【Amazon広告運用】広告の種類と出し方まで全体解説
【2024年11月5日 更新】
こんにちは、たつみん∣ECモール研究家です。
Amazon集客で必須となる「Amazon広告運用」について解説したいと思います。
これから広告の種類と出し方について紹介します。これまでやったことがなかったり外部代行会社に丸投げをしていた方も、まずは自身で基礎的な運用をできるようにすることをおすすめします。
広告の概要を理解したうえでプロに依頼するかどうかで、広告の効果も運用の費用も大きく異なります。すべてを理解する必要はありませんが、基礎だけでも完全にマスターして費用対効果を最大化させましょう。
集客の要となるAmazon広告
Amazon広告とは?
Amazon広告とは、Amazonが提供する広告サービスの総称です。Amazonのプラットフォーム内で商品やブランドの露出を増やし、販売促進を支援するための様々な広告フォーマットが用意されています。
Amazonで商品を販売しているセラーやベンダーであれば、広告は誰でも利用可能です。Amazon広告は、商品検索画面や商品詳細ページ、関連商品欄など、Amazon内の様々な場所に表示される仕様となっています。
広告はAmazon内に溶け込んで存在しており、消費者目線だと気づきにくいかもしれません。ただ、よくよく商品検索結果ページや商品詳細ページを眺めてみると「スポンサー」という表記をたくさん目にすることになるかと思います。これがAmazon内広告です。
これらは自社商品の露出を高める効果があり、主にアクセス数を高めるために用いられます。
Amazon広告をかける意味
Amazon内で広告をかけるのは集客が目的です。新商品に限らず、たとえ売れている商品であっても、アクセス数を増やす目的で使用されます。一部ブランディング要素を目的とするものもありますが、これは初心者向けではありません。
Amazonというプラットフォームの集客力は、他の追随を許さないほど圧倒的です。とは言っても、プラットフォームの集客力が強いからといって、広告を利用しない理由にはなりません。
なぜなら、Amazonは直近の購買数が多い商品ページが検索アルゴリズム上有利になるためです。
広告をかけなければ、相対的に広告をかけている自社と同等レベルのショップと差が開くばかりです。
検索アルゴリズムの仕組みについてはこちらで詳しく解説しています。
こういった理由から、商品ページを育て売上を上げたいほぼすべてのショップに広告は必須ということが理解いただけたかと思います。
広告の運用についてですが、基本的にはAmazon内の広告を運用するだけで、競合商品ページの平均以上の集客数を狙うことは簡単です。
それ以上にアクセスを増やしたい場合は、外部のGoogle広告やSNS広告などを利用するのが一般的です。
それでは、Amazon広告が外部広告と比較して優れた点を3つ紹介します。
ターゲットに直接アプローチ
Amazonで商品を検索したり、閲覧しているユーザーに対して広告を表示できるため、購買意欲の高いターゲット層に直接アプローチすることができます。費用対効果が高い
クリック課金(CPC)型のため、広告がクリックされた場合にのみ費用が発生します。そのため、無駄な広告費を抑え、高い費用対効果を実現します。詳細なターゲティング設定
キーワードターゲティング、商品ターゲティング、インタレストターゲティングなど、様々なターゲティング設定が可能です。これにより、より精度の高いターゲティングを実現し、効果的な広告配信を行うことが可能となります。
以上3つの理由から、Amazon出品者はどの広告を利用するのが適切か迷ったら、まずはAmazon広告を選択してください。
Amazon広告の種類
Amazon内の広告には様々な種類が存在しますが、代表的な4種類について紹介します。今回は4種類をさらに基本(初心者~上級者)と応用(中級者~上級者)で区別しました。
初心者が広告で最初につまづく理由の第1位が広告の複雑さです。最初から何もかも完ぺきに操作することは不可能です。まずは基本のシンプルな広告だけでよいので、一つずつしっかり覚えていきましょう。
