米国福音派ニュース・サイトが世界教会協議会の反イスラエル指針を非難する
先週土曜日のブライトバート・ニュースの記事によると、クリスチャン・ポストが世界教会協議会の「反イスラエル指針」を非難したそうだ。
世界教会協議会は、全世界の教会が一致と正義と平和を目指して共に行動することを促進する組織であると称している。世界の主要なプロテスタントの諸教派は、1948年に設立されたこの組織のメンバーになっている。ちなみに、日本基督教団と日本聖公会は1948年から、この組織のメンバーになっている。在日大韓基督教会は1963年からこの組織のメンバーである。日本正教会は、プロテスタントではないにもかかわらず、1973年からこの組織のメンバーになっている。
この世界教会協議会を非難したクリスチャン・ポストは、2004年に米国で創設された福音派キリスト教徒のニュース・サイトである。このクリスチャン・ポストの辛辣な記事は、サイモン・ウィーゼンタール・センターで指導的な役割を果たしてきたふたりのラビによって執筆された。サイモン・ウィーゼンタール・センターは、世界各地のユダヤ人のための人権団体であり、ホロコーストに関する調査やユダヤ人憎悪に対する監視を行っている。
このユダヤ人団体の執筆者たちは、世界教会協議会の国際問題委員会の議長であるフランク・チカネ牧師が、キリスト教を史上最悪の中世のユダヤ人憎悪へと逆戻りさせようとしていると主張して、チカネ牧師を非難した。南アフリカのペンテコステ派の牧師であるチカネ議長は、最近のZoom会議の中で、「我々は、パレスチナ人を残酷に扱うイスラエルを支持する者たちに対して、次のように言い始めることを求められている。すなわち、イスラエル支持者たちは、パレスチナ人の血を今後も求めることになる。なぜなら、イスラエル支持者たちは、このシステムの継続を許可することによって、イスラエルに協力しているからである」と呼びかけた。クリスチャン・ポストの執筆者たちは、チカネ牧師の発言を「露骨な捏造」と呼んで批判した。
この論争に対して、世界教会協議会は、チカネ牧師はそのZoom会議の中で「個人的な立場で発言したのであって、世界教会協議会の報道官として発言したのではない」と表明した。しかしながら、クリスチャン・ポストの執筆者たちは、世界教会協議会の反イスラエル指針が、チカネ牧師の発言よりも何十年も前にすでに始まっていたと主張している。
世界教会協議会は「1948年のユダヤ人国家の建設を支持しないことを選択したのであり、その代わりに、その政治的な複雑さがさらに地球規模の反ユダヤ主義を招くことになるのではないかと警告したのである」と、執筆者たちは述べた。つまり、世界教会協議会は、イスラエルの建国を祝福する代わりに、呪いの言葉を表明したのだ。
世界教会協議会はまた、1967年の6日戦争の際には、イスラエルの「力強さと拡大可能性」のために隣国のエジプト、シリア、ヨルダンに恐怖心を与えていると主張して、イスラエルを非難した。6日戦争はイスラエルにとっては、滅亡の危機に瀕したイスラエルが生き延びるための自衛戦争であり、その結果として、隣国のよって占領されていた領土を取り戻したのである。にもかかららず、世界教会協議会は、そのイスラエルの勝利を隣国に対する脅威と見なして、イスラエルを非難したのである。
70年代と80年代に入っても「イスラエルに対する世界教会協議会の蔑視は、間髪を入れずに継続した」と執筆者たちは述べた。「定期的に、世界教会協議会はイスラエルを非難したが、アラブ人によるテロ攻撃を批判することは怠り続けたのである。」
さらに執筆者たちが主張するところによると、世界教会協議会はイスラエルを頻繁に非難する一方で、キューバ、北朝鮮、ベネズエラ、中国、イランの実際の残虐な体制に対する批判は、ほとんどしなかったのである。
「ソビエト連邦は影響力を行使して、世界教会協議会が、ソ連によるアフガニスタンやチェコスロバキアへの侵攻を批判しないようにさせていた」と執筆者たちは述べている。
ユダヤ人団体の指導者である執筆者たちは、世界教会協議会が共産主義体制に対して親近感を持っていることについて批判しながら、ルーマニア共産主義体制の秘密警察の元長官が2015年に語った証言を引用した。このルーマニアの秘密警察の長官とは、1978年に米国に亡命したイオン・ミハイ・パチェパのことである。
パチェパの証言によると、解放の神学はKGBの創作であり、KGB はマルクス主義を南アメリカ大陸に導入するために、解放の神学をラテン・アメリカに輸出したのである。
「解放の神学は、マルクス主義とキリスト教の結婚であると一般的に理解されてきた」とパチェパは語った。「理解されてこなかったことは、それが共産主義を追い求めるキリスト教徒たちの成果ではなく、むしろキリスト教徒たちを追い求める共産主義者たちの成果であったということである。」
パチェパの証言によると、解放の神学は、1960年代の最高機密である「一政党国家偽情報プログラム」から生まれた。このプログラムは、アレクサンドル・シェレーピンKGB議長とアレクセイ・キリチェンコによって承認されていた。このキリチェンコは、ソ連共産党政治局のメンバーであり、ソ連の国際政策の調整役を務めていた。
パチェパが語ったところによると、このプログラムには、スイスのジュネーブに拠点を置く世界教会協議会をKGB が密かに支配するという指令と、解放の神学を南アメリカの革命の道具に変えるための隠れ蓑として世界教会協議会をKGBが利用するという指令とが、含まれていたのである。
パチェパによると、ソ連政府は、世界教会協議会がバチカンの次に巨大な国際的エキュメニカル組織であることを知っていた。この組織は、120ヶ国の約5億5千万人のキリスト教徒の多様な教派を代表していたのである。
チネカ牧師が1983年に、文脈化神学の研究機関の事務局長になっていたことは、奇妙な偶然である。この研究機関は、南アフリカ教会協議会の内部のシンクタンクであり、このシンクタンクは解放の神学を宣伝していたのである。