「幸福」を引き寄せる習慣
column vol.512
ビル・ゲイツさんには長年に渡って行っている夜のルーティーンがあるそうです。
まさに成功習慣。
1つは「皿洗い」、そしてもう1つが「読書」。両方とも私自身やっていることなので、その理由に興味津々です。
〈lifehacker / 2021年12月16日〉
成功者の夜の習慣
まず、「食器を洗う」という行為は瞑想的な落ち着きを与えてくれるということが理由です。
家に帰ってからも色々と仕事のことを考えてしまう人は少なくはないはずです。
皿を洗うことで無心となる。まさに家事を通した「禅の世界」です。
私の場合はミッションとして皿を洗っていますが(笑)、確かに余計なことを考えず、無心になれていると思います。
もちろん、皿洗いだけではなく、掃除なんかもそうですね。単純作業を通して心が整う感じがします。
そしてもう一つの「読書」は、書き手や主人公を通して共感力が高まったり、新しい知識を手に入れたり、異なる視点を認識できるといったことが挙げられます。
つまり、「知欲」を満たしてくれるということです。
そして、寝る前の読書は特に効果的のようで、『Journal of College Teaching & Learning』誌に掲載された研究によると、わずか30分の読書が血圧を下げ、精神的苦痛を和らげる効果を示したそうです。
2つの習慣に共通するのは、寝る前に「優しくリセット」することの重要性。
どんなに情熱的に仕事にとり組んでいたとしても、そこから頭を切り離す時間をもつべきだと教えてくれています。
「義務感」からの解放
本ということで言えば、最近、いろいろなメディアに取り上げられて個人的に面白いと思ったのが、武田双雲さんの『丁寧道 ストレスから自由になれる最高メソッド』です。
この本に書かれているのは、「幸福」を引き寄せるさまざまな知恵が詰まっています。
例えば、「自分で自分を潰す人」がやりがちな思考のクセとして「ねばならない」に囚われいると指摘されています。
〈東洋経済オンライン / 2021年12月17日〉
武田さんは好きなことも「評価」が加わると、義務に転じ億劫になると指摘されています。
確かにそう思います。
勉強は本来ならば、楽しいことです。大人になってからの学習が楽しく感じるのはテストもなければ、誰にダメ出しされることもないからでしょう(資格取得は別ですが)。
しかし仮に、ゲームばっかりやっている子どもに親が
「何で、こんな簡単なステージを軽々クリアーできないの!」「こんな練習量だから、友達の○○○くんに勝てないのよ!」
と口うるさく言っていたら、どうでしょう?
多分その子にとってゲームは楽しいものから「がんばるもの」に変わってしまうでしょう。
だから、仕事も多くの人が嫌いになってしまう…(涙)
そこで、「〜ねばならない(義務)」から「〜すると良い(意欲)」にシフトすることが重要です。
例えば、「売上を上げねばならない」だと気が重いですが、「お客さまを喜ばせよう」なら頭の中で広がるイメージが異なります。
前者は会社都合で達成できても見返りがないかもしれません。なぜなら、会社の収支が赤字ならば給料に反映されないかもしれないからです。
一方、後者なら自分都合でお客様が喜んでくれたらダイレクトに「感謝」や「喜び」が伝わってきますし、先日の前田祐二さんの記事ではないのですが、仕事とは「人を喜ばせて対価を得る」という原則なら、きっとそれが自分の売上に繋がっていくはずです。
同じ業務をどのように気が向く方にチューニングしていくか、これがプロフェッショナルとして活躍するための肝なのでしょう。
「人間関係」を円滑にする魔法の言葉
また、仕事といえば一番重要と言っても過言ではないのが「人間関係」です。
武田さんの「丁寧道」では、ここにも言及しており、円滑に業務を進めていくためには、「ないもの」ではなく「あるもの」に目を向けることが重要だと指摘しています。
〈lifehacker / 2021年12月8日〉
武田さんはご自身のことを「感謝オタク」と表現します。
人間関係「ないもの」に目を向けがちになってしまいます。
「何でこんなこともできないのだろう?」「何で何遍言ってもやってくれないんだろう?」
部下の立場からすると
「何で私のことを分かってくれないのだろう?」「私にいろいろと要求し過ぎなのではないか?」
それぞれの立場でさまざまな不満が職場には渦巻いています。
ミスチルの『シーソーゲーム 〜勇敢な恋の歌〜』でもあるように、恋だけではなく人間関係は「エゴとエゴのシーソーゲーム」を繰り返しています。
だからこそ、何か衝突があった時こそ「あるもの」に目を向ける。その人がいることでどんな恩恵を受けているのかを考えるということですね。
「何遍言っても“のほほ〜ん”としているけど、でも誰よりも私の愚痴を聞いてくれる人だよな」
とか。
「いろいろと私に言ってくれる人だけど、自分では言いにくいことを代わりに上司やクライアントに言ってくれる人だよなぁ」
など、何か自分にとって良い面が必ずあるはずです(多分…)。
私の中では長所と短所は表裏一体だと思っているので、何か人と衝突があった場合は、いつも「裏を返せば」とその人に腹立つ面の裏側を見るようにして、気持ちを沈めています。
少なくても、どんなに腹が立っている夜でも、寝る前には「優しくリセット」しておきたい。
ビル・ゲイツさんに倣って、安らかな夜を迎えるためにも「あるもの」に目を向けて眠る方が得策ですね。
布団に入って怒りが沸いてきた際は、ぜひ試していただければ幸いです。