【青藍】#色見本帖
青藍。くすんだ藍色。
陽が沈んだばかりの東の空の色。
黒に染まる前の青。
ほんの僅かな間の、おそらく、空の一番寂しそうな青。
夕暮れは赤く染まる西の空も美しいけれど、反対側の東の空を眺めるのが好きだ。
西の空よりも先に夜に染まりゆく東の空は淡い桃色からラベンダー色。そして黒に向かって青のグラデーションが広がる。
ラベンダー色が見えなくなった頃に広がるのが、少しくすんだこの青藍である。
昔(高校時代にまで遡る)から書いている話のキャラクターのひとりにその名前をつけた。
云十年ぶりに書くにあたって、その彼にスポットライトを当てたけど、青藍くんはなかなか動いてくれない。
引っ込み思案ですぐにお兄さんや友人に隠れてしまう。
東の空に雲が多くてもその色は見えない。
西の空から残照が消えるとともに青藍はみるみる黒に染まってしまう。
なかなかお目にかかれない寂しげな空の色を見つけると、嬉しくもあり、日暮れの寂しさを強く感じるのだった。
▪️青藍くんの出てくる話
↑なかなか本筋は進んでいない。