無限の彼方へ - PIXER 世界一のアニメーション企業の今まで語られなかったお金の話を読みました
トイストーリーと言えば、今や誰もが知るアニメーション会社・PIXER（ピクサー）の代表作です。
トイストーリーが作られていた裏側で、PIXERという会社がどのように成長していったか、その話がまとめられているのが、この本。
著者：ローレンス・レビーは最終的にPIXERの取締役まで務めた、株式公開時の財務責任者。
スティーブ・ジョブズに誘われてPIXERの株式公開と、その数年後に起こるディズニーによる買収取引に尽力した人物です。
この本の原題は「TO PIXER AND BEYOND」。
トイストーリーに登場するキャラクター、バズ・ライトイヤーの有名なセリフ「無限の彼方へ、さあ行くぞ！」は英語では「To infinity… and beyond!」と言うそうで、タイトルからもトイストーリーと、PIXERへの著者の愛が感じられる本です。
著者はジョブズに声をかけられて仕事を始めるも、ジョブズとの仕事も初めて、アニメーションやエンタテインメントの仕事も初めてという中で、PIXERの魅力を体感し、財政的になんとか良い方向へ持って行こうと奮闘します。
実は、トイストーリーはコンピューターアニメーションの長編映画としては世界で初めてのプロジェクト。
どこまで受け入れられるかが全くわからない作品だったそう。
それでもPIXERにいるクリエイターたちの才能を信じ、ジョブスと共に、時には口論をしながらも、今あるPIXERの基礎を築いた人だと言えます。
---
この本は過去を振り返るお話ですが、ストーリーがとてもしっかりしていて時系列で追いやすいので、読んでいてその当時を一緒に過ごしているような気分になります。
以前、オバマ元大統領の大統領補佐官をしていたアリッサ・マストロモナコの本を読んだ時も思ったのですが、米国で出版される自伝的な本は本当に物語のようで、著者の熱量が伝わってきます。
タイトルには「お金の話」とあるので、経済や経営の知識が必要かとも思われるかもしれませんが、これはまぎれもなくPIXERとPIXERで働く人のお話です。
映画やアニメーションが好きな方、業界で働く方にもオススメの一冊だと思います。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？