「サスティナブル」進化論
column vol.202
今週水曜日に執筆した「ビックリ!ニュース」に再び繋がる話なのですが、クリスマスツリーに使われる生木が700万本も廃棄されているそうです。
〈AMP / 2021年1月29日〉
このホリデーごみ問題は、これまで欧米で毎年のように話題になってきまししたが、SDGs意識が高まり、サスティナブルなクリスマスを目指す取り組みが活発化しています。
そこで、この新しい取り組みを始め、最新のサスティナブルトピックスを本日はご紹介いたします。
「ホリデーごみ問題」解決に向けて
アメリカでは、11月終わりのサンクスギビングデー前後からクリスマスにかけての約1ヵ月間が「ホリデーシーズン」と呼ばれていますが、期間中に出されるごみは、通常の25%増。
数字にすると毎年2,500万トンものごみが、余分に発生。食料廃棄量については、通常の33%増になるそうです。
まず、初歩的な取り組みとしては簡易包装ですが、最近ではモノギフトではなく、イベントや習い事のチケット、ミュージアムや動物園の年間パスなど体験型ギフトに移行しているとのこと。
そして、簡易包装どころか、包装しない新たなアクションもあるそうです。
通常は、ツリーの下にプレゼントを置くため、中身が見えないように包装しますが、宝探しのように家のどこかに隠し、それを見つけるというゲーム方式を取り入れる家族もいるようで、これによりラッピングする必要がなくなります。
さらに、冒頭のクリスマスツリーの話に戻りますが、レンタル方式が広がってきているようですね。
クリスマスが終わって返却すると、そのツリーは畑に戻って再育成。ツリーの根が鉢に入りきらなくなるまで7年ほどあるので、その間はツリーとして活躍し、引退後は土に植えられ、余生を生きるとのこと。
サスティナブルクリスマスが広まっています。
アパレルも飲食も大注目の「万能キノコ」
最近では、アパレル業界も飲食業界もキノコ素材の商品が次々と開発されているそうです。
〈AMP / 2021年1月26日〉
「プラスチックごみ問題」への関心が急速に高まっていますが、プラスチックに代わる素材に関して「生分解性プラスチック」に期待が集まっています。
微生物によって分解されるプラスチックと定義されるこの素材は、生物資源由来のものがあり、でんぷんや糖を原料とするものが多いと言われています。
今までは耐久性や機能性が劣るという欠点がありましたが、キノコ由来はそれを解決すると期待されています。
アディダスやグッチ、ルルレモンなどの企業も関心を高めており、ファッション界は2021年、キノコマテリアルが新風を巻き起こすのではないかと話題になっているのです。
また、キノコタンパク質を人工肉や美容液に活用する例も増えてきており、キノコの躍進に目が離せません。
曇った日でも太陽光発電
フィリピンの大学生であるカーヴェイ・エーレン・メグさんが紫外線を使って発電させる新素材「AuREUS(オーレウス)」を開発。
しかも、この素材、廃棄農作物由来とのことです。
〈WIERD / 2021年1月31日〉
メグさんは小雨が降るある曇天の日でも紫外線は降り注いでいることに気づき、紫外線発電を発案。
厳密に言うと、紫外線をまず可視光線に変換し、それを従来の太陽光発電のメカニズムによって電気に変える方法を考えました。
そして素材には、廃棄農作物を使用。
ウコンなどいくつかの農作物には、紫外線を可視光線に変換する成分が入っているので、その中から9種類の作物を使って素材を作っているそうです。
完成したAuREUSは、試験でエネルギー変換効率(光を電気に換える割合)が48%に相当する結果に。一般的な太陽光発電のエネルギー変換効率が10~25%であることを考えると、素晴らしい発明です。
最終的には、太陽光発電パネルの3倍を目指しているそうで、クリーンエネルギーがより発展していくことが期待されます。
「サスティナブルクリスマス」に、「キノコ素材」、そして「廃棄農作物由来の紫外線発電」など、持続可能な社会の実現に対する取り組みは、ますます進化しています。
今後も新しい動向に目を向けていきたいと思います。
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