国会での議員の居眠りを叩く報道が嫌いだ
僕は個人や民間では解決できないくらしの悩みを地元議員に相談できるWebサイト「issues」を運営しています。
また家族が霞が関で働いていまして、ブラックな労働環境をなんとかしてほしくてプライベートでこんな活動をやったりしています。
今日SNSで以下のような記事が流れてきました。色々なご意見があると思いますが、僕はこういう報道が嫌いです。
※この記事の元になった番組を見たわけではありません。また取り上げられている議員に関係なく僕はこの手の報道が嫌いです。
一般の方にはイメージが湧かないかもしれませんが...実は国会での質疑応答というのは、水面下での行政との膨大な調整や駆け引きを踏まえた、ある種のセレモニー・儀式です。議員は事前に質問を提出して、行政側は事前に回答を一言一句作ってるんですよね。
なので、全議員が議会での質疑応答を寝ないでちゃんと聞く(というかそもそも全議員が出席する)のって、実務上はほぼ意味ないんです。
僕が知っている国会議員の方々は想像を絶するくらいのハードワークをしていて、水面下で政策実現のために必死に走り回っています。毎日明け方まで仕事してる人がそんな儀礼的な場に出席したら、居眠りのひとつもしたくなるでしょうよ、と。少なくとも僕が議員だったら居眠りしますよ、絶対。
※ホリエモンこと堀江さんも同じようなこと言ってましたね
色んなご意見があるとは思いますが、僕は議員の方々には、そんな儀礼的な場で「原稿を読み上げるだけの質疑を居眠りせずに聞く」ことを頑張るのではなく、その時間を実務や勉強に当てて欲しいと思います。なんなら議会中に質疑を聞くより内職とかしててほしい。
というかそもそも、全議員の出席を義務付けるルールを変えて希望者のみ参加とするべきなのでは?あるいは儀礼的なセレモニーの場ではなく、議員同士が緊張感ある即興での議論を行う場にするべきなのでは?
実際にそういう国会改革をするのは気が遠くなるほど大変なことなんですが、とはいえメディアが社会の公器だと自負するならば、叩くべきは「居眠りしている議員」ではなく「居眠りしたくなるほど儀礼的な場と化している国会の現状」なのではないでしょうか。
「年間●日間の議会に出席するだけで居眠りしてても年収●万円です」「街の皆さんは議会中に居眠り・内職する議員をどう思いますか?」「最低ですね!」みたいな報道って、現状を変える役には立たないと思うんですよね。インフルエンザの時にタミフル飲まずに頭痛薬を飲む、みたいな感じ。
マスメディアに勤める知人の中には、社会を変えるためにという思いで魂込めた素晴らしいお仕事をされている方々もいらっしゃいます。そういう人たちが偉くなって変化を起こしてくれることを切に願います。
とはいえこの現状を変えるのはメディアのビジネスモデル的に難しい気もしています。批判するだけなのもダサいですし、僕は政治報道が本来果たすべき役割を担える、超イケてる政治参加インフラを作ろうと思います。がんばる。