新しい生き方「ヒューマン・オートノミー」
column vol.507
12月9日(木)に当社主催の法人セミナー「文化経済研究会」が開催され、今回も当社代表の代わりに第3部の講演を務めさせていただきました。
〈ジャパンライフデザインシステムズWebサイト〉
今回は「ヒューマン・オートノミー」をテーマに3部構成でお届けいたしました。
ヒューマン・オートノミーとは「好きな時に、好きな場所で暮らし、
働き、人生を楽しむ」社会ビジョンのことです。
一部は「好きなことをバランスよく楽しむビュッフェキャリアで「なりたい自分」をプロデュース」。
パラレルキャリアを実践している正能茉優さん。
そして、第二部は「好きな時に、好きな場所で、好きな人と世界中を旅して働く日常をデザイン」。
コリビングを提供する大瀬良亮さん。
ちなみに、コリビングとは複数の人が共に働き共に暮らすコワーキングスペースとシェアハウスが一体型となった新たな生き方です。
まずはお二人がどんな活動をしているかをご紹介させていただきます。
好きなことを好きな分だけ「ビュッフェキャリア」
第1部の正能さんは大学生の時に地域の商材をかわいくプロデュースし発信・販売するハピキラFACTORYを創業。
地方創生を手掛けつつ、今はパーソルキャリアで新規事業にも従事し、これまでも博報堂→ソニーでキャリアを積んできました。
さらには、慶應義塾大学の特任助教として後進を育て、内閣官房「まち・ひと・しごと創生会議」の有識者委員としても活動するなど、多岐に渡って活躍されています。
まさにビュッフェを楽しむように「好きなことを好きな分だけ楽しむ」働き方。
名付けて「ビュッフェキャリア」なのですが、その考え方は「1時間当たりの自分の価値を最大化」することです。
そのために複数の肩書きを持つようにしているのです。
自分の価値を高めるためには「ナンバーワン」「ファーストワン」「オンリーワン」のいずれかを目指すことになります。
ナンバーワンになるのは難しいし、仮になれたとしても維持することも大変です。
ファーストワンもゼロから何かを生み出す発明家のような人でないといけないので非常にレアな存在。
でも、肩書きを掛け合わせて独自性をつくることはトライしやすいのではないでしょうか?
例えば、「モデルなのに魚屋を営んでいる」「会計士としても活躍する農家」という人のようなイメージです。
堀江貴文さんも変化の激しいVUCA時代は
「1つのもので100点を目指すよりも、80点のものをいくつか掛け合わせた方が成功する」
と仰っていますが、まさにその生き方を正能さんは体現しているのです。
本当は大瀬良さん含めて講演動画をお見せしたいのですが、あいにく会員様限定の有料セミナーなので、正能さんの考え方が分かる記事で代用させていただきます。
ぜひコチラの記事もご覧くださいませ。
〈type / 2019年3月11日〉
「多様な場所で多様な人と働くこと」を日常に
続いては株式会社Kabuk Style社長の大瀬良さんについてです。
世界36ヵ国、1,000拠点以上の多拠点居住施設を持つ「HafH」を手掛けているのですが、簡単に説明すると「旅のサブスク」を展開しています。
「HafH」は先日、日本航空と提携して、航空サブスクの実証実験を始めたことで取り上げさせていただきました。
多様な人と多様な場所で交流する。それによって自分の幅は大きく広がります。
最近、コロナ禍で自治体での副業が8倍になっているというニュースが話題になりましたが、無報酬でも新しい土地で新しい挑戦がしたいという人は増えているのです。
〈Forbes JAPAN / 2021年12月3日〉
先日、【「場所」を選ぶことが「人生」】でも語りましたが、場所は「人」や「やること」に多大なる影響を及ぼします。
私が渋谷のオフィスで東京の人たちと企画を考えるのと、アフリカに行きマサイ族の人と企画を考えるのでは、同じテーマだとしてもアウトプットは大きく異なるはずです。
最近はリモート移住ということも流行り出していますが、やはり違う文化を持った方々と仕事の上でもセッションすることが、自分の新しい可能性を広げることになるのでしょう。
ちなみに、「HafH」の他にも多拠点施設と言えば東急グループが提供する定額制回遊型住み替えサービス「TsugiTsugi(ツギツギ)」も有名ですね。
〈ITmediaビジネスオンライン / 2021年12月11日〉
今後、「ワーケーションが日常になる」。
そんなことを期待させてくれる大瀬良さんの取り組みが伝わるように、こちらのブロックでも分かりやすい記事をご用意させていただきましたので、ぜひご覧くださいませ。
〈QUALITIES / 2020年6月9日〉
「ヒューマン・オートノミー」を実現する組織とは?
そして、最後の第3部で話した私のテーマはヒューマン・オートノミーを主軸にした「組織論」です。
イノベーションはどこの企業でも求められておりますが、革新的な組織とはどんな組織なのでしょうか?
そのヒントになるのが、マサチューセッツ工科大学・メディアラボ教授
アレックス・ペントランドさんの「3つのTalk」です。
Talk a lot(たくさん話そう)
Talk equally(平等に話そう)
Talk outside(外部の人と話そう)
この中で一番重要な視点が「Talk outside」です。
なるべく業界を超えて交流を生み出す。それを組織的に行うためにはシームレスに外の力を取り込むことが重要になります。
つまり「オープンイノベーション」です。
ただ、「外の力を借りる」というイメージよりも組織そのものをプラットフォーム化し、内外問わず多様な人材を取り込む意識が重要だと思います。
それを国レベルで行っているのがエストニアです。
自他共に認める北欧の小国ですが、「イーレジデンシー(電子居住者)」という制度を使い、例えば、アメリカの経営者がオーストラリアの従業員を雇って、エストニア企業として事業展開することが可能に。
外と中を分けずに国を高めていくから、電子政府の実現や多数のユニコーン企業の輩出など、小国でありながら世界が注目する近未来国家に成長したのだと思います。
でも、企業がシームレスなプラットフォーム化してしまったら、組織はバラバラになってしまい企業としての意義が無くなってしまうのではないか?
そう心配する方もいるはずです。
その答えも含めて、講演では上記の話をじっくりと解説しております。
〈文化経済研究会YouTubeチャンネル〉
コチラの動画は広報用に一般公開しておりますので、ぜひ気になる方はご覧いただけると幸せです。
30分弱の長さとなっておりますので、お手すきのときにどうぞ。
ということで、「ヒューマン・オートノミー」は今後重要なキーワードになるはずです。
新しい生き方、働き方の参考にぜひ頭の隅に留めていただければと思います。
本日も最後まで読んでいただき誠にありがとうございました。
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