピークを過ぎて10時にはほぼ光合成は行われない。10時過ぎからは光合成で作り出した栄養を果実などに運び、夕方から地中の水を吸い上げ始め、水分を葉に蓄える。このサイクルが分かっていればどの時間にどの作業をすればいいか分かるよね?だから愛情なんて関係ねえぇ~んだよ!」
あれ?葉野菜以外の野菜と果物って昼間に収穫した方が美味いって事?朝採りって暑いおもいをしたくない農家の都合?

って言うか誰?このおっちゃん?顔を横に向けると山梨学院大学非常勤講師・ソムリエの小牧さんが!
(小牧さんは後日ご紹介します)

小牧さん「あの人は甲州市塩山の葡萄農家で『生食(せいしょく)葡萄の名人』と言われる荻原さんだよ。」と説明してくれた。

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(具志堅さんではありません)
今まではシャトー酒折(さかおり)に葡萄を卸していたけど、荻原さんと醸造家の斎藤まゆさん、シャトー酒折の社長と三人でキスヴィン プロジェクトを立ち上げたんだよ。と興奮した様子で説明してくれました。(やっと誰だかわかった・・・・)

荻原さんの話は続きました。
「甲州ブドウって完熟すると皮が薄紫色になるじゃん。」

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「俺、甲州が緑色の時に傘かけ(紙袋を被せる)したんだよ。皆それを見て『やめろ!』って言ってきた。甲州は陽に当たる事で皮が薄紫色になる、それが完熟のサインだ。傘かけなんかしたら完熟しない、収穫出来ないぞ!って言われた」
「でもさぁ~、根から水を吸い上げて、光合成して栄養を作って熟していくんだろう。緑色でも糖度はのって完熟すると俺は思ったんだよ。科学的に考えればね。だから俺は緑色の甲州でワインを造った。」

「薄紫色になるってのは色素なんだよ。色素の前ってポリフェノールなんだよ、そして皮に含まれている。」

「じゃあ、ポリフェノールの前ってなに?アントシアニンって言うんだけれど、これは葡萄の果実の中に含まれているんだよ。皮に含まれるポリフェノールは摂取量が非常に少ない、ところが果実に含まれるアントシアニンはほぼ100%近く摂取出来る。俺の甲州は白ワインだけどポリフェノール効果のあるアントシアニンを摂取する事が出来る白ワインなんだよ!!!!!!!飲むと健康になる!!!と思う。」

​​​​と締めくくった。ヤベぇ~、この人!!!マジ、すげぇ~と思った。
                                                                                                                      続く

Kissしたくなるほど愛おしいワインを造りたい、「だからKisvin(キスヴィン)なんだよ」

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https://item.rakuten.co.jp/wine-takamura/4573463410380/#4573463410380

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