
コロナの救世主?「人工抗体」
column vol.190
昨夜、フジテレビの「Mr.サンデー」を見ていて、コロナ治療薬の希望として「人工抗体」のことが紹介されていました。
正直に話しますと、番組を観るまでは人工抗体の存在は知りませんでした…。
11月にトランプ元大統領が、コロナ感染した時もリジェネロン社の人工抗体を投与され、比較的早い段階で回復。
アメリカではコロナの予防薬、治療薬として期待されているようです。
人工抗体で、コロナ発症「8割減」
非常に簡潔にお話しすると、人工抗体は一度感染した方の抗体を取り出し、抗体治療薬にしたもの。予防薬として使用したり、感染者に対しては軽症者に投与し、ウイルスを撃退し、中等症、重症になることを防ぐことが目的。
当たり前ですが、感染してなるべく早い段階で投与すると効果が高いと言われています。
しかも、今のところ投与された方々に大きな問題は出ていないそうです。
このニュースは朝日新聞デジタルでも配信されていました。
〈朝日新聞デジタル / 2021年1月22日〉
米製薬大手イーライリリーは21日、開発中の抗体治療薬の大規模治験で、コロナウイルスの発症リスクを大幅に下げる効果が確認された、と発表。
使われたのは、コロナから回復した患者の抗体をモデルに、人工的につくった「モノクローナル抗体」を使った注射薬「バムラニビマブ」。ウイルスが細胞に侵入するのを妨げる作用があるそうです。
米国立アレルギー感染症研究所とともに、まだコロナへの感染が確認されていない高齢者施設の入所者と職員約1千人を対象に治験を実施したのですが、人工抗体を投与したグループは、そうでないグループよりも発症リスクが57%も低い結果に。
入所者に限ると8割も低かったとのことです。
この薬は米食品医薬品局(FDA)が昨年11月、軽度から中等度の患者に対する治療薬として緊急時使用許可を出しています。
日本でも抗体を開発
ちなみに、日本でも島根大学や長崎大学などのグループがマウスを使った実験で成功したそうです。
〈NHK NEWS WEB / 2021年1月22日〉
同グループでは、マウスを使ってウイルスに反応する14種類の「抗体」を特定し、これらの「抗体」に実際にウイルスを攻撃する働きがあるかどうかを実験。
その結果、この内の5種類の「抗体」に、ウイルスを攻撃して働きを失わせる性質があることが確認されたとのこと。
同グループは22日、これらの抗体の遺伝子配列などについて特許を出願したということで、今後、ヒトへの応用を目指してさらに改良を進めていくそうです。
話を、昨夜の「Mr.サンデー」に戻しますと、宮根さんの口から出た人工抗体の金額は、現在のところ、何と一回21万円、、、…!(汗)
そして、効果は約1ヵ月…。…なかなかです…。
しかも、安全面の確認など、日本での展開はまだまだ先になりそうで、「コロナの救世主」と呼ぶには、まだまだ時期尚早ですね…。
ただ、一つの光明であることは確かなので、今回取り上げさせていただきました。
しばし、注視したいと思います。