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発言者の内容を深く理解するために欠落している情報を推定する【書籍から学ぶ】

みなさんこんばんは、福田達也です。

今日も前回に引き続き、ファシリテーションについて勉強したことをアウトプットしていきたいと思います。本日の教材もこちらの書籍です。

前回の記事では、ファシリテーターが会議中の要求されるさばきの技術の内、参加者の発言を引き出し、理解・共有するための技術について紹介しました。

今回は、その後者の「発言を理解する」ための技術をより深めたものについてです。発言者の内容を深く理解することは、全体の議論をあるべき方向に導くファシリテーターにとって欠かせないこと。具体的に何を意識して、どのように聞けば良いのでしょうか。

書籍の要約:発言を深く理解する

ファシリテーターは、話し手の話していること以上の事を読み取り、補完することで深く理解する力が必要である。そのためには「論理の三角形」を意識することが重要だ。

論理の三角形は、頂点の「主張」を「根拠」が支える構造のことであり、「ピラミッド・ストラクチャー」とも呼ばれる。そして、この主張と根拠の結びつきは、主に演繹的な論理展開と帰納的な論理展開がある。

「論理の三角形」を意識して聴くとは、演繹法における前提や、帰納法における共通項など、議論の中で省略される部分を考えながら話を聴き、相手の論理展開を推定することである。このためには、相手は論理的に正しい主張をしようとしているはず、という想いを持ち、そのためには本来どのような前提が必要だろうかと考えることが重要だ。

まず相手の主張を明確にし、演繹法における隠れた前提や、帰納法における共通点と違いを確認する。その上で、欠けている論点を補完し、話し手に問いかけて確認する。

話し手の論理展開を補完して問いかける

議論の場において何かを主張しようとするとき、私たちは無意識のうちに自分の持っている前提や共通認識などは、その場にいる全員が同じように持っているものであると思いこんでしまいがちです。そしてその結果、共有されているはずである前提の部分はわざわざ口に出さない事が多いです。

また、以前の記事でも触れましたが、前提や共通認識のみならず、主張や論点自体が不明確や曖昧といったケースもあります。主張が曖昧というのは、何か色々と言っているけれど、結局何が言いたいのかという結論がないという状態です。論点が不明確というのは、何かを主張しているのだけれど、そもそもその主張が何の問題意識から来ているのか、聞き手が理解できないという状態です。

ファシリテーターとしては困った事ではありますが、議論を円滑に進めるためにも、その論点・根拠・主張の全体像を解き明かし、全員が理解できるようにすることが重要です。そのために、ファシリテーターには欠落している情報を解き明かし、整理して提示する力が必要になります。

そのために意識するべきことが論理の三角形、あるいはピラミッドストラクチャーです。ピラミッドストラクチャーについては、以前の記事でも紹介しましたが、簡単に言うと、主張を論理展開するための根拠や、その根拠の根拠をピラミッド状に整理したものです。

終わりに

今回は、議論の場において、話し手の不完全な論理展開を補完し、深く理解するためにはどうするかについて紹介しました。

ファシリテーターをしていると、議論がかみ合わなかったり、目指している所は一緒なのに主張が理解できないというケースが良くあります。こういった時には、論理の三角形を意識し、欠けている情報は何かを確かめるようにしたいものです。

また、ファシリテーターの場合もそうですが、自分が一参加者である場合には、きちんと前提から伝えるようにしようと考える時間になりました。

本日も読んでいただき、ありがとうございます。
また次の記事でお会いできることを、楽しみにしています。

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