「未来世界」へ導く新テクノロジー
column vol.427
先日、Facebookとレイバンがコラボした「スマートグラス」についてお話ししましたが、ご紹介した日は詳細発表の前日。
発表されたら、共有しようと思っていたのですが…、すみません!少し遅くなりましたが、改めてご報告いたします…!
他にも、映画のような未来の世界だと思った新テクノロジーがありますので、併せてお話しさせていただきますね。
スマートグラスの真価
9月9日に発売された「レイバン ストーリーズ」には、アイウエアのフレームに500万画素の小型カメラが2つ組み込まれている他、マイク、スピーカー、操作用のタッチセンサー、バッテリーなどを内蔵。
写真や動画(30秒)の撮影、音楽再生、通話などが可能となっています。
〈WWD JAPAN / 2021年9月10日〉
デザインも「レイバン」の定番モデル、ウェイファーラー、メテオ、ラウンドをベースにしており、重さも通常の『レイバン』モデルと比べて5グラム程度しか変わらなく、日常使いできる仕立てになっております。
懸念されていたプライバシー保護ですが、カメラ使用時にはフレームに埋め込まれたLEDライトが点灯し、周囲に撮影中であることが分かるように作られているそうです。
価格は299ドル(約3万2500円)からとなっており、米国、英国、アイルランド、イタリア、オーストラリア、カナダにある「レイバン」の店舗とECで販売。
13日からはルックスオティカが提携する小売店の一部でも発売されています。
スマホが常に手の平にあるように、スマートグラスもまるでマスクをかけるが如く常に装着している時代はすぐそこかもしれませんね。
間違いなく、新しい時代の幕開けです。
全てのドライバーが「超能力」運転に
続いては、脳波を使ってドライブできる車の話です。
ドイツ・ミュンヘンで開催中の「IAA モビリティ 2021」において、メルセデス・ベンツは映画「アバター」にインスパイアされたコンセプトカー「VISION AVTR」の特徴的な機能「ブレイン・コンピュータ・インターフェイス(BCI)」を公開。
〈AXIS / 2021年9月8日〉
ユーザーの頭部にデバイスを取り付け、短時間の調整プロセスを経て、測定された脳波を解析。
自らの思考で、目的地の選択や車内照明の切り替え、ラジオの選局など、ユーザーインターフェイスを制御して、自動車をリアルタイムで操作できるというわけです。
もともと医学分野では、BCIを身体に障害をもつ人々がより自立した生活を送るためのサポートアプリケーションとして研究していました。
それをついに車に応用したというわけで、自動運転と同時にエポックメイキング的な出来事になりそうですね。
嘘みたいな光線の話
最後は感染社会に「光」を指す画期的な開発が公表されました。
夜空に浮かぶ、光の輪が何とコロナウイルスを消滅させるというのです…(驚)
〈TABI LABO / 2021年9月11日〉
この光の名は「Urban Sun」。
オランダのデザインラボ「スタジオ・ローズガルデ」によるという作品。
「Far-UVC(遠紫外線)」と呼ばれる特殊なUVライトを照射するもので、なんとこのライト、人間や動物にとって無害であるにも関わらず、細菌やウイルスを倒す性質があるのだそうです…。
空中を浮遊するウイルスの99.9%をわずか数分程度で不活性化させ、エアロゾル(空気中に漂う微細な粒子)による感染を防げるとのこと。
コロナに限らずインフルエンザを始めとする様々なウイルスやバクテリアを消滅させることができるようで、今後新しい感染症が生まれると言われいるだけに、非常に興味深い事例となりそうです。
ちなみに、行末は蛍光灯のような形で日常の中に溶け込むようで、LEDの次は殺菌ライトになるのでしょうか?
期待が高まりますね〜。
とはいえ、テクノロジーの進化も、人間社会にどんな豊かさをつくるのかというビジョンが重要です。
特に日本は技術先行になりがちだった過去があるので、理想の未来をどう描いていくか。
グランドデザインが試される時代とも言えそうです。