基本の運用に慣れてから少し複雑な応用に着手しても遅くはありません。急いては事を仕損ずるという言葉があるように、闇雲に運用することで無駄な支出を膨らませてしまうことは避けなければいけません。
広告運用は長期間かけて習得していくつもりで、一つ一つ確実に理解を深めていってください。
それではこれからまずは、各広告の簡単な概要を紹介します。それぞれの詳しい内容については、本note中盤より解説しています。
Amazon広告一覧表
基本の広告
スポンサープロダクト(SP)広告
最初に紹介するAmazon内広告はスポンサープロダクト広告。通称、SP広告です。最もシンプルな基本の広告です。
SP広告は商品検索結果ページと商品詳細ページに表示され、お客様が最も目にする広告です。そしてこのあとに紹介する応用の広告と比較しても、費用対効果が高いことが特徴にあげられます。
これから広告運用を行う人は、まずはSP広告から始めてください。
転換率を上げることで費用対効果を高める方法は、こちらで解説しています
応用の広告
スポンサーブランド(SB)広告
スポンサーブランド広告、通称SB広告はAmazon内で動画広告を出せることが特徴の広告です。
こちらもSP広告と同様に商品検索画面に表示されるのは同じですが、SB広告はブランドとして複数商品を表示させたり、SP広告と比べて表現の自由度が高いことが特徴です。
SP広告の運用に慣れてきて、次のステップとして着手しやすいのがこのSB広告です。費用対効果はSP広告に劣りますが、SP広告と併用することで売上を押し上げる効果が期待できます。
また、この後に紹介するSD広告やAmazon DSPと比較すると相対的に費用対効果は高くなりやすい傾向があります。
スポンサーディスプレイ(SD)広告
スポンサーディスプレイ広告、通称SD広告はお客様の行動データをもとに最適な広告を表示するのが特徴の広告です。
SP広告やSB広告が、キーワードや商品の設定を元に広告を出すのに対し、このSD広告はお客様の興味やAmazon上での行動記録をもとに広告を出すといった違いがあります。
また、SP広告やSB広告の露出がAmazon内に限るのに対し、SD広告はAmazonに加えて外部サイトの Twitch や IMDbにも表示されます。
SD広告は掲載箇所が多く、お客様が商品を検索する前に広告を表示できるため、これまで広告を見てもらうことができなかった層へアプローチする強みがあります。
Amazon DSP(Demand-Side Platform)
Amazon DSP広告、通称DSP広告はセラーが直接運用することはできません。Amazon運営もしくは広告代理店しか運用できない代わりに、幅広い集客が期待できる特徴を持った広告です。
これまで紹介した広告は、すべてAmazon事業者が運用を行うことができるものでした。しかしながら、このDSPだけは外部へ依頼を行わないと利用することができません。
またもう1点特徴的なのが、こちらの広告はAmazonに出品していなくても利用が可能です。
本note読者はAmazonでの販売を主としていることと思われるので関係ない話かもしれませんが、DSP広告を使えばAmazonで買い物をしているお客様をAmazon外へ誘導することもできます。
広告の表示場所や期待できる効果も、先に紹介したSD広告と共通点が多く、2つを混同しやすいかもしれません。敢えて違いを挙げるなら、以下の3点が明確に異なります。
初期費用
SD:初期費用はかからない
DSP:初期費用が発生
ランニングコスト
SD:設定項目が多く最適化させるまでに時間がかる
DSP:自動的に最適化されるためわずかながら費用対効果が高い
期間
SD:いつでも任意のタイミングで中止できる
DSP:契約期間中は広告の途中停止不可
Amazon広告キャンペーンの作成と設定
ここからは具体的な広告運用の手順と設定方法を解説します。なお、基本の設定方法となるため、詳細な設定については各広告の説明を参照ください。
キャンペーン作成の手順
