売り方がわからなくなったので、マーケティングの本を15冊読んでみた
僕は、AIスタートアップを経営しています。最近、切実な悩みがあります。
新たに開発したAIアプリがあまり売れなかったり、プレゼンをしても聴講者の反応が悪いことが続いているのです。。。
なぜ、そうなるのか?
僕は気づけば起業してから10年近く経っています。
その間に、開発したAIアプリが少し広まったり、一度Exitをしたりと、経験が蓄積されてきました。よって、悪い意味で、感覚に頼って新規ビジネスを進めようとし過ぎていた面があるように感じ始めました。
そこで、今まで持っていたものを全て捨て去って、ゼロから学び直すつもりで、マーケティングの勉強をしようと考えました。
でも、学校に行ったりする時間はありません。
そこで、僕がよくやる勉強法として「ある分野の知識を付けたくなかったら、その分野の本を4、5冊読んでみる」というのを実行しました。
こうすれば、「複数の著者が"共通して"主張することには、一定の信頼性がある」と判断できると考えているからです。
一冊の本、一人の著者だけでは、経験論に偏るかもしれません。それを打ち消すために、複数の著者の書籍を読んでみるという勉強法を好んでいます。
しかも、今回は、より気合を入れて勉強しようと、気づけば15冊になりました。
このnoteでは、マーケティングを対象とした #わたしの勉強法 の集大成として、学んだことを、手書きイラスト付きでまとめたいと思います。
あまり長くなっても良く無いので、これ以降の文章は2000文字前後でまとめるように努めます。
参考にした書籍
こんな感じです。
厳密にマーケティング専門ではない本も含んでいますが、それでもその本の中のマーケティングに関連するエッセンスを抜き出して、学びました。
では、以降で、多くの本で共通して主張されていたマーケティングの重要なポイントを整理していきます。
最重要な3要素
多くの本で主張されていたことをまとめると、以下の3点となります。
1. お客さんをしっかり理解
2. 絞って、わかりやすく
3. 共感を得る
この3点が結論です。
少し、それぞれを解説します。
1. お客さんをしっかり理解
まず、ほぼ全ての著者が、顧客理解が最も重要と指摘していました。
ただ単に提供者側が、作りたいものを作る時代は終わりました。
お客様が何に困っていて、何を解決したいのか、そのためにはどんな製品が適しているのか? →これらから新ビジネスの企画ができます。
また、普段お客様はどんな媒体を見ていて、どんな情報収集をしているのか? → これらから、以下で述べる”認知獲得”の重要な戦略が決まります。
そして、お客様はどんな人なのか? →これを知れば、お客様が”共感”してくれるポイントが見えてきます。
マーケティングの全てのプロセスで、顧客理解が最も重要です。
2. 絞って、わかりやすく
ターゲティングを厳密にすることが成功には不可欠。
ターゲティングを厳密にできれば、自ずと我々がPRすべきことも絞られてくるはずです。
しかし、人は「あれもやらねば。これも見せねば」と不安になるもの。例えば広告一つをとっても、情報を満載にしがちです。
すると、お客さんはそんな広告は細かく見てくれません。
「シンプル イズ ベスト」
シンプルに伝えることこそが、最も顧客目線のPR手法とも言えます。
3. 共感を得る
お客さんが購買行動をするときは、理屈で考えていると主張する著者はいませんでした。それよりも、「お客は、まず感情で買うかどうか決めている。その後、理性で買う理屈を探している」と指摘しています。
そして、お客様の感情を動かす一番の方法が「共感を得ること」です。もっとハードルを上げると「感動させること」も入ります。ともかく、お客さんの感情を動かせば良い、と極論を述べる本もありました。
兎も角、お客様に共感して頂ければ、購入もしてもらえる確率が高まります。
1は本質論として最重要なこと。
2は戦略として重要。3は戦術として重要な要素ですね。
さて、以降では、もう少し俯瞰して見てみます。
全体の流れを追いながら、ポイントに触れていきます。
全体フローとポイント
①新ビジネスの実行のフロー(経営視点)
まずは新ビジネスは、企画が肝要です。
ここを、顧客理解を軸に進めれば、以降のプロセスがスムーズになります。
コトラーも指摘していますが「マーケティングの理想は販売を不要にすること」。
よい企画であれば、顧客の悩みを解決しますので、販売もスムーズでしょう。
企画ができたら、次にプロトタイプ開発。
