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会議の論点を広げ、絞り、深めるために何をするべきか【書籍から学ぶ】

皆さんこんばんは、福田達也です。

前回の記事では、論点を広く洗い出し、絞り、深めることで論点の地図を作ること。そして、その論点の地図によって議論の方向性を軌道修正可能な準備をするという話を紹介しました。

論点を広げていくためには、論点を広げること、論点を絞り込むこと、論点を深めることの3つのアクションが重要となります。今回は、この部分をもう少し深掘りして紹介していきたいと思います。

今回もこちらの書籍『ファシリテーションの教科書―組織を活性化させるコミュニケーションとリーダーシップ』より、学びの紹介です。

論点を広げる

前回の記事でも触れたように、論点を把握するためには、論点を広げ→絞り込み→深めるという順番が重要になります。最初の論点を広げる目的は、起こり得る論点を広く網羅的に洗い出すことで、見落としを減らし、予測量を増やすことです。

実際の議論の場において、ファシリテーターが想定もしていなかった論点が出現すると、その論点の理解に思考が取られ、その発言をどう捌くのかといった重要なアクションが遅れてしまう危険性があります。そのため、どれだけの論点を事前にカバーできているかはとても重要です。

論点を広げる場合には、今回の議論においてどのような論点が考えられるだろうかということを事前に広く洗い出しておくことです。そのための具体的なアプローチは以下の3つです。

1つ目はテーマ自体から論理的に考えること。議論のテーマに対して、その判断に関係してくる論点はなにかといった観点から考えることです。この際にはロジックツリーなどを用いて、それぞれの観点を構造的に整理することで、より効率的な洗い出しが可能です。

2つ目は、既存のフレームワークを利用することです。3CやSWOT、4Pなど、ビジネスシーンにおいては、沢山のフレームワークが用意されています。その中から今回の議論に適切なものを選び適用することです。

3つ目は、合意形成のステップから検討することです。場の目的の共有や、アクションの選択と合意など、それぞれのステップにおいてどういう議論が巻き起こりそうかを事前に考えておくことで、予測の制度が高まります。

論点を絞り込む

論点を広げたとしても、一つの議論の場において、全ての論点を平等に一つずつ議論をしていれば時間がいくらあっても足りません。論点を広げることで、起こり得る論点を網羅的に把握できたら、そこから重点的に議論すべき論点と議論すべきでない論点を峻別する必要があります。それが、論点を絞り込むということです。

議論の目的は、その議論の出発点から到達点までたどり着くことです。この峻別の段階では、到達点にたどり着くために、その論点について議論し、合意を形成する必要があるかどうかという観点から考えます。

続いて議論すべきである論点から、さらにそれが議論の場で触れる必要があるかどうかを検討します。例えば全員が合意が取れている論点であれば、確認のみで済ませれば良いですし、議論の参加者のみで結論が出せない論点であれば、次回以降に持ち越すようにします。

論点を深める

こうして論点を広げ、絞った後は、残った重要な論点に対し、論点を深める作業を行います。ここでの目的は、論点を議論する上で考慮すべき点は何かを洗い出すことです。

その際に便利な考え方は、アウトプット(結果としてどういう状態になるか)と、インプット(そのアウトプットに影響を与える要因は何か)の視点で物事を捉えることです。例えば、店頭の売上というアウトプット一つをとっても、広告、立地、商品、価格、店員の接客など、売上に影響を与える様々な要因が考えられます。

また、店員の接客というアウトプットを取っても、商品知識なのか、接客マナーなのか、それに関連するインプットが複数出てきます。

このように、一つの論点に対して、その裏にあるインプットは何かを考え、準備しておくことで、議論の場において、話し手の論点やその前提は何かということに気づきやすくなります。

終わりに

今回はファシリテーションをする上で重要な仕込みの内、論点の地図を作るために必要な3つのステップをより深掘りして紹介しました。

会議は準備が8割と言われますが、確かにこれだけの仕込みを事前に済ませていれば、スムーズに進行するだろうと感じます。自分も、実践を通して効率的に準備を進められる力を身に着けていきたいものです。

本日も読んでいただき、ありがとうございます。
また次の記事でお会いできることを、楽しみにしています。



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