広告キャンペーンは以下の手順で設定します。こちらはSP広告の手順となります。
【広告キャンペーン設定手順】
セラーセントラルにログイン: Amazonセラーセントラルにログインし、「広告」タブをクリック
キャンペーン作成: 「キャンペーンを作成」ボタンをクリックし、キャンペーンタイプを選択
キャンペーン設定: キャンペーン名、開始日、予算、入札戦略などを設定
広告グループ作成: 広告グループ名を設定し、ターゲティングを設定
広告作成: 広告フォーマットを選択し、広告クリエイティブを作成
キャンペーン開始: キャンペーン設定を確認し、「キャンペーンを開始」ボタンをクリック
入札戦略の設定
Amazon広告では、主に以下の3つの入札戦略を選択できます。こちらはSP広告の入札設定となります。
固定入札
固定入札とは、広告のクリック単価を固定で設定する方法です。予算内で安定した広告配信を行いたい場合や、特定のクリック単価で広告を表示したい場合に適しています。
通常の費用対効果を意識した広告運用では、まず使用されないのがこの固定入札です。
なぜなら、入札を固定に設定してしまうと、取れるはずだった広告枠を得られる機会を逃すリスクと相場よりも高い広告単価を支払うリスクを二重に抱えることになるためです。
固定入札を使用するのは、あらかじめ決まった金額を決まった期間で消化したいときに限ります。
動的入札 - ダウンのみ
「動的入札」と「ダウンのみ」。それぞれ聞きなれない言葉だと思います。まずはこの言葉の意味を以下で説明します。
「動的入札 - ダウンのみ」で入札設定を行った場合、基準に設定した広告単価が上限となり、競合セラーがそれ以下でしか入札設定を行っていなければ広告単価が基準よりも下がる可能性があります。
つまり、この「動的入札 - ダウンのみ」の設定は、コストパフォーマンス最大化を狙った場合に適していることを意味しています。
限られた広告予算で売上を上げたいときに選択するのがよいでしょう。
動的入札 - アップとダウン
「動的入札 - アップとダウン」で入札設定を行った場合、基準に設定した広告単価より上がり下がりする可能性があります。
この設定では、広告単価の上限と下限が存在しないため、定点観測を頻繁に行わないと予想に反した動きを見せるリスクが存在します。
ただしメリットも大きく、競合セラーと広告単価による戦いになった際には、競り勝てる可能性が高いです。
それは、アップにより広告単価の上限が設定されていないため、競合セラーも自社と同様に「動的入札 - アップとダウン」もしくは固定入札(あまりりないケース)に設定していない限りは自社が広告枠を取得できるためです。
この設定は売上最大化を狙った場合に適していることを意味します。商品登録を行ったばかりで検索アルゴリズムを上げたい場合に役立つため、最初の数か月だけこの設定を使用するのは戦略上おすすめです。
ターゲティング設定
Amazon広告では誰に広告を表示するのか設定することができます。広告を露出させたい人を絞り込むことで、費用対効果を高める狙いがあります。
こちらではSP広告のターゲティングを紹介します。SP広告では、「オートターゲティング」と「マニュアルターゲティング」の2種類のターゲティング設定が可能です。
オートターゲティング
オートターゲティングは、Amazonが自動的に関連性の高いキーワードや商品を判別し、広告を表示するターゲティング方法です。
複雑なことを考えたり、特別な操作が不要で、自動(オート)で広告が動いてくれるため、広告初心者はまずこのオートターゲティングからはじめることを推奨します。
以下4つのターゲティングの中から、最適なものを選択します。
マニュアルターゲティング
マニュアルターゲティングはオートターゲティングの逆で、すべて手動で広告設定を行う方法です。
手間と時間がかかる分、広告の費用対効果を高めることが可能です。
オートターゲティングでは、購買に繋がりにくいキーワードや商品でもクリックをされてしまい、広告費が発生してしまうということも多々あります。
