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vol.16 売り場は「学び場」へ変わる
レシート・画像買い取りアプリ「ONE」はご存知ですか?当時17歳の起業家・山内奏人さんが開発したということで、一時期多くのメディアで取り上げられました。
その「ONE」を開発した会社・WED(旧ワンファイナンシャル)が、自分にご褒美を与えるWebサービス「Advent(アドベント)」をスタートしました。
〈BUSINESS INSIDER JAPAN / 2020年7月30日〉
「自己投資」がキーワードに
「Advent」では、「毎日30分読書をする」とか「語学の勉強をするとか」目標を立て、事前に課金。課金した金額は日割りされ、毎日達成する度にお金がご褒美のように戻ってきます。もしも、ミッションを怠ったら、その日の金額は没収となり、そのお金がWEDの売上になるという仕組みです。
当然、課金した以上の金額を儲けることはできません。では、ユーザーは何を買っているのでしょうか?そうです、「体験(自分を褒める)」機会を買っているのです。もっと言えば、自己投資へのモチベーションを買っているとも言えます。
私も自粛期間中、仕事量が減った分、自分磨きにさまざま取り組んできたのでよく分かります。VUCA時代(答えが見えない時代)に、コロナが重なり、本当に世の中どうなるんだろうという焦燥感が、心の中を支配していました。
最近では「なるようにしかならない」とも思いますが、自己投資をしていて損はない。こうして毎日noteに記事をアップするのも自己研鑽の一種です。
ちなみに、1年前になりますが、社会人の平均勉強時間が11分というニュースを見ました。だから、勉強することはチャンス。答えの見えない時代ではなおさらです。
50代から自己投資への意識が急上昇
ちなみにですが、ユーキャンの2020年予測で、「2020年の教育改革で、大人の学び方も変わると思う」と答えた人が65.2%もいたそうです。
私もライフスタイル調査を行う度に、どの世代でも自己投資、自分磨きへの意識は高まっていると感じます。とりわけ、50代の方々は意識が高い。恐らく、女性は子育てがひと段落し、100年人生を見据え、人生の後半戦を真剣に考えるようになるのでしょう。男性もセカンドキャリアを強烈に意識するのもこの世代なのかと思います。
弊社代表の谷口は50代を「人生の生まれ直し世代」と呼んでおり、インベスト時代の象徴世代として注目しています。
〈五〇歳からの自己投資 / 東洋経済新報社〉
売り場は「学び場」、商品を「教材」と捉える
ショッピングセンター(SC)でも、路面店でも、売り場はどうなっているでしょう?相変わらず、モノが並んでいます。モノ消費からコト消費へと言われて久しいですが、モノの価値、それも見た目で勝負してしまっています。
コト消費は、例えば、旅行というコトがあって、スーツケースなどのトラベルグッズが売れていきます。「旅に行きたい」という動機をつくって、旅を楽しむ(便利にする)ためにモノを購入してもらうのです。
インベスト(自己投資)時代のモノのあり方は、「学習消費」と言えるでしょう。例えば、習い事に通うための服であり、道具が必要になります。言わば教材です。
さらに、料理でも、DIYでも、健康でも、スタリングでも、自分またはライフスタイルを高めるための学びのタネがお店にあることも重要になります。
私はランニングシューズだけは、必ず決まったスポーツショップで購入します。フルマラソンでは1秒でもタイムを縮めたい。そのために、自分にあった靴をシューフィッターの人と相談しながら毎回決めています。
顧客調査でも、「自分だけの(自分にあった)提案をして欲しい」という声は多く聞かれます。とりわけ面白いと思ったのが、お客さまは館内を歩きながら、自分の体型にあった店員を探して、着こなしの参考にしているという意見もよく耳にします。自分の体型すら武器になるのです。
「体型が同じお客さまに対しての提案なら誰にも負けない」。そう思う販売員がいたら強いですよね。お客さま一人ひとりにいかに学び(共感と刺激)を与えることができるか。一人ひとりに向き合えるのも、人間対人間のなせる業です(OMOを含めたパーソントゥパーソン)。
この辺のことは私の師匠である谷口が書籍に上手くまとめています。
〈何が資産家。 / Life Design Books〉
学びの残像が時代を生き抜く新しい価値。少し大仰に聞こえるかもしれませんが、インベスト時代の生活像を掴むのにぜひご活用くださいませ。