「新しいニーズ」が生み出す「新しい商品」 〜後編〜
column vol.319
昨日は「時短」に関連する新しいニーズと新しい商品についてお話しさせていただきました。
今日は新しいカテゴリーについてのニーズや商品についてご紹介したいと思います。
赤ちゃんの感性を育む「ベビー服」
テレビ東京の赤ちゃん向け番組「シナぷしゅ」をご存知でしょうか?
民放初の0~2歳児向け番組で、玉石混交のコンテンツ市場の中で、テレビ東京が赤ちゃんに良質なコンテンツを届けたいと視聴率無視で始めたこの番組。
番組名の由来となっている「シナプス」とは、脳の神経細胞と神経細胞の間にある繋ぎ目のことで、赤ちゃんの感性を刺激し、シナプスを増やすことを目的にしています。
そんなシナぷしゅの哲学にGUが共感し、「ジーユー ベビー」が同番組とのコラボアイテムを発売いたしました(EC先行、11日より店舗でも販売)。
〈WWD JAPAN / 2021年6月4日〉
赤ちゃんの感性を育み、赤ちゃん自身のためになるベビー服を意識して企画。
ポケットから覗く「シナぷしゅ」のイラストが、確かに赤ちゃんの感性を育んでくれそうです。
実際、子どもでも外しやすい大きなサイズのボタンなので、指先を活性化させることができ、自分で外す練習にもなります。
「自分でできた」という達成感を感じさせることが狙いです。
また、前後どちらでも着られるデザインにすることで失敗を無くし、子どもの“お着替え”を肯定。「自分でやる」「自分の感性で着る」といったエッセンスがあり、ファッションを通して、自立型教育を体験することができるのです。
ファッションが学習装置になる。食分野では食育が当たり前になってきましたが、「学習」をいかにさまざまなカテゴリーでも採用するかということが大事なのではないでしょうか。
子どもだけが泊まれるホテル
子どもの事例をもう1本。
“世界一小さな町”と呼ばれるベルギー・デュルビュイには、8歳から15歳の子どもだけが泊まれる「Kids Hotel」というホテルがあるそうです。
〈TABI LABO / 2021年5月24日〉
1人部屋、2人部屋、3人部屋が用意されていて、宿泊料は2泊3日で1人250ユーロ(約3万3千円)〜300ユーロ(約3万9千円)と割と高めな値段設定になっていますが、その理由は子どもたちが思いっきり楽しめる環境が用意されているからとのことです。
ホテルの近くにある自然豊かなパーク「Adventure Valley」では、アスレチックやカヤックなどのアウトドアアクティビティから、ボーリングやレーザーゲームのインドアアクティビティが満載。
コロナ対策のために最大10人のグループで行動し、スタッフが24時間体制で子どもたちの面倒をみてくれるのも安心できるポイントです。
これは良いですね。子どもの自立心が育まれるとともに、普段ゆっくり休めない親御さんたちの束の間の休息をもたらしてくれます。
大人もOKなら家族みんなで泊まることが当たり前になってしまうので、あえて子ども限定にすることで、子どもの成長体験を促せるようになるというわけです。
とても面白い事例でした。
コロナ禍で辛口比率がアップ!
最後は、私が大好きな「辛口」の話題です。
消費者向けEC「ロハコ」の主力商品であるレトルトカレー。2020年3月に投入した4食パックの中辛タイプがヒットし、続く21年には辛口タイプを新発売。
市場全体では、レトルトカレーの中辛と辛口の構成比は3対1と、中辛が辛口を圧倒していました。
ロハコでも、19年当時は同水準でしたが、コロナの拡大以降は状況が変わり、中辛と辛口の構成比が2対1と、辛口の割合が急速に高まったそうです。
〈日経クロストレンド / 2021年5月20日〉
コロナ禍で刺激を求める人が増えたのでしょうか(笑)。私も激辛が得意なわけではないですが、辛口は大好きです。
ただ、実は2019年から第4次辛口ブームは始まっています。
テレビでも『有吉ゼミ』(日本テレビ系)の「チャレンジグルメ」、『ウワサのお客さま』(フジテレビ系)の「ウワサ激辛部 道場破り」など、激辛料理を取り扱った番組は多くなっています。
ちなみに、私の大学の劇団仲間の石坂タケシが辛いものが苦手なのに、ユーチューブで激辛メニューに一生懸命挑戦しています。
〈石坂タケシのタケ新聞〉
石坂は社会風刺コント集団「ザ・ニュースペーパー」のメンバーの舞台役者なのですが、コロナ禍で収益が厳しい中、ユーチューブに進出し、現在頑張っております。
リアクションが秀逸なので、ぜひぜひ同チャンネルをご視聴いただけると嬉しい限りです。
私も石坂に負けじと地道にnote記事を書き続けていきたいと思います。
明日もぜひぜひコラム記事をご覧いただければ幸いです。それではまた明日。おやすみなさいませ。