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【美味クレソン】7話前編 とんかつ三郎

どうも〜私の名前は不幸田幸子(ふこうださちこ)
不幸でもない幸福でもない。友人からは半不半幸の女と呼ばれています。

水口新聞社に入社して1年目の新人なのに、
『究極のクレソンメニュー』の担当に抜擢されたの。
そして、もう1人の担当者がミズグチスイデンたつじさん。
いつも寝てばかりで何を考えているのやら、んもう、先が
思いやられます。

お昼休憩時間、とんかつ三郎にて

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幸子「やったーすぐに『とんかつ三郎』に入れたわ。いつも行列でお昼時間ってなかなか入れないのよね」

たつじ「美味しいし値段も安いし、庶民の味方だな」

三郎「いらっしゃい…」

幸子「あれ、マスター元気がないわね」

三郎「はいよ、いつもと変わらないとんかつ定食です」

とんかつ定食が出される

たつじ「美味しいんだけど、今日のとんかつはいつもと違うな。ギリギリまで油につけていないし、どこか迷いがある」

女将「この雑誌を見てください」

たつじ「綺羅星はじめ特集か。最近テレビに引っ張りだこの料理人だな。三郎さんと何か関係があるのかな?」

女将「三郎と綺羅星は郷土が同じなんです。綺羅星は郷土のスター、自分はしがない定食屋と言って比べてしまってるんです」

幸子「こんなに店が繫盛しているのにもったいない」

三郎「はぁ、どうせオレなんか」

たつじ「重症だな。ヨシ、綺羅星はじめの店に行ってみよう」

フランス料理屋『ジャンジャン・バルジャン』にて

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幸子「すごーい!オシャレなお店、シャンデリアが高い位置にある。あっ、オーナーシェフの綺羅星氏だわ」

たつじ「生牡蠣のオードブルがいいね。注文しよう」

綺羅星「いらっしゃいませ。お楽しみいただけてますか?今日の牡蠣は大きくて身がふっくらして美味しいですよ。広島から取り寄せた極上品です」

幸子「ああ美味しいわ。身がプリッとしている」

たつじ「とても美味しいです。さすが産地のことを知り尽くしていますね」

綺羅星「出身は広島ですからね。思い入れはあります」

たつじ「ところで、このとんかつを食べていただけないでしょうか?」

いきなり弁当箱を差し出す

幸子「ちょっと、たつじさん失礼じゃない!すみません、この人頭おかしいので」

綺羅星「まあまあ、大丈夫です。それではひと口食べさせていただきます」

たつじ「お味の方はどうですか?」

綺羅星「こ、これは、まさしく、と、とんかつ次郎の味...」


次回【美味クレソン】とんかつ次郎とは一体?とんかつに隠された秘密とは!  続くかも...





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