そして、顧客に購入の体験をしてもらいます。利用体験ではありません。"購入"の体験です。お金を払う価値があるかまで、見極めたいのです。
投資的な判断では、その後、PMFを達成すれば、プロダクトの完成度を上げたり、販促をかけたりといったアクションになります。
②新ビジネスの企画
では、最初の企画のプロセスを掘り下げます。
元USJのマーケター森岡氏が仰るには、「マーケティングの最初の仕事は"どこで戦うか”を決めること」。
最も勝てる戦場を選ぶべきとの主張です。
既存顧客がいる会社では、その周辺領域を狙うべきと述べる著者ばかりでした。でなければ、労力が5倍増えます。それぐらい、新規顧客獲得は難しいです。
ここのフェーズで大事なのは、ターゲティングです。
繰り返しですが、ターゲティングが曖昧で成功するビジネスは無い、とまで書かれていました。
興味深い名言もありました。アメリカのコメディアン ビル・コスビーの言葉です。
「成功のカギはわからないが失敗のカギはわかる
全ての人を喜ばそうとすることだ」
大手ならまだしも、小さいベンチャー。全ての人を喜ばそうとしないこと、が大切。これが原則と言えそうです。
③購買前後のフロー
このnoteのメインとも言える内容です。
諸説ありますが、一般的にお客様の購入は以下のフローで行われます。
認知 → 理解 → 評価 → 購入 → リピート → ファン化
個人的に一番大事だと思うのは、「認知獲得」です。
特にスタートアップの場合、これが出来ず、多くの会社が撤退します。(詳細は以下のnote)
認知の得る為の具体的な施策(チャンネル)は、ウェブが最優先でしょう。つまり、SEO対策、メディア露出の路線です。これは複数の書籍で指摘されていましたし、僕の実体験とも合致します。
一方で、認知を得る為のコンテンツの方は、キーワードは
・シンプル
・引き算
・削ぎ落とし
です。
以降でも触れていきます。
④認知の得方
これは、ラーメン屋だけではなく、ネットでも同じ。
顧客は一瞬で判断する。
そこに入り込む。
よって、「画像と一言」ぐらいしか、認知獲得では伝えられない。
認知取得のためのコンテンツ(ウェブの記載や広告の内容、SNS、ブログでの発信)は、これぐらい内容を絞る必要があるとのことです。
広義な意味で、経営戦略としても事業は絞るべきとの主張も多くありました。
⑤お客が買わない理由
さて、購入前後のフローは重要です。なので、違う視点でもまとめてみます。
顧客視点でまとめたときの、「顧客が買わない理由」とその対策についてです。
大事なポイントはココです。
最初に「知られていない」が来ます。
プロダクトばかり磨いてもしょうがないのです。まずは、「知ってもらう」ことの方が100倍大事。
プロダクト開発をしている間に、小さなベンチャーならば資金が尽きて倒産してしまいます。
知ってもらうためのチャンネル論では、ウェブが中心でしょう。
知ってもらう為のコンテンツの留意点は、シンプルにすること。
これらは、顧客理解ができて、ターゲティングが絞れていれば、スムーズに出来ると言えそうです。
⑥顧客視点での行動フロー
②の企画や、③の購買前後のフローを、購入者視点でまとめてみました。
大きなプロセスは、
1)”悩み”の発生
2)解決策を探す。そして、解決策を提供している会社を”知る”
3)その会社に”コンタクトしたいと思う”
あたりです。
それぞれに対して、サービス提供者側は仕掛けをしておく必要があります。
特に2)の”知る”プロセスで合わせて、”共感”得ることを狙えば、成功事例が多いと、複数の書籍で論じられていました。
⑦記憶に留めておきたいデータ
「昔から新製品の成功率は20%程度」など、定量的な貴重な情報もまとめてみました。
まとめ。次にやること
さて、僕の会社としては、ほんで何をするか?という話です。
まずは顧客理解の徹底を再認識しました。お客さんと話し、理解を深めます。
そして、次に、どこで戦うか?は、既存ビジネスの周辺にしようと思います。これまでは、ちょっと畑が違うビジネスにチャレンジしようとしてしまっていました。
最後に、「絞る」ことですね。ターゲットを絞る。お客さんへのメッセージを絞る。事業を絞る。
これらによって、より自社の強みを活かしつつも、お客さんによりわかりやすい会社になっていくと思います。
以上です。
本当はもっと書きたいことがあるのですが、そもそも「内容は絞るべき」との主張のnoteです。
あまりアレコレ書き過ぎてもあかんなと思い、この辺にしておきます。
参考になったのであれば嬉しいです。
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