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データは語る。U18野球の優勝の要因は、スモールベースボールではなく、圧倒的な投手力と長打力だった
U18の世界野球、優勝見事でしたね🎉🎉🎉
悲願の初優勝ということで、盛り上がりました😃
高校野球の選手の皆さんのご活躍は、大変素晴らしかったです。
さて、馬淵監督が大会前から「スモールベースボール」を提唱されていましたね。
「長打は見込めないから、バント・盗塁の小技で勝つ」
というような話です。
個人的には
「えらい、世界や日本のWBC優勝と逆行するなぁ・・・」
と思っていました😅
そういうこともあり、
「今回の優勝が、いわゆるスモールベースボールが要因だったのか?」
というところを、データから調べてみました。
データ元
昨今の世界の野球は素晴らしいですよね。
ちゃんと細いデータが公開されています👏👏👏
感謝。
対象は、参加していた12か国の全試合です。
結論
▶︎ 優勝の一番の要因は、JAPANのエゲツない投手力
順位と最も強い相関を示した値は、圧倒的にERA(防御率)でした。
その相関係数は0.922。
そして、失点数と最も強い相関を示した値はSO(奪三振数)。
その相関係数は0.916。
順位 vs ERA : 0.922
失点 vs SO : 0.916
オフェンス系のどの指標と比べても、順位や得失点と一番相関を示したのは防御率および奪三振数でした。
これらの指標が一番重要であることを示唆しています。
これらのデータから、今回の優勝の要因は
「圧倒的な日本の投手力」
と言えると考えています。
ちなみにデータのランキングだけで言えば、台湾の投手陣と日本が互角でした。
▶︎ 攻撃面では日本は長打率とOPSがトップ🎉
馬淵監督の意図とは、結果的に真逆でしょう。
なんと、打率、長打率とOPSが、日本が大会を通して1位でした👏
順位との相関係数を見ても、RBI(打点)とOPSが最も高い値でした。
順位 vs RBI : 0.756
順位 vs OPS : 0.75
得点数との相関も見たところ、以下の通りでした。他の攻撃系の指標よりも最も高い値でした。
得点 vs 打率 : 0.664
得点 vs 出塁率 : 0.685
順位、得点数に対して、打率、長打率、OPSなどの極めて攻撃的な指標が、目立った結果となりました。
▶︎ 盗塁は意味なし。バントもデータ的には順位と相関無し。
スモールベースボールの代名詞と言える、バントと盗塁については、どうだったでしょうか?
日本のバント数は、大会での総数が16。韓国と同じく1位の犠打数です。
一方で、盗塁数は9個。
トップのアメリカが18個盗塁を決めており、日本の盗塁数9個は、全体の中でも中程度の数です。
相関係数も計算しました。
順位 vs 犠打数(SH) : 0.282
順位 vs 盗塁数 : 0.495
犠打数については、上位参加国の日本、台湾、韓国がバント数が多めでした。
しかし、4、5、6位のアメリカ、プエルトリコ、オランダがバントを大会通じて1、2個しかしていませんでした。
なので、順位とバント数の相関は極めて低い値となりました。
盗塁も同様です。
盗塁については、日本は相関係数を押し下げる側になっていますしね。。
ちなみに、得点数との相関係数も見てみました。
得点 vs 犠打数(SH) : 0.287
得点 vs 盗塁数 : 0.159
極めて低い相関係数です。
▶︎ ちなみにアメリカがスモールベースボールをやっていた
データを見ると、アメリカは、犠打数こそ少ないですが、盗塁数は18でダントツの一位。
アメリカの長打率は0.229で、全体では下位の部類。
まさか、まさかのアメリカがスモールベースボールをやっていた(やってしまっていた)雰囲気です。
案の定、アメリカは優勝は逃しての4位でしたね。
細かなデータの集計表
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打率、OPSなどは、チームの全員の平均値です。
R(得点)やHRなどは、積算値ですね。
上位3チームを赤字、トップを赤の太字にしています。
日本の打撃陣の優秀さが際立ちます。
このデータが示す通り、「実は打ち勝った侍JAPAN」だったのです。
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日本の投手力は秀逸ですね。
でも、それに迫っていたのが台湾。
日本と台湾の実力差は本当に僅かだったのでしょう。
相関係数の計算表
今回は、ChatGPT に全て相関係数を計算してもらいました。
集計したデータをエクセルに貼り付けて管理しました。
以下の通りです。
▶︎ 攻撃
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▶︎ 投手
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グラフ集
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失点数と奪三振数は、予想通り、相関性が見えますね。
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横軸が順位です。
1位が日本ですね。
打率と順位は、非常によく相関しているのがわかります。
綺麗に並んでいますね。
オフェンス系の指標では、最も順位を示している指標とも言えます。
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横軸が順位です。
1位が日本ですね。
OPSは、ほぼ綺麗に順位と並んでいますね。
やはりよく打つチームが上位に行っていたのでした。
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下位ほど、盗塁数が少ない様にも見えます。
しかし、肝心の1位の日本が、盗塁数が特に多かったわけではないことがわかります。
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上位3チームの日本、台湾、韓国が犠打数が多いです。
ただ、中でも台湾は犠打数8個で少なめ。
一方で、日本と韓国がバント16個で群を抜いています。
しかし、これは、もう野球スタイルの違いを示したグラフですね。
順位と関連しているというよりは。
僕の感想
高校生の選手の皆さん、本当に素晴らしい戦いでした😃
おめでとうございます。
データを眺めてみると、決してスモールベースボールで優勝したのではないことがわかります。
根底にあったのが圧倒的な投手力。
そして、オフェンス面では、今大会のJAPANは、「ともかく良く打った!」と言えます。
なんと言っても、打率、長打率、OPSが大会トップですから。
このことは、逆に「打たなければ国際大会は勝てない」ということを意味してるとも思いました。
なので、このメンバーに、稀代の長距離砲である佐々木麟太郎選手などが加わっていたら、どれだけおもろい展開になっていたでしょうか😀
さて、個人的には、スモールベースボールという言葉に違和感を感じて、長いです😅
投手力を中心としたチーム作りは、全然「スモール」とはかけ離れていると、僕は思います。
例えば、「オリックスの山本由伸投手が投げるからといって、オリックスバファローズはスモールベースボールか?」という話なんです。
”スモール”ベースボールではなくて、
「超ストロングピッチャーベースボール」
の方が、今の日本野球を上手く表現出来ているのではないでしょうか?
前田投手、東恩納投手などの奪三振能力も高く、コマンドにも優れた、超ストロングピッチャーを備えたJAPAN。
このチームの強さは、素晴らしく、間違いなく日本野球全体の強みを体現していると思います。
願わくば、スモールベースボールなどではなく、
「超ストロングピッチャーベースボール」
という表現が根づきますように🙇♂️
今日も読んで頂いて有難う御座いました😃
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