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わたしの失敗と神対応

ちょうど疲れがたまっていた時期だったからか、暑さにやられたせいなのか、そもそも自分の愚かさからか。

 
 最近、長男5歳が造形教室に通い始めた。彼は工作が大好きで、家にいると、チョキチョキチョキチョキ折紙やら牛乳パックなどを切っては貼ってはしている。家のプラスチックを分別したゴミ箱から、お宝を探さんとばかりに食品のケースなどを取り出している。古紙袋から、使えそうな紙を物色している。そうして、ポイポイ出さられたゴミたちによって、我が家がゴミ屋敷化しそうになっているところ、夫が帰宅。そして、ざざざっと片付ける。神業。もちろん、私もちょっとちょっとコツコツ片付けてはいるけれど、しかしエンドレスだわぁ。

 息子は、造形教室に通う前、ECCに参加していた。幼稚園の課外教室である。ちょっと面白そうかもと思ったのだろう、息子がやってみたいと言ったので、申し込んだ。ところが、わりとすぐに行きたくないと言うようになった。そもそも、幼稚園で積極的に言葉を発しない息子にとって、必ずしも会話を求められる英会話教室はむいていなかった。ECCに通うようになったころ、「ECCどうだった?」と私が聞くと、「う〜ん、楽しくはないけど、お絵描きするのは楽しい」と答えた。授業は楽しくないけど、絵を描く時間があって、その時だけは楽しいらしい。そのうち、「行きたくない、お歌を歌うのが嫌だ」などと言うようになった。それから、毎週出される宿題をやる気のない息子に私が促さなけらばいけないことも、私は苦痛になってきた。

それで、お金払って、ストレス買う必要もないだろうと辞めることにした。

 それと同時に、本人が楽しいことだけができる美術教室に行けばよいのでは?と思い、造形教室を見つけ、行ってみることにした。

 息子は今のところ、とても楽しんでいる。造形教室の月の予定表をもらうと、何と書いてあるのか私に聞き、その日にやることを楽しみにしている。「造形教室いつ?」とよく聞いてくる。

 そんな造形教室に、いつものように講座開始10分前くらいに行った。もう一人の生徒さんのお母さんが教室の前の椅子に座っていたので、いつものように挨拶をした。ところが、いつもにこやかなその方がひどく困惑した顔で私を見る。教室に目を向けると、先生も困惑した顔で、遠慮がちに、「あの、3時からです..」とおっしゃる。時計を見ると4時10分前だった。私はなぜかまるまる1時間間違えていたのだ。どうかしている。楽しみに来ている息子の隣で立ち尽くす私。先生は続けて、「連絡しょうかとも思ったんですけどね。」「暑いからね、そんなこともあるかもしれないよね。」「じゃあ、いいですよ、4時からやりましょう」と、
神だった。

 これが世に聞く神対応というやつでしょうか。ちょっと使い方が違うかな。先生を2倍働かせてしまうことになり、申し訳なさで一杯でしたが、それ以上にありがたさが上回った。息子は何も言葉を発しなかったが、うれしさが顔からこぼれ落ちていた。そして、いつものように静かに取り組んでいた。ああ良かった。もう間違えまい。当たり前だけど。


(見出し画像の絵は、息子が描いたものを私が模写しました)


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