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オランダの農業が注目されるワケ

column vol.126

今年の自粛期間中、世界的に熱が高まったのが「自家栽培(家庭菜園)」です。日本でもさまざまなメディアで取り上げられていましたね。

やはり、社会不安を感じれば感じるほど食の生産に近づきたくなる心理は分かります。私の周りにも庭先や共同農園で野菜栽培を始めた人や、農家の人たちと交流する人も増えてきており、一次産業に対する注目度は高まっていると実感しています。

特に日本は食料自給率が低い国。こういった農業への注目はつどつどありましたが、改めてこの問題の大切さをおさらいしたいと思いまして、今日はこちらのテーマでお話しさせていただければ幸いです。

日本の食料自給率が低いワケ

この国の食料自給率は昨年度の数字(カロリーベース)で38%。ピークは1965年度の73%で、2000年度以降は、40%前後で低迷しています。

品目別の自給率(カロリーベース)で言うと、米…98%、野菜…76%、魚介類…54%、果実…32%、大豆…22%、小麦…17%畜産物…15%油脂類…3%

米を始め野菜や魚は、比較的自給できている一方で、畜産物やパンに使われる小麦などの自給率が低いために全体を押し下げられています。

小麦などは分かるとして、牛肉や鶏肉など、お肉はスーパーなどに行くと意外と国産の食材が並んでいませんか?最初は、私も不思議に思っていました。

しかし、国内で育てられた牛や鶏でも食べるエサが海外から輸入したものであれば、その分は自給したとは見なされません。例えば、鶏の卵は96%が国産ですが、鶏のエサとなるトウモロコシなどは海外に依存しているため、自給率は12%まで下がってしまいます。

ちなみに、コロナよってロシアが小麦の輸出を一時、規制するなどの動きもあったように、感染拡大が続くとどうしても自国ファーストになりやすいので、日本の食料状況は不安定な状況にならざるを得ません。

食料自給率が低いのは国土の問題?

ちなみに食料輸出世界第1位「アメリカ」。やはり国土が広いですから、当然です。

しかし、実は2位は「オランダ」日本の九州ほどの面積しかありません。しかも、北海道よりも北にあるため冬の日照時間は短く、決して温暖な気候とは言えない環境。

そんなオランダがなぜ食料輸出で2位になれるのか?その答えがAMPに詳しく書かれていたので、ご紹介します。

〈AMP / 2020年11月18日〉

理由は、厳しい寒さの中でも安定して作物を育てられる「温室栽培」と、肥沃な土壌がなくても野菜を栽培できる「水耕栽培」に長けているから。少ない資源からより高い生産性で野菜を栽培できているのです。

酪農畜産においてもイノベーションが進み、生産効率は高い一方、抗生物質の使用は大幅な削減に成功しているとのこと。

そして、農業分野における強固な産学連携も特長です。

オランダ西部に位置するワーニンゲン大学リサーチセンター(WUR)は世界トップの農業研究機関として数々のイノベーションを創出。WURの周りには、取り巻くように「ダノン」「ハインツ」などの世界大手食品企業12社や農業関連のスタートアップ企業が研究拠点を構えています。

ちなみに、牛や鶏の飼料に廃棄される食品を使うなどの工夫もあり、フードロス解決ともリンクさせているなど、オランダの農業は非常に練られた仕組みになっています。

人口減少傾向にある日本とは異なり、世界全体で見れば人口爆発傾向にあると言われ、2055年には人口が100億人に到達されると予測。当然、食料問題はより深刻になるはずですので、オランダの農業が世界から注目される理由がよく分かります。

ちなみに、以前もnoteの記事で取り上げましたが、「究極の地産地消」の実現を目指すドイツの企業「インファーム」の事例を改めて掲載させていただきます。

〈HUFFPOST / 2020年3月12日〉

垂直農法+水耕栽培により、土を使った通常の農業と比べて、必要農地面積は99%肥料は75%水は95%も削減できるという画期的な方法。詳しくはぜひ記事をご覧くださいませ。

ゲームで農業がもっと身近に

最後はちょっと趣向を変えて、ゲームの話をしたいと思います。今月12日に発売された新作ゲーム『天穂のサクナヒメ』(PS4、Nintendo Switch)が「令和の米騒動だ」と話題になっています(笑)。

〈ORICON NEWS / 2020年11月14日〉

同ゲームは、鬼が支配する「ヒノエ島」を舞台に豊穣神サクナヒメが大暴れし、縦横無尽な爽快アクションが楽しめるというもの。ゲーム内に「米づくり」があり、田起こし、田植え、収穫など一つひとつの工程を丁寧に行い良い米を収穫すると、豊穣神サクナが強くなるシステム。“稲を育てる”和風RPGです。

この稲作について「農業パートがガチ過ぎ」とゲーマーから声が上がっているそうで、農林水産省のサイトを見て「どのようにしたら良い米を作ることができるのか?」と攻略に役立てようとする人が続出しているそうです(笑)。

ツイッターでもトレンド入りしたり、農業系の業界紙「日本農業新聞」が反応したりと、熱いムーブメントが巻き起こっています。

こういったことで今まで農業から縁遠かった人たちが関心を持つきっかけになるので、とても良いことなのではないでしょうか。

私自身も周りの人たちの影響もあり、農業に対して興味が生まれています。今年は廉売所によく足を運び、野菜の知識を深めました。

なかなか農作物を育てるところまで行動ができていませんが、どこかのタイミングで始めたいと思っております。

と、そんなことを考えながらこの記事を書いていたら、今しがたタイミング良く、義理の姉が日光で採れた大量のじゃがいも、さつまいも、下仁田ネギを届けてくれました。

ありがたや〜。

今日は採れたての大地の恵をいただきたいと思います!

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