マニュアルターゲティングでは、最初から効果が高いものに限定して広告をかけられるため、オートターゲティングのように広告の無駄打ちがありません。
マニュアルターゲティングでは、以下3つのマッチタイプの中から最適なものを選択します。
マニュアルターゲティングでは、ターゲティングの対象を3つの中から選択することができます。それぞれ解説します。
キーワードターゲティング
特定のキーワードで商品を検索したユーザーに広告を表示する方法です。
例えば、「コーヒーメーカー」というキーワードで検索したユーザーに、あなたのコーヒーメーカーの広告を表示することができます。
この方法は、広告表示の機会を増やし、幅広いユーザーにアプローチできるというメリットがあります。
商品ターゲティング
特定の商品、カテゴリー、ブランドを閲覧しているユーザーに広告を表示する方法です。
例えば、競合他社のコーヒーメーカーの商品ページを閲覧しているユーザーに、あなたのコーヒーメーカーの広告を表示することができます。
この方法は、競合商品や類似商品を閲覧しているユーザーに直接アプローチできるため、効果的な販売促進につながる可能性があります。
商品ターゲティングでは、特定の商品ASINやカテゴリーID、ブランド名などを指定してターゲティングを行います。
オーディエンス(興味・関心)ターゲティング
過去の購入履歴や閲覧履歴に基づいて、興味関心の高いユーザーに広告を表示する方法です。
こちらはSD(スポンサーディスプレイ)広告のみで使用できるターゲティングです。
例えば、過去にコーヒー豆を購入したユーザーに、あなたのコーヒーメーカーの広告を表示することができます。この方法は、より精度の高いターゲティングを実現し、コンバージョン率を高めることができるというメリットがあります。
Amazonが提供するオーディエンスセグメントを利用することもできますし、独自のオーディエンスを作成することも可能です。
それぞれのターゲティング設定には、メリットとデメリットがあります。広告の目的に合わせて、適切なターゲティング設定を選択することが重要です。
例えば、新商品の認知度を上げたい場合はキーワードターゲティング、競合商品と比較検討されている商品を売りたい場合は商品ターゲティング、購入意欲の高い層にアプローチしたい場合はオーディエンスターゲティングが有効となります。
各Amazon広告の活用方法
ここからは、先に述べた4つのAmazon広告について、さらに深掘りして解説します。各広告の運用方法を学び、自社に最適な広告を選択・運用ください。
スポンサープロダクト広告
スポンサープロダクト広告は、Amazonの商品検索結果ページや商品詳細ページに表示されるクリック課金型の広告です。
特定のキーワードで検索したユーザーや、関連性の高い商品を閲覧しているユーザーに対して、自社商品を効果的にアピールできます。
この広告形式の大きなメリットは、クリック課金型であるため、広告がクリックされた場合にのみ費用が発生し、費用対効果が高い点です。
さらに、Amazonで商品を探している購買意欲の高いユーザーに直接アプローチできるため、高いコンバージョン率が期待できます。
そして、商品単位で広告効果を測定できるため、効果的な改善戦略を立てる上でも役立ちます。
スポンサープロダクト広告は、特に新商品の販売促進に効果を発揮します。Amazonの膨大な商品の中から自社商品を見つけやすくし、認知度を高めることで、新規顧客の獲得に繋がります。
また、競争の激しい商品においても、競合との差別化を図り、自社商品の露出を増やすことで、販売促進に貢献します。
ターゲティングの種類としては、キーワードターゲティングと商品ターゲティングの2種類があります。
キーワードターゲティングでは、特定のキーワードで検索したユーザーに広告を表示し、商品ターゲティングでは、特定の商品やカテゴリー、ブランドを閲覧しているユーザーに広告を表示します。
効果的なスポンサープロダクト広告運用のためには、商品と関連性の高いキーワードを選択し、ターゲットユーザーに的確にアプローチすることが重要です。
