バレンタイン2021市場動向
column vol.210
本日はバレンタインですね。コロナ禍に加えて日曜日ということもあり、特に義理チョコ(友チョコ)商戦は厳しいのではないでしょうか。
実際に株式会社Parasolの未婚女性100人を対象に行なった調査によると、「昨年と比較して、義理チョコを渡す人数が減る」と回答した人は、65.7%という結果に。
〈フィナンシャルフィールド / 2021年2月10日〉
「コロナ禍で、口にするものをあげることに抵抗を覚えるから」という衛生面を気にした理由もあるそうです。
ちなみに巣篭もり生活で「手作りチョコ」を作る方が増えているとのこと。5.0%から19.1%に大きく増加しています。
こちらは、食品産業新聞社の記事でもこの傾向が紹介されています。
〈食品産業新聞社 / 2021年2月12日〉
食品企業大手の明治が、2020年9〜11月に10〜20代の中高生を中心とした女性1261人を対象に行ったバレンタインに関する意識調査によると、75.7%が「手作りでチョコやお菓子を作る」と回答し、前年より12.1%増加しました。
さらっと、記事を眺めるだけでも世相が反映されていますね。
ということで、本日はバレンタインの市場動向について、お話しさせていただきます。
今年は減少傾向に
マインド把握として、株式会社KIRINZが全国の大学生539名を対象に行なった調査が参考になりました。
〈PRTIMES / 2021年2月12日〉
〈PRTIMES記事より〉
今年1月時点ですが、チョコを渡す予定の女子大生は53.8%と約半数。ちなみに本命チョコについては91.4%が手作りを選ぶと回答しています。
市販のチョコを販売するメーカーや小売店としては厳しい結果です。
京都新聞でも減少傾向を示唆しています。
〈京都新聞 / 2021年2月13日〉
調査会社インテージのアンケートでは、「本命チョコ」を用意する女性の割合は7.7%と昨年調査から6.2ポイント減少。
日本記念日協会でも、今年のバレンタインデーの市場規模は前年比20%減の約1,050億円と試算しています。
ちなみに、京都新聞の記事では百貨店などの取り組みが紹介されているのですが、その1つの高島屋ではネット販売に力を入れており、オンラインの売上は前年の2倍に増えているそうです。
バレンタインもデジタルシフトで活路を見出そうとしていることが分かります。
思わず目を引くユニークNews
チョコレート菓子「ブラックサンダー」で有名な有楽製菓が一風変わったバレンタイン商品を発売し、話題をさらっています。
〈東京新聞 / 2021年2月12日〉
今まで「分かりやすい義理チョコ」としてポジションを築いてきた同社ですが、義理チョコを贈ることへの煽りを謝罪しつつ、多様な楽しみ方を提案。
〈有楽製菓Webサイト〉
例えば、本命チョコなら告白のための練習マネキンや下駄箱を販売したり、逆に2月14日は「煮干しの日」であることから煮干しを販売したりと、どこまで本気か分からないような多彩な商品を用意しています。
「壊すぞ バレンタインの常識」というキャッチフレーズが今年のテーマを印象づけています。
(詳しくはWebサイトをご覧ください)
また、ここ数年は人間だけではなく、人気キャラへの贈り物も増えているようです。
しかし、今年はコロナ禍ということもあって、「推しチョコ」自粛を呼びかけているとのこと。
〈JIJI.COM / 2021年2月13日〉
人気ゲーム「ドラゴンクエスト」などを制作するスクウェア・エニックスには例年、ゲーム開発の部署や登場する人気キャラ宛てに大量のチョコが届くそうですが、今年はホームページに「食品類などの贈り物はお控えください」と掲載。
同社では在宅勤務制度を本格化しており、緊急事態宣言下での社での受け取りが難しいとして自粛呼びかけを決めたそうです。
他にもゆるキャラにも贈る方が多いそうですが、「くまモン」は昨年343個のチョコをもらったとのこと。
今年も「贈る方の気持ちを大切に」と受け取る方針を固めたそうですが、フードバンクに寄付するとのことでした。
英国「私の隔離施設になって」
最後は海外の事例から。
ロックダウンのイギリスでは、コロナ禍を踏まえたバレンタインが広がっているそうです。
〈REUTERS / 2021年2月13日〉
その中で注目されているのが「メッセージカード」。
「私の隔離施設になって」「私たちの愛はロックダウンできない」など、コロナ禍ならではのメッセージが目立ちます。
カードを制作したデザイナーのアマンダ・ハラムさんは
「(このカードを作る際に)私が望んだことは、とにかく相手を笑わせようということ。笑顔こそが今一番求められるものだと思うし。だからこのちょっと困難な時期に、バレンタインカードを送って相手を笑顔にできたら、最高だと思う」
と語っています。
笑顔が最高のプレゼント。甘〜いですね。
バレンタインは私が子供の頃とは大きく変わってきていますし、もはや何の日なのか、よく分からなくなっていますが(笑)、メーカーや小売店がバレンタインをお題にした「大喜利」の日であることは間違いありません。
ちなみに我が家はバレンタイン色0%です(笑)。とりあえず、妻と昨日買ってきたセブンイレブンの生チョコを二人で食べたいと思います。
本日も最後まで読んでいただき誠にありがとうございました。