さらに、入札価格を調整することで、広告の表示順位をコントロールし、より多くのユーザーに広告を見てもらうことができます。広告効果を定期的に測定し、改善点を分析することで、さらなる効果向上を目指すことが可能になります。
広告に加えて自然検索によってアクセス数を増やす商品ページ作りについては、こちらで解説しています。
スポンサーブランド広告
スポンサーブランド広告は、Amazonの商品検索結果ページの上部や商品詳細ページに表示される広告形式です。
ブランドロゴ、カスタム見出し、複数の商品を同時に表示できるため、ブランドの認知度向上や、ブランドストアへの誘導に非常に効果的です。
この広告形式を利用する最大のメリットは、ブランドロゴやカスタム見出しを表示できる点です。これにより、他の商品広告とは一線を画し、ブランドの存在感を強くアピールすることができます。
また、ブランドストアへのリンクを設置することで、興味を持った顧客をスムーズにブランドストアへ誘導し、商品のラインナップを包括的に紹介することが可能です。
さらに、複数の商品を同時に表示できるため、特定の商品だけでなく、ブランド全体のイメージを訴求できる点も魅力です。
スポンサーブランド広告は、特にブランド力のある商品の認知度を高めたい場合に適しています。ブランドの世界観を表現し、ターゲットユーザーに響くメッセージを伝えることで、ブランドイメージの向上に繋がります。
また、新商品のラインナップをまとめて紹介したい場合にも有効です。複数の商品を同時に表示することで、ユーザーの興味を引き、購買意欲を高める効果が期待できます。
季節商品やイベントに合わせた商品を訴求する場合にも、タイムリーな情報を提供し、購買行動を促すことができます。
ターゲティングの種類は、スポンサープロダクト広告と同様に、キーワードターゲティングと商品ターゲティングの2種類です。
スポンサーブランド広告の中でも、特に注目すべきは動画広告です。動画広告は、商品検索結果ページに表示される最大45秒の動画で、商品の魅力を視覚的に訴求することができます。
動画広告のメリットは、静止画やテキストだけでは伝えきれない商品の魅力を、より分かりやすく、魅力的に伝えることができる点です。商品の使い方や機能、デザインなどを動画で紹介することで、ユーザーの購買意欲を高める効果が期待できます。
また、音声や音楽を活用することで、ブランドの世界観をより深く表現し、ユーザーの心に響く広告を制作することも可能です。
動画広告を作成する際には、以下の点に注意しましょう。
動画広告は、ブランド認知度向上や商品理解促進に非常に効果的な広告形式です。スポンサーブランド広告を効果的に活用するためには、目を惹くような広告クリエイティブを作成したり、一瞬で伝わるようなブランドの世界観を表現することが求められます。
このようにブランドイメージを伝えるためにはブランドストアの構築が欠かせません。しっかりストアを構築し、スポンサーブランド広告を運用することで新規のお客様そしてリピーター獲得に繋げられます。
スポンサーディスプレイ広告
スポンサーディスプレイ広告は、Amazon内外の様々な場所に表示される広告形式であり、商品詳細ページ、関連商品欄、Amazon DSPなど、多様な配信面を選択できるのが特徴です。
このため、幅広いターゲット層にアプローチし、商品やブランドの認知度向上、購買促進に大きく貢献します。
この広告形式の強みは、まずAmazon内外の多様な場所に広告を表示できるため、潜在顧客へのリーチを最大化できる点です。
さらに、商品詳細ページや関連商品欄など、ユーザーの購買意欲が高まっているタイミングで広告を表示できるため、効果的なアプローチが可能です。
また、リターゲティング機能を活用することで、過去に自社商品を閲覧したユーザーに対して再度アプローチし、購買を促進することもできます。
スポンサーディスプレイ広告は、特に新商品やブランドの認知度向上を図りたい場合に有効です。
Amazon内外に幅広く広告を表示することで、多くのユーザーに商品やブランドの存在を知ってもらうことができます。過去の購入履歴や閲覧履歴に基づいて、興味関心の高いユーザーにアプローチできるため、購買促進にも効果を発揮します。
ターゲティングは、コンテキストターゲティング(旧:商品ターゲティング)、オーディエンス(興味・関心)の2種類があります。
スポンサーディスプレイ広告を効果的に運用するためには、広告の目的に合わせて適切な配信面を選択することが重要です。
例えば、認知度向上を目的とする場合は、Amazon DSPなど、より多くのユーザーにリーチできる配信面を選ぶと良いでしょう。
また、目を引く広告クリエイティブを作成し、クリック率を高めることも大切です。
Amazon DSP
Amazon DSP (デマンドサイドプラットフォーム)は、Amazonが提供する広告プラットフォームであり、Amazon内外の多様な広告在庫に対して、ディスプレイ広告や動画広告を配信することができます。
この刻々の最大の特徴は、Amazonの膨大な顧客データに基づいた詳細なターゲティング設定が可能である点です。これにより、特定の顧客層に効果的にアプローチし、高い広告効果を実現することができます。
Amazon DSPのメリットは、詳細なターゲティング設定に加え、ディスプレイ広告や動画広告など多様な広告フォーマットに対応している点です。
静止画だけでなく、動画や音声などを活用したリッチな広告表現が可能となり、ブランドの世界観を効果的に伝えることができます。
Amazon DSPは、特に新商品やブランドの認知度を大幅に高めたい場合に有効です。Amazon内外の様々なウェブサイトやアプリに広告を表示することで、潜在顧客へのリーチを最大化し、ブランド認知を促進することができます。
また、過去の購入履歴や閲覧履歴に基づいて、興味関心の高いユーザーにアプローチできるため、購買促進にも効果を発揮します。それだけでなく、多様な広告フォーマットを活用することで、ブランドの世界観を表現し、ブランドイメージを高めることも可能です。
これらのターゲティング設定を組み合わせることで、より精度の高いターゲティングを実現し、広告効果を最大化することができます。
ただし、Amazon DSPの運用には広告代理店など外部専門家へ依頼する必要があり、自社で設定や運用を行うことはできません。この点はその他の広告と違った点のため注意が必要です。
また、Amazon DSPは継続的な改善が重要です。広告効果を定期的に測定し、改善策を講じることで、より高いROI(投資収益率)実現を狙えるので、特に効果測定には力を入れることをおすすめします。
Amazon広告の効果測定と改善
広告効果測定の指標
Amazon広告の効果を最大限に引き出すためには、広告のパフォーマンスを正確に把握し、改善していくことが欠かせません。
そのために知っておくべきなのが、広告効果測定の指標です。ここでは、代表的な指標とその意味について詳しく解説していきます。
・インプレッション(数)
まずインプレッションは、広告が表示された回数です。広告が多くのユーザーの目に触れるほど、商品の認知度向上に繋がります。
どれくらいのインプレッションが必要か目標と仮説を立てて、検証時に仮説と実際の数値の差分を測ります。もしもあまりに差が開いているようなら、原因を特定し改善策を打ち出すようにしてください。
・クリック(数)
次にクリックは、広告がクリックされた回数です。クリック数は、広告に興味を持ったユーザーの数と捉えることができます。
こちらのクリックもインプレッションと同様に、目標と仮説を立て測定を実施し、差分を埋める作業が有効です。
・クリック率(CTR)
クリック率とは、インプレッションに対してクリックされた割合のことを指します指標です。
クリック率=クリック÷インプレッション×100で求められ、割合が高いほど、広告がユーザーの興味を引いていることを示します。
広告のクリエイティブが、自社で設定したターゲットの興味や関心を惹くことができているか検証することが求められます。
もしも予想より低いクリック率だった場合は、改めてターゲットがクリックしたくなるクリエイティブとなるよう修正を加えましょう。
・注文数(ユニットセッション数)
注文数とはその名の通り、商品が注文された件数を指します。ビジネスレポートでは、ユニットセッション数という名称が使われています。
注文数が多い少ないは広告とは関係性が薄いですが、売上には大きく影響する要素です。注文数を最大化させられるよう、転換率を上げる施策を実施してください。
クリック数と注文数に関連した広告に関する指標を2つを紹介します。「CPC」と「CVR」です。
CPCは広告のワンクリック単価を示す指標です。
CVRはクリックに対する注文数の割合を示す指標です。
・広告費用対効果(ROAS)
最後が広告費用対効果(ROAS)という広告費用に対する売上高の割合を示す指標です。費用対効果の説明の際に紹介していますが、こちらでも再度解説します。
これらの指標を定期的に確認し、目標達成に向けた進捗状況を把握することで、広告戦略の改善に繋げることができます。
Amazon広告コンソールでは、これらの指標を簡単に確認できるので、可能な限り毎日指標を確認して改善にしていきましょう。
またAmazonビジネスレポートからも数値を把握できるため、余裕がある場合には広告画面と併せて確認してください。
広告パフォーマンス改善のポイント
Amazon広告の効果を最大限に引き出すためには、定期的なパフォーマンスの確認と改善が欠かせません。ここでは、具体的な改善ポイントを紹介します。
キーワードの見直し
効果の低いキーワードは思い切って削除し、代わりに効果の高いキーワードを追加することで、より効率的な広告配信が可能になります。
また、ネガティブキーワードを設定することで、自社商品とは関連性の低いキーワードでの広告表示を抑え、不要なクリックを減らすことができます。
さらに、キーワードマッチタイプを調整することで、より適切なターゲット層に広告を表示し、クリック率やコンバージョン率の向上を目指しましょう。
入札価格の調整
入札価格を調整することで、広告の表示順位をコントロールし、より多くのユーザーに広告を見てもらうことができます。
競合が多いキーワードでは、入札価格を上げることで、より多くのインプレッションを獲得できる可能性があります。ただし、広告費用対効果(ACoS)を目標値内に収めることも忘れずに行いましょう。
広告クリエイティブの改善
広告文や画像を魅力的にすることで、クリック率を高めることができます。
ターゲットユーザーに響く訴求ポイントを明確にし、競合商品の広告を参考にしながら、より魅力的な広告クリエイティブを作成しましょう。
ターゲティングの見直し
ターゲットとする商品やカテゴリー、キーワードを見直すことで、より精度の高いターゲティング設定が可能になります。
適切なターゲット層に広告を表示することで、コンバージョン率を高めることができます。
キャンペーン構造の見直し
広告パフォーマンス改善に繋がる可能性があります。広告グループを分割し、より詳細なターゲティング設定を行うことで、広告効果を最大化することができます。
また、自動ターゲティングと手動ターゲティングを組み合わせることで、より効率的な広告配信を実現できます。
まとめ
本noteでは、Amazon広告の種類の説明と運用の仕方について解説してきました。
これまで広告に馴染みのなかった方からすると、毎日費用が発生する広告は少し怖いものに感じるかもしれません。
広告運用に抵抗のある方は、まずはシンプルかつ費用対効果の高いスポンサープロダクト広告から始めてみてください。
そして、1日あたりの予算も1,000円以下の少額から少しずつ増やしていき、まずは広告になれることからはじめてみましょう。
広告は適切に運用できれば、既存の売上を大きく伸ばすことが可能です。効果測定を定期的に行い、運用テクニックを磨いていただけたらと思います。
本noteで触れた各テクニックについては別noteで解説していますので、必要な個所をご参照ください。
【参考リンク】
私のAmazonの知見を詰め込んでいるので、これらを読めば売上アップできる日がグッと